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二章

41話 御崎家からの帰り

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「最近楽しそうだなぁ、お前」

夕食をいただき、御崎家に見送られながら車に乗り込むと扉が閉じる前にそう言われた。
息が詰まりそうになる。

「気のせい」

俺は悟られないように、突っぱねるように答えた。
父はその答えに反応することなく、運転手にコンタクトを取り車を出させた。

「………」

依然凍り付く車内。

ピロンと音が鳴り携帯に光がともる。
送られてきたのは桜さんからの「おやすみ」の一言だった。
ぐっ、と口角が上がりそうになるのをこらえて文字を打ち始める。

「箕六、車の中では携帯をしまいなさい」

そう言われ、「おやすみ」のメールを送り終えてから携帯をしまった。

家に帰り流れるようにして自分の部屋へと入る。
ふとカレンダーに目をやると、そろそろ3連休ではないか、と思った。
その後すぐに期末試験があるのだがそれはひとまず置いておいて、3連休何をしよう。

「夏だし、プールとかかな」

思わず桜さんの水着を妄想してしまう。

「いや、ないない」

俺は頭を振り、その妄想を打ち消した。

モヤモヤとしつつ、必死に考えていると携帯がもう一度鳴った。

明日の朝、改札前で待ってます。

とそれだけ。
一緒に登校しようという意味なのだろうか。
何はともあれとても嬉しい。
俺はさっき上げられなかった分も含めて口角を上げた。
すぐに俺は「了解しました」と送った。

「明日の朝…」

布団に潜り込み、明日の朝について考える。
朝から桜さんと会える!

幸せな気持ちのまま、幸せなことを考えていると、気づいたら寝てしまっていた。

今日はとても疲れたな。
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