29 / 37
27話
しおりを挟む
「ええ!?」
護りの誓いって前リベルがやった怖いやつだよね!?なんで急に!?
ってかなんでリベルに聞くんだよ!
「....何故俺に聞く」
だよね!まずそこだよね!
「まずはリベル団長に許可を頂いてから、と」
なんでよ!リベルの許可があろうがなかろうが俺は許可しないからね!?
「なら俺が駄目だと言えば諦めるのか?」
「....いえ、説得します」
「ちょ、ちょっと待って、ヴィス!リベル説得しても意味ないから!」
「それは、許可をくれないという意味か?」
「俺が、ね。リベルは関係ないでしょ?」
「そういうことだ。当人同士で話し合え」
もうっ。最初からそう言えばいいのに!
「チヒロ、駄目な理由を教えてくれないか?」
「重いから」
ズバッというとヴィスの耳があからさまに下がって少し罪悪感に襲われる。
「いや、違うよ!?気持ちは嬉しいよ!?嬉しいんだけど....、もっと気楽にいかない?別に命まで賭けなくていいしさ。主従関係っぽくなるのも嫌だし...」
重い以外の理由をなんとか引きずり出して諦めてもらおうと必死だ。
それなのにヴィスの耳がピンと立った。
「それは違う」
「え?」
何が違うの?
「主従関係ではない。むしろ伴侶的な意味合いの方が強い」
はんりょ.....伴侶!?なんで!?それなら余計ダメじゃない!?
「ちょ、ちょっと待って、意味わかんないんだけど」
「別に結婚してくれと言っているわけではない。その方がいいなら俺はそれでも構わないがな。ただ、側にいて護りたいだけだ」
いや、それもうプロポーズじゃん...!!
なにがどうなってこんな状況になったんだ!?
そもそも俺男ですけど!?
突然のプロポーズもどきにちょっとしたパニック状態である。
でも一つだけ、一つだけ教えてほしい。
「.....ここでは同性同士で結婚できるの....?」
途端にみんなぽかんとした表情になった。
「.....チヒロの国ではできないのか?」
では、ということはやはりできるということか。
「....うん...、できない....」
「何故だ?」
「えっ?」
なんでって言われても....。別にそんなこと疑問に思ったことないしな....。
「えっと....、理由はわからない。それが一般的だったから....」
「つまり、チヒロの国では異性同士の結婚しか認められていなくて、チヒロもそうなんだな?」
「う、うん...。あ、でも偏見とかはないよ!」
「そんなことは心配していないが....、なるほど。だからあんなに無防備なのか」
「無防備?」
「お前、同性に好意寄せられると思ってないだろ」
そうか。この国は同性婚できて、同性婚ができるってことは同性同士の恋愛も当たり前にあるわけで....、その国にいるってことは俺も対象に見られるのか。
「ぜ、全然思ってなかった....。あ、それでハグした時微妙な感じだったの?」
「あー...それはまた別....、だがまぁ、他の奴にはするなよ」
「う、うん。わかった。.....あの、さ。.....みんなは、その....男の人が好き、なの....?」
「ん?いや、性別は気にしたことないな」
な、なるほど...。好きになった人がタイプ、ってやつか。
他のみんなもそんな感じらしい。
ちなみに恋人がいるのはリュードとローレン。ローレンは知ってたけどリュードの恋人も男の人らしい。
でもみんなモテそうなのに、などと当たり障りのない話をしてどうにかさっきの話をなかったことにできないだろうか。
「お前、はぐらかそうとしてるだろ」
秒でバレた。
「うっ」
「そんなに嫌か?」
その言い方はずるい。
「っ、だから、気持ちは嬉しいんだって!そうやって思ってくれてるだけでいいから!」
「.....わかった。無理強いするものでもないしな。ただ、俺の気持ちは忘れないでくれ」
...だからもうこのイケメンたちは....!自分の顔の威力わかっててやってんすかね!?思わずドキっとしたわっ。
「う、うん...。わかった」
とりあえずわかってもらえたのでよしとしよう。
護りの誓いって前リベルがやった怖いやつだよね!?なんで急に!?
ってかなんでリベルに聞くんだよ!
「....何故俺に聞く」
だよね!まずそこだよね!
「まずはリベル団長に許可を頂いてから、と」
なんでよ!リベルの許可があろうがなかろうが俺は許可しないからね!?
「なら俺が駄目だと言えば諦めるのか?」
「....いえ、説得します」
「ちょ、ちょっと待って、ヴィス!リベル説得しても意味ないから!」
「それは、許可をくれないという意味か?」
「俺が、ね。リベルは関係ないでしょ?」
「そういうことだ。当人同士で話し合え」
もうっ。最初からそう言えばいいのに!
「チヒロ、駄目な理由を教えてくれないか?」
「重いから」
ズバッというとヴィスの耳があからさまに下がって少し罪悪感に襲われる。
「いや、違うよ!?気持ちは嬉しいよ!?嬉しいんだけど....、もっと気楽にいかない?別に命まで賭けなくていいしさ。主従関係っぽくなるのも嫌だし...」
重い以外の理由をなんとか引きずり出して諦めてもらおうと必死だ。
それなのにヴィスの耳がピンと立った。
「それは違う」
「え?」
何が違うの?
「主従関係ではない。むしろ伴侶的な意味合いの方が強い」
はんりょ.....伴侶!?なんで!?それなら余計ダメじゃない!?
「ちょ、ちょっと待って、意味わかんないんだけど」
「別に結婚してくれと言っているわけではない。その方がいいなら俺はそれでも構わないがな。ただ、側にいて護りたいだけだ」
いや、それもうプロポーズじゃん...!!
なにがどうなってこんな状況になったんだ!?
そもそも俺男ですけど!?
突然のプロポーズもどきにちょっとしたパニック状態である。
でも一つだけ、一つだけ教えてほしい。
「.....ここでは同性同士で結婚できるの....?」
途端にみんなぽかんとした表情になった。
「.....チヒロの国ではできないのか?」
では、ということはやはりできるということか。
「....うん...、できない....」
「何故だ?」
「えっ?」
なんでって言われても....。別にそんなこと疑問に思ったことないしな....。
「えっと....、理由はわからない。それが一般的だったから....」
「つまり、チヒロの国では異性同士の結婚しか認められていなくて、チヒロもそうなんだな?」
「う、うん...。あ、でも偏見とかはないよ!」
「そんなことは心配していないが....、なるほど。だからあんなに無防備なのか」
「無防備?」
「お前、同性に好意寄せられると思ってないだろ」
そうか。この国は同性婚できて、同性婚ができるってことは同性同士の恋愛も当たり前にあるわけで....、その国にいるってことは俺も対象に見られるのか。
「ぜ、全然思ってなかった....。あ、それでハグした時微妙な感じだったの?」
「あー...それはまた別....、だがまぁ、他の奴にはするなよ」
「う、うん。わかった。.....あの、さ。.....みんなは、その....男の人が好き、なの....?」
「ん?いや、性別は気にしたことないな」
な、なるほど...。好きになった人がタイプ、ってやつか。
他のみんなもそんな感じらしい。
ちなみに恋人がいるのはリュードとローレン。ローレンは知ってたけどリュードの恋人も男の人らしい。
でもみんなモテそうなのに、などと当たり障りのない話をしてどうにかさっきの話をなかったことにできないだろうか。
「お前、はぐらかそうとしてるだろ」
秒でバレた。
「うっ」
「そんなに嫌か?」
その言い方はずるい。
「っ、だから、気持ちは嬉しいんだって!そうやって思ってくれてるだけでいいから!」
「.....わかった。無理強いするものでもないしな。ただ、俺の気持ちは忘れないでくれ」
...だからもうこのイケメンたちは....!自分の顔の威力わかっててやってんすかね!?思わずドキっとしたわっ。
「う、うん...。わかった」
とりあえずわかってもらえたのでよしとしよう。
89
あなたにおすすめの小説
異世界で勇者をやったら執着系騎士に愛された
よしゆき
BL
平凡な高校生の受けが異世界の勇者に選ばれた。女神に美少年へと顔を変えられ勇者になった受けは、一緒に旅をする騎士に告白される。返事を先伸ばしにして受けは攻めの前から姿を消し、そのまま攻めの告白をうやむやにしようとする。
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
異世界転生したと思ったら、悪役令嬢(男)だった
カイリ
BL
16年間公爵令息として何不自由ない生活を送ってきたヴィンセント。
ある日突然、前世の記憶がよみがえってきて、ここがゲームの世界であると知る。
俺、いつ死んだの?!
死んだことにも驚きが隠せないが、何より自分が転生してしまったのは悪役令嬢だった。
男なのに悪役令嬢ってどういうこと?
乙女げーのキャラクターが男女逆転してしまった世界の話です。
ゆっくり更新していく予定です。
設定等甘いかもしれませんがご容赦ください。
異世界転移して出会っためちゃくちゃ好きな男が全く手を出してこない
春野ひより
BL
前触れもなく異世界転移したトップアイドル、アオイ。
路頭に迷いかけたアオイを拾ったのは娼館のガメツイ女主人で、アオイは半ば強制的に男娼としてデビューすることに。しかし、絶対に抱かれたくないアオイは初めての客である美しい男に交渉する。
「――僕を見てほしいんです」
奇跡的に男に気に入られたアオイ。足繁く通う男。男はアオイに惜しみなく金を注ぎ、アオイは美しい男に恋をするが、男は「私は貴方のファンです」と言うばかりで頑としてアオイを抱かなくて――。
愛されるには理由が必要だと思っているし、理由が無くなれば捨てられて当然だと思っている受けが「それでも愛して欲しい」と手を伸ばせるようになるまでの話です。
金を使うことでしか愛を伝えられない不器用な人外×自分に付けられた値段でしか愛を実感できない不器用な青年
クズ令息、魔法で犬になったら恋人ができました
岩永みやび
BL
公爵家の次男ウィルは、王太子殿下の婚約者に手を出したとして犬になる魔法をかけられてしまう。好きな人とキスすれば人間に戻れるというが、犬姿に満足していたウィルはのんびり気ままな生活を送っていた。
そんなある日、ひとりのマイペースな騎士と出会って……?
「僕、犬を飼うのが夢だったんです」
『俺はおまえのペットではないからな?』
「だから今すごく嬉しいです」
『話聞いてるか? ペットではないからな?』
果たしてウィルは無事に好きな人を見つけて人間姿に戻れるのか。
※不定期更新。主人公がクズです。女性と関係を持っていることを匂わせるような描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる