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17話
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ルカに「ベルトレッド様とちゃんと話したほうがいい」と言われたものの、あれから結局話せていない。
ルカも何か言いたそうにはしているが、再度同じことを言うことはなかった。
兄さんもグリード様が抑えてくれているのか何も言ってこない。
何か変わったことといえば少し嫌がらせをされるようになったことくらいか。
嫌がらせと言っても私物がなくなったり、通り過ぎる時にわざと肩をぶつけられたり、大したことではないのだがそれも続くと少し鬱陶しい。
そしてまさに今、トイレに入っていたら上から水をばしゃりとかけられた。
おお、ここまで直接的なのは初めてだな...。
うん、でも風で乾かせちゃうんですよね。
少し時間はかかるが風を発生させ服と髪を乾かす。
誰がなんのためにやってるか想像はつくものの、解決策は浮かばない。
できれば波風立てないようにしたいんだけど。
乾かしてから教室に戻ると目の端にすごい形相をした人物が映った。
思った通り、ベルのライバルだ。
完全にライバルとして認識されちゃってますね....。
違うと言ったところで素直に聞いてくれるとは思えないし....。
ああ、めんどくさい。とりあえず放置でいいか。
なんてったって今日は校外学習の班決めがあるのだ。
校外学習の内容や班の決め方はまだわからないが3~4人のチームで行う。
わくわくしていたのに班決めの方法を聞いて愕然とした。
なぜにくじ引き!
普通!自分たちで決めるでしょう!?
まさかのくじ引きだなんて!なんの面白味もない!
しょんぼりした気持ちでくじを引いたらとんでもない結果になってしまった。
殿下とレミエル様、その他2人
ベルとルカ、その他2人
アレンとラーフエル、その他1人
その他3人
そして、俺とベルのライバル、そしてその他2人だ。
最悪。
楽しみにしていた行事が一気に憂鬱なものへと変わってしまった。
もぉぉぉー、嫌な予感しかしないんですけどぉぉぉ。
その場で学習内容も発表された。
クストルの森でなんでもいいから魔物を1匹以上狩ること。
クストルの森とは学校の裏にある森だ。
学校のすぐ裏にあることもあってさほど厄介、というか強い魔物はほとんどいない。
そのため生徒の腕試しには格好の場所となっている。
なんでもいい、と言われると大物を取りたくなってしまうがこのメンバーで上手い連携が取れるとも思えない。
校外学習は明日だ。
そのためにせめて名前と属性を聞いておきたかったが覚えてないことを言ってもいいのかどうか。
いや、絶対怒られるよね。
それならどんな魔物を狙う、とかどんな編成で行くとか話し合いたかったのに他の3人はさっさと教室を出て行ってしまった。
ジーザス。
ルカに泣きついてとりあえず3人の名前と属性は教えてもらった。
ありがとうルカ様!
まず、ベルのライバルだが名前はブランエッタ様。属性は火。
次に以前ルカに負けた氷属性のサンクラット様。
最後に火属性のエレンカーグ様。
.........。
やばい。言ったはなから忘れそう。
人の名前ってなんでこんなに難しいの。
3人の名前を念仏のように唱えてなんとか覚える。
不安しかないけどまあなるようになるだろ。
火属性が2人もいるから火力はあるし。
頭の中でシュミレーションをしながら眠りについた。
◇◇◇◇
クストルの森は学校のすぐ裏。徒歩で約5分程度。
その間に少しでも作戦を、と思い切って話しかけたのだが「風の力など要らん」とぴしゃりと言われてしまった。
ですよねー....。
ただでさえベルとのことを勘違いされているのに身分は俺の方が下だし、属性は風。
よし、今回の校外学習はいろいろ諦めよう。
普段は結界が張ってあり入ることはできないが、クストルの森にはホーンラビットというウサギの頭にツノが生えたような小型動物の魔物や、シクルスという大きめのカマキリでステーキナイフのような前足を持っている虫などの魔物がいる。
虫の魔物は比較的凶暴だが、殺傷能力はさほど高くない。
ホーンラビットは音に敏感で素早いため、お目見えできるかどうか。
なんにせよ、サポートに徹します。
先に殿下とベルのふたつの班が出発した。
そしていよいよ5分後に残りの班もそれぞれ離れた場所から出発だ。
とりあえず、半径300mくらいまで薄く魔力を込める。
まだ入り口付近だからか動きはほとんどない。
やはり奥まで行かないといけないみたいだ。
他の3人はぺちゃくちゃと喋りながら奥へと進んで行く。
もう少し慎重に進んでほしいんだけどなぁ....。
これじゃあホーンラビットがいても絶対逃げちゃうし突然魔物が出たとき、反応に遅れてしまう。
まあ魔物が出てくるのは俺がわかるからいんだけど———っと、思ったそばから動きがあった。
「皆様!3時の方向から魔物が来ます!」
最後尾にいた俺が剣を抜きながら叫ぶと3人は不機嫌そうに振り向いた。
「はぁ?頭でもおかしくなったか?」
おぉーっと、しまった。信じてもらえないパターンは考えてなかった。
「あー、申し訳ありません。そんな気がしたものですから....」
ハハハ、と多少顔を引き攣らせながら笑ってごまかす。
「ブ、ブランエッタ様!魔物です!」
3時の方向からシクルスがバサバサと音を立てて大群で現れた。
きもっ!
思ったより大きく、思ったより大群だ。
それをブランエッタ様が左腕を上げものすごい火力で一気に燃やした。
焦げた匂いが漂う。
数十匹いたシクルスは一瞬で炭になってしまった。
うわぁ....。心強い、けど最初から飛ばし過ぎじゃないか?
狩った証に魔物の一部を持ち帰らないといけないのに炭になったら狩った証が残らない。
木に燃え移らないように制御できるのなら形が残るようにもして欲しかった。
まぁ、まだ序盤だしね...。
「ふん。こんなやつら話にならんな」
......この程度でドヤ顔って恥ずかしくないんだろうか。
とりあえず、さすがです!と褒めておいた。
だが、その後出てくる魔物に対してもかなりの火力で燃やしてしまうため、ほとんど原型が残らなかった。
ルカも何か言いたそうにはしているが、再度同じことを言うことはなかった。
兄さんもグリード様が抑えてくれているのか何も言ってこない。
何か変わったことといえば少し嫌がらせをされるようになったことくらいか。
嫌がらせと言っても私物がなくなったり、通り過ぎる時にわざと肩をぶつけられたり、大したことではないのだがそれも続くと少し鬱陶しい。
そしてまさに今、トイレに入っていたら上から水をばしゃりとかけられた。
おお、ここまで直接的なのは初めてだな...。
うん、でも風で乾かせちゃうんですよね。
少し時間はかかるが風を発生させ服と髪を乾かす。
誰がなんのためにやってるか想像はつくものの、解決策は浮かばない。
できれば波風立てないようにしたいんだけど。
乾かしてから教室に戻ると目の端にすごい形相をした人物が映った。
思った通り、ベルのライバルだ。
完全にライバルとして認識されちゃってますね....。
違うと言ったところで素直に聞いてくれるとは思えないし....。
ああ、めんどくさい。とりあえず放置でいいか。
なんてったって今日は校外学習の班決めがあるのだ。
校外学習の内容や班の決め方はまだわからないが3~4人のチームで行う。
わくわくしていたのに班決めの方法を聞いて愕然とした。
なぜにくじ引き!
普通!自分たちで決めるでしょう!?
まさかのくじ引きだなんて!なんの面白味もない!
しょんぼりした気持ちでくじを引いたらとんでもない結果になってしまった。
殿下とレミエル様、その他2人
ベルとルカ、その他2人
アレンとラーフエル、その他1人
その他3人
そして、俺とベルのライバル、そしてその他2人だ。
最悪。
楽しみにしていた行事が一気に憂鬱なものへと変わってしまった。
もぉぉぉー、嫌な予感しかしないんですけどぉぉぉ。
その場で学習内容も発表された。
クストルの森でなんでもいいから魔物を1匹以上狩ること。
クストルの森とは学校の裏にある森だ。
学校のすぐ裏にあることもあってさほど厄介、というか強い魔物はほとんどいない。
そのため生徒の腕試しには格好の場所となっている。
なんでもいい、と言われると大物を取りたくなってしまうがこのメンバーで上手い連携が取れるとも思えない。
校外学習は明日だ。
そのためにせめて名前と属性を聞いておきたかったが覚えてないことを言ってもいいのかどうか。
いや、絶対怒られるよね。
それならどんな魔物を狙う、とかどんな編成で行くとか話し合いたかったのに他の3人はさっさと教室を出て行ってしまった。
ジーザス。
ルカに泣きついてとりあえず3人の名前と属性は教えてもらった。
ありがとうルカ様!
まず、ベルのライバルだが名前はブランエッタ様。属性は火。
次に以前ルカに負けた氷属性のサンクラット様。
最後に火属性のエレンカーグ様。
.........。
やばい。言ったはなから忘れそう。
人の名前ってなんでこんなに難しいの。
3人の名前を念仏のように唱えてなんとか覚える。
不安しかないけどまあなるようになるだろ。
火属性が2人もいるから火力はあるし。
頭の中でシュミレーションをしながら眠りについた。
◇◇◇◇
クストルの森は学校のすぐ裏。徒歩で約5分程度。
その間に少しでも作戦を、と思い切って話しかけたのだが「風の力など要らん」とぴしゃりと言われてしまった。
ですよねー....。
ただでさえベルとのことを勘違いされているのに身分は俺の方が下だし、属性は風。
よし、今回の校外学習はいろいろ諦めよう。
普段は結界が張ってあり入ることはできないが、クストルの森にはホーンラビットというウサギの頭にツノが生えたような小型動物の魔物や、シクルスという大きめのカマキリでステーキナイフのような前足を持っている虫などの魔物がいる。
虫の魔物は比較的凶暴だが、殺傷能力はさほど高くない。
ホーンラビットは音に敏感で素早いため、お目見えできるかどうか。
なんにせよ、サポートに徹します。
先に殿下とベルのふたつの班が出発した。
そしていよいよ5分後に残りの班もそれぞれ離れた場所から出発だ。
とりあえず、半径300mくらいまで薄く魔力を込める。
まだ入り口付近だからか動きはほとんどない。
やはり奥まで行かないといけないみたいだ。
他の3人はぺちゃくちゃと喋りながら奥へと進んで行く。
もう少し慎重に進んでほしいんだけどなぁ....。
これじゃあホーンラビットがいても絶対逃げちゃうし突然魔物が出たとき、反応に遅れてしまう。
まあ魔物が出てくるのは俺がわかるからいんだけど———っと、思ったそばから動きがあった。
「皆様!3時の方向から魔物が来ます!」
最後尾にいた俺が剣を抜きながら叫ぶと3人は不機嫌そうに振り向いた。
「はぁ?頭でもおかしくなったか?」
おぉーっと、しまった。信じてもらえないパターンは考えてなかった。
「あー、申し訳ありません。そんな気がしたものですから....」
ハハハ、と多少顔を引き攣らせながら笑ってごまかす。
「ブ、ブランエッタ様!魔物です!」
3時の方向からシクルスがバサバサと音を立てて大群で現れた。
きもっ!
思ったより大きく、思ったより大群だ。
それをブランエッタ様が左腕を上げものすごい火力で一気に燃やした。
焦げた匂いが漂う。
数十匹いたシクルスは一瞬で炭になってしまった。
うわぁ....。心強い、けど最初から飛ばし過ぎじゃないか?
狩った証に魔物の一部を持ち帰らないといけないのに炭になったら狩った証が残らない。
木に燃え移らないように制御できるのなら形が残るようにもして欲しかった。
まぁ、まだ序盤だしね...。
「ふん。こんなやつら話にならんな」
......この程度でドヤ顔って恥ずかしくないんだろうか。
とりあえず、さすがです!と褒めておいた。
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