39 / 60
36話
しおりを挟む
「は!?」
直接!?
「い、いやっ、もう十分だろ...!」
「俺は足りないです」
お前が足りないとか関係ないよな!?
真顔で放たれた言葉に、何のための行為だったのかわからなくなってきた。
だって、これはあれだろ?俺の問題で、お前の問題ではないはずだろ?
そうやって混乱している間に、一瞬で下着を剥ぎ取られてしまった。
「ちょっ!か、返せよ...!」
「たくさん出ましたね。パンツぐちょぐちょですよ」
「っ!?」
汚れた下着を見せつけられ、顔に熱が集まる。
もう本当に勘弁してくれ。
「可愛い....。もう認めちゃいませんか?」
「な、なにを....」
「姫崎さん、俺のこと好きでしょう?」
「っ、だから、わかんないって言ってるだろ...。よ、寄ってくるな...!」
「えー、でも、この距離許してくれるの、俺だけですよね?」
身体を隠そうと縮こまった俺を見下ろすように、少し動いたら触れそうな程近くに来ているのに、俺は動けないでいた。
別に、許したわけじゃ....。
「ちょ、調子乗んな...!近いって言ってるだろ!」
「...気づいてませんか?調子乗らせてるの姫崎さんですよ?こんないつでも触れる距離で、調子乗るなって言う方が無理じゃないですか...?」
「っ....」
また、あの眼だ。
獣のような、ギラついていて、喰われそうな。
少し怖いと思うのに、なぜ不快感はないんだろう。
当然、父の顔とも重ならない。
それは、こいつだからなのか、それとも克服できたということなのか。
考えても答えは出ず、その間に佐原の手が俺の膝を掴んで大きく開かれた。
「っな!は、離せっ...!」
「本当に嫌なら、殴ってください」
「っ、」
そう言われ、言葉に詰まった。
そんな事はわかってる。でも、嫌じゃないから困ってるんだろうが。
「.......殴らない、ってことは続けていいんですね?」
「い、いいわけあるかっ...!」
「姫崎さん、本当はもっとして欲しいって思ってるでしょう?」
「はっ!?思ってるわけ....」
「でも、姫崎さんって口より先に手が出るじゃないですか。なので今言ってることも説得力ないっていうか、認めたくないから自分に言い聞かせてるだけのような気がして」
指摘され、納得してしまった。
なんで、お前は俺の考えている事がわかるんだ。自分でもよくわからなかったのに。
そうだ。認めたくない。
こいつの手が気持ちいいこと、
もっと、触って欲しいと思っていること。
だが、これ以上醜態を晒したくないのも事実で、どうしたらいいのかわからないのだ。
「っ、ちょ、待てっ...!考え、てるからっ...」
何も言わないことで同意したと思ったのか、佐原の手が中心へと移動してきた。
「考るより、身体に聞いた方が早いですよ」
「なっ...ひぅっ!?あっ!?やっ...!んなとこっ....!」
陰茎に顔を近づけ、何をするのかと思えばそのまま口に含んだ。
まさかそんなことをされるとは思わず、驚きとともに走った快感に、背中をのけ反らせた。
初めての感覚に、肌が粟立つ。
温かいものに包まれ、柔らかかった陰茎はすぐに硬さを取り戻した。
「んっ....、ふ、やっぱり舐められるの好きそうですね」
「んっ!っ、そこで、喋、るなっ...!」
完全には離れておらず、喋る度に唇が擦れ、吐息が陰茎を撫でる。そのどれも経験したことがなく、シーツを掴んで耐えることしかできない。
「本当に、身体は素直ですね?」
「んぁっ!あっ、ん..くっ...、んっ、ぅ、んんっ...!」
再び温かい肉壁が陰茎の周りに纏わりつき、吸い付きながら上下に動く。
言いようのない快感に襲われるが、同時に自分の陰茎を口に含んでいる佐原の眼がこちらを伺っていることにも気づいてしまい、心臓が跳ねた。
そんなところ汚いのに、気持ちいい、恥ずかしい、ありえない。
いろんな感情が混ざり合い、それから逃れたくて必死に腰を引き、咄嗟に頭を押すが、佐原が脚をがっちりと掴んでいて離れるどころか、動きを止める事さえできない。
「んぅっ!?ん、っ、は...んんっ...!んっ、んんっ...!」
上下に動いていた口は、急に先端を強く吸い、舌先でカリ首をちろちろと撫でた。
更には唇で先端を執拗に扱かれ、すぐに限界が訪れる。
「んんっ!ひっ!ぁ、はなっ...んんっ!せっ...!っ、んんっ!~~~っ!」
声が出ないようにシーツを噛み締め、必死で快楽に耐えたが、舌まで加わった容赦のない扱きに、佐原の口の中で果ててしまった。
直接!?
「い、いやっ、もう十分だろ...!」
「俺は足りないです」
お前が足りないとか関係ないよな!?
真顔で放たれた言葉に、何のための行為だったのかわからなくなってきた。
だって、これはあれだろ?俺の問題で、お前の問題ではないはずだろ?
そうやって混乱している間に、一瞬で下着を剥ぎ取られてしまった。
「ちょっ!か、返せよ...!」
「たくさん出ましたね。パンツぐちょぐちょですよ」
「っ!?」
汚れた下着を見せつけられ、顔に熱が集まる。
もう本当に勘弁してくれ。
「可愛い....。もう認めちゃいませんか?」
「な、なにを....」
「姫崎さん、俺のこと好きでしょう?」
「っ、だから、わかんないって言ってるだろ...。よ、寄ってくるな...!」
「えー、でも、この距離許してくれるの、俺だけですよね?」
身体を隠そうと縮こまった俺を見下ろすように、少し動いたら触れそうな程近くに来ているのに、俺は動けないでいた。
別に、許したわけじゃ....。
「ちょ、調子乗んな...!近いって言ってるだろ!」
「...気づいてませんか?調子乗らせてるの姫崎さんですよ?こんないつでも触れる距離で、調子乗るなって言う方が無理じゃないですか...?」
「っ....」
また、あの眼だ。
獣のような、ギラついていて、喰われそうな。
少し怖いと思うのに、なぜ不快感はないんだろう。
当然、父の顔とも重ならない。
それは、こいつだからなのか、それとも克服できたということなのか。
考えても答えは出ず、その間に佐原の手が俺の膝を掴んで大きく開かれた。
「っな!は、離せっ...!」
「本当に嫌なら、殴ってください」
「っ、」
そう言われ、言葉に詰まった。
そんな事はわかってる。でも、嫌じゃないから困ってるんだろうが。
「.......殴らない、ってことは続けていいんですね?」
「い、いいわけあるかっ...!」
「姫崎さん、本当はもっとして欲しいって思ってるでしょう?」
「はっ!?思ってるわけ....」
「でも、姫崎さんって口より先に手が出るじゃないですか。なので今言ってることも説得力ないっていうか、認めたくないから自分に言い聞かせてるだけのような気がして」
指摘され、納得してしまった。
なんで、お前は俺の考えている事がわかるんだ。自分でもよくわからなかったのに。
そうだ。認めたくない。
こいつの手が気持ちいいこと、
もっと、触って欲しいと思っていること。
だが、これ以上醜態を晒したくないのも事実で、どうしたらいいのかわからないのだ。
「っ、ちょ、待てっ...!考え、てるからっ...」
何も言わないことで同意したと思ったのか、佐原の手が中心へと移動してきた。
「考るより、身体に聞いた方が早いですよ」
「なっ...ひぅっ!?あっ!?やっ...!んなとこっ....!」
陰茎に顔を近づけ、何をするのかと思えばそのまま口に含んだ。
まさかそんなことをされるとは思わず、驚きとともに走った快感に、背中をのけ反らせた。
初めての感覚に、肌が粟立つ。
温かいものに包まれ、柔らかかった陰茎はすぐに硬さを取り戻した。
「んっ....、ふ、やっぱり舐められるの好きそうですね」
「んっ!っ、そこで、喋、るなっ...!」
完全には離れておらず、喋る度に唇が擦れ、吐息が陰茎を撫でる。そのどれも経験したことがなく、シーツを掴んで耐えることしかできない。
「本当に、身体は素直ですね?」
「んぁっ!あっ、ん..くっ...、んっ、ぅ、んんっ...!」
再び温かい肉壁が陰茎の周りに纏わりつき、吸い付きながら上下に動く。
言いようのない快感に襲われるが、同時に自分の陰茎を口に含んでいる佐原の眼がこちらを伺っていることにも気づいてしまい、心臓が跳ねた。
そんなところ汚いのに、気持ちいい、恥ずかしい、ありえない。
いろんな感情が混ざり合い、それから逃れたくて必死に腰を引き、咄嗟に頭を押すが、佐原が脚をがっちりと掴んでいて離れるどころか、動きを止める事さえできない。
「んぅっ!?ん、っ、は...んんっ...!んっ、んんっ...!」
上下に動いていた口は、急に先端を強く吸い、舌先でカリ首をちろちろと撫でた。
更には唇で先端を執拗に扱かれ、すぐに限界が訪れる。
「んんっ!ひっ!ぁ、はなっ...んんっ!せっ...!っ、んんっ!~~~っ!」
声が出ないようにシーツを噛み締め、必死で快楽に耐えたが、舌まで加わった容赦のない扱きに、佐原の口の中で果ててしまった。
21
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる