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29話
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目が覚めると、佐原のベッドの上だった。
もちろん布団の下は裸。だが、身体は綺麗になっている。
あの後、何度目かの絶頂で意識を無くしたので佐原が拭いてくれだのだろう。
熱はようやく引いたようだが、代わりに身体が重いし痛い。
元凶である人物は、俺に片腕を乗せてすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。
その姿にイラッとし、
「起きろ佐原あ!!!」
「!!!?!?」
最高の目覚めをプレゼントしてやった。
声は掠れて上手く出せなかったが、耳元で叫んでやったので少しは効いただろう。
耳を押さえ、慌てて起き上がる姿を見れて俺も少しだけすっとした。
「うぅ...。こんな目覚め酷いですよう」
「酷いのはどっちだ。言っとくがあれ完全に強姦だからな」
「えっ!?完全に合意でしたよね!?」
「ふざけんな馬鹿野郎。逮捕されないだけマシだと思え」
「ほら!やっぱり合意じゃないですか!」
「どんな頭してんだ、てめえは。小学校からやり直してこい」
ぎゃーぎゃーと言い争いをしていたが、まだ時刻は深夜。日付は変わっているのでもうあれは昨日の出来事だが、一体何時までヤっていたんだろうか。
さっさと風呂にでも入って忘れよう、とベッドを下りれば、足に力が入らず、佐原が支えてくれなければ転んでいただろう。
「っぶな...、大丈夫ですか、姫崎さん」
「.........」
寝転がったまま、腕だけで支えられたことにムカつき、今度は顔に拳をお見舞いしておいた。
「ひ、酷い!殴らなくてもいいじゃないですかっ。助けたのにっ」
「そもそもお前の所為だろうが!」
力の入らない足と痛む腰とケツに鞭を打ち、風呂場へと向かった。
まったく、今日は事情聴取もあるってんのに、なんて無茶をしてくれたんだ。
それでもなんとか事情聴取を終え、その足で当然のようについてくる佐原とともに幽霊課へ寄った。
「あ、姫崎さん、もう事情聴取終わったんですか?」
影山がいつも通り出迎えてくれ、
「ご苦労様」
神野さんもいつも通り労ってくれる。
ああ...、やはりここは居心地がいいな。
千葉はパトロールに行ってくれているらしい。俺のしわ寄せが千葉にいってしまって申し訳ない。
佐原は俺が事情聴取を受けている時に一度ここへ寄ったようだ。ってことはわざわざ迎えに来たってことか?ご苦労なこって。
御堂先生は大人しく自白しているようなので、俺の方は事実確認程度で終わった。
そして、今更ではあるが、一昨日に起きた幽霊四体と人間三人の襲撃事件について幽霊から聞いたことを報告し、人間の事についての報告を受けた。
本人たちと、御堂先生からの証言でわかった事だが、御堂先生に従っていた幽霊(御堂先生のことが好きで、セックスさせてくれるなら、と協力した)が、男たちに「綺麗なやつ連れて行くからどうだ?来てくれたら金もやる」などと言ってあの場所へ誘導したようだ。
来たらラッキー、程度のもので、そもそもこの計画自体が成功するとは思っていなかったという。あくまでも、疲れさせるのが目的。
全貌もわかり、スッキリしたところで最も確認を取りたかったことを口にした。
「神野さん、もう警部と同居する必要はありませんよね?」
御堂先生が逮捕された今、複数で狙われることはないだろう。
ちなみに、御堂先生が幽霊を協力させていたことは報道しない事になっている。同じような奴が現れても面倒だしな。
「ん?あー....、でも御堂先生の他にももしかしたらいるかもしれないから一カ月くらいは様子見ようか」
「一カ月は様子見過ぎじゃないですか!?」
確かに、御堂先生だけとは限らないので様子を見ることには納得するが、一カ月は絶対に長い。
「姫崎さん!そんなに俺との同居が嫌なんですか!?」
当たり前だろう。なんでそんなショックを受けた顔をしているんだ。昨日したことを忘れたとは言わせないぞ。
「まあまあ、その代わりお酒は解禁にするから」
「そんな!」
「わーい!じゃあ前言ってた姫崎さんと佐原警部の奢りでご飯行きましょうよ~」
「おい!今まだその話はいいから!」
「いいね、お店は決めた?」
ほらみろ!神野さんそっちの話題に食いついちゃったじゃねえか!影山のやつ、絶対わざとだろ...!
ギロリと睨むが「でもやっぱりある程度騒げるところがいいですよねー」とお店選びに夢中だ。
佐原は佐原で「ずっといてくれてもいいんですよ?」とうるさい。
.....俺の平穏な日常が戻ってくるのは、まだもう少し先らしい。
もちろん布団の下は裸。だが、身体は綺麗になっている。
あの後、何度目かの絶頂で意識を無くしたので佐原が拭いてくれだのだろう。
熱はようやく引いたようだが、代わりに身体が重いし痛い。
元凶である人物は、俺に片腕を乗せてすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。
その姿にイラッとし、
「起きろ佐原あ!!!」
「!!!?!?」
最高の目覚めをプレゼントしてやった。
声は掠れて上手く出せなかったが、耳元で叫んでやったので少しは効いただろう。
耳を押さえ、慌てて起き上がる姿を見れて俺も少しだけすっとした。
「うぅ...。こんな目覚め酷いですよう」
「酷いのはどっちだ。言っとくがあれ完全に強姦だからな」
「えっ!?完全に合意でしたよね!?」
「ふざけんな馬鹿野郎。逮捕されないだけマシだと思え」
「ほら!やっぱり合意じゃないですか!」
「どんな頭してんだ、てめえは。小学校からやり直してこい」
ぎゃーぎゃーと言い争いをしていたが、まだ時刻は深夜。日付は変わっているのでもうあれは昨日の出来事だが、一体何時までヤっていたんだろうか。
さっさと風呂にでも入って忘れよう、とベッドを下りれば、足に力が入らず、佐原が支えてくれなければ転んでいただろう。
「っぶな...、大丈夫ですか、姫崎さん」
「.........」
寝転がったまま、腕だけで支えられたことにムカつき、今度は顔に拳をお見舞いしておいた。
「ひ、酷い!殴らなくてもいいじゃないですかっ。助けたのにっ」
「そもそもお前の所為だろうが!」
力の入らない足と痛む腰とケツに鞭を打ち、風呂場へと向かった。
まったく、今日は事情聴取もあるってんのに、なんて無茶をしてくれたんだ。
それでもなんとか事情聴取を終え、その足で当然のようについてくる佐原とともに幽霊課へ寄った。
「あ、姫崎さん、もう事情聴取終わったんですか?」
影山がいつも通り出迎えてくれ、
「ご苦労様」
神野さんもいつも通り労ってくれる。
ああ...、やはりここは居心地がいいな。
千葉はパトロールに行ってくれているらしい。俺のしわ寄せが千葉にいってしまって申し訳ない。
佐原は俺が事情聴取を受けている時に一度ここへ寄ったようだ。ってことはわざわざ迎えに来たってことか?ご苦労なこって。
御堂先生は大人しく自白しているようなので、俺の方は事実確認程度で終わった。
そして、今更ではあるが、一昨日に起きた幽霊四体と人間三人の襲撃事件について幽霊から聞いたことを報告し、人間の事についての報告を受けた。
本人たちと、御堂先生からの証言でわかった事だが、御堂先生に従っていた幽霊(御堂先生のことが好きで、セックスさせてくれるなら、と協力した)が、男たちに「綺麗なやつ連れて行くからどうだ?来てくれたら金もやる」などと言ってあの場所へ誘導したようだ。
来たらラッキー、程度のもので、そもそもこの計画自体が成功するとは思っていなかったという。あくまでも、疲れさせるのが目的。
全貌もわかり、スッキリしたところで最も確認を取りたかったことを口にした。
「神野さん、もう警部と同居する必要はありませんよね?」
御堂先生が逮捕された今、複数で狙われることはないだろう。
ちなみに、御堂先生が幽霊を協力させていたことは報道しない事になっている。同じような奴が現れても面倒だしな。
「ん?あー....、でも御堂先生の他にももしかしたらいるかもしれないから一カ月くらいは様子見ようか」
「一カ月は様子見過ぎじゃないですか!?」
確かに、御堂先生だけとは限らないので様子を見ることには納得するが、一カ月は絶対に長い。
「姫崎さん!そんなに俺との同居が嫌なんですか!?」
当たり前だろう。なんでそんなショックを受けた顔をしているんだ。昨日したことを忘れたとは言わせないぞ。
「まあまあ、その代わりお酒は解禁にするから」
「そんな!」
「わーい!じゃあ前言ってた姫崎さんと佐原警部の奢りでご飯行きましょうよ~」
「おい!今まだその話はいいから!」
「いいね、お店は決めた?」
ほらみろ!神野さんそっちの話題に食いついちゃったじゃねえか!影山のやつ、絶対わざとだろ...!
ギロリと睨むが「でもやっぱりある程度騒げるところがいいですよねー」とお店選びに夢中だ。
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