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episode27
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なぜか再び席に着き談話する流れになってしまった。
レクスが早く帰らせたがっていたのになんだか申し訳ない。
「えっ!?魔力がない!?」
「はい。瞳にふたつの色を持つ者は魔力を持たずに生まれてきます」
「この国で2色持ちは軽蔑や差別の対象となってる」
「え、なんで?」
レクスの言葉に驚きを隠せなかった。
「生活魔法すら使えないのでは1人で風呂に入ることもできませんから」
ミィーファが自嘲気味に笑った。
うーん、俺は使えるのに入れないっていうね....。
「弱い者は淘汰される。当然っちゃ当然だがな」
どこにでもイジメはあるもんだね....。
「それなのに副団長だなんてすごいですね。尊敬します」
若そうなのにすごいなー。
感心していると2人の視線が突き刺さった。
「おい、こいつ何者だ?」
ちょっと、こいつって流石に失礼じゃないですか?
「口が悪いぞ。直せといつも言ってるだろ」
「しかたねーだろー?お貴族様じゃねぇんだから。ずっと堅苦しい言葉なんぞ使ってられるか」
「.....はぁ、.....ハルトはこの国の人間ではない」
「しかし、それだけでこうも綺麗な思考を持てるとは思えませんが....」
き、綺麗な思考って....。
大したこと言ってないのになんか恥ずかしいんですが.....。
「それに黒の髪や瞳も初めて見ました」
「この国の人間じゃない、それだけだ」
「詮索すんなってことか?まぁこれだけの器量じゃあ隠したくもなるか」
な、なんか過大評価しすぎじゃないですかね.....?
「気になるのもわかりますが、その辺にしておいてくださいね?」
レオンがにっこり微笑むと2人はうっ、と黙り込んだ。
ナイスレオン!
好機とばかりに話題を変えた。
「ところでレクスとはいつからお知り合いなんですか?」
レクスに対しての気やすい態度が少し気になっていた。
「こんな奴に敬語なんて使わなくてもいい」
「おう、堅苦しいのは無しにしようぜ」
本人が良いと言うのであればいいか。
「わかった」
「こいつとは騎士学校の同期だ」
騎士学校!
なんという青春な響き!
学生の頃のレクス気になる!!
俄然興味が湧き前のめりになってしまった。
「学生時代のレクスってどんな感じなの!?やっぱりクールでモテモテだった!?」
あまりの勢いにジークとミィーファは少し驚いていた。
「落ち着け、ハルト」
「だって!レクスの学生時代想像できないんだもん!」
「あの頃のレクスは一匹狼だったな。寄ってくる奴はわんさか居たが誰も相手にされなかった」
「おい、余計なこと話すな」
「えー、もっと聞きたいのに」
「よし、じゃあ竜黒の方へ来い。こいつの居ないところで話してやる」
「私ももっとお話ししたいです!」
「駄目だそれは許さん」
さすがに俺もあの事件があってからあまり知らない人と2人で会うのは避けるようになった。
「うーん、俺もそれはちょっと....」
「んじゃあ今度レクスが居ない時にでもまた来るわ」
「お前.....」
「誰かが側に居ればいいだろ?無理に2人で会うとかはしねえからよ」
「それなら是非!俺明後日以降3、4日暇だからその時にでも!」
「おー、じゃあまた来るわ」
「私も来ますね」
「うん。是非」
「ハルトの言葉、嬉しかったです」
「え、あ、うん」
うっとりした顔をして手を握られた。
綺麗な顔でうっかりドキドキしてしまう。
すぐにレクスが割って入り手が離れた。
「これは失礼致しました」
ミィーファがにっこりと微笑んで謝るが目は笑っていない。
これは....、レオンと同じタイプですかね....?
なんだかピリピリしたところでジークが帰るぞ、と声をかけ今度こそ帰っていった。
副団長はみんなあんな感じなんだろうか?
物腰は柔らかいが怒ると吹雪そうな所までレオンと似ている。
竜銀騎士団の副団長も怒った所は見たことがないがレオンの弟だし似ていそうだ。
そんな事を考えているとレクスがゴミでも払うかのように俺の手をパンパンと払った。
「全く、勝手なことを....」
「ごめん。でも知りたかったから」
「はぁ、.....絶対に1人では会うなよ」
「悪い方ではないのですが.....少し強引なところがありますからね」
2人の忠告にしっかりと頷く。
「うん。わかった」
いや~、でもレクスの学生時代の話楽しみだな~。
ウキウキしながら部屋に戻った。
レクスが早く帰らせたがっていたのになんだか申し訳ない。
「えっ!?魔力がない!?」
「はい。瞳にふたつの色を持つ者は魔力を持たずに生まれてきます」
「この国で2色持ちは軽蔑や差別の対象となってる」
「え、なんで?」
レクスの言葉に驚きを隠せなかった。
「生活魔法すら使えないのでは1人で風呂に入ることもできませんから」
ミィーファが自嘲気味に笑った。
うーん、俺は使えるのに入れないっていうね....。
「弱い者は淘汰される。当然っちゃ当然だがな」
どこにでもイジメはあるもんだね....。
「それなのに副団長だなんてすごいですね。尊敬します」
若そうなのにすごいなー。
感心していると2人の視線が突き刺さった。
「おい、こいつ何者だ?」
ちょっと、こいつって流石に失礼じゃないですか?
「口が悪いぞ。直せといつも言ってるだろ」
「しかたねーだろー?お貴族様じゃねぇんだから。ずっと堅苦しい言葉なんぞ使ってられるか」
「.....はぁ、.....ハルトはこの国の人間ではない」
「しかし、それだけでこうも綺麗な思考を持てるとは思えませんが....」
き、綺麗な思考って....。
大したこと言ってないのになんか恥ずかしいんですが.....。
「それに黒の髪や瞳も初めて見ました」
「この国の人間じゃない、それだけだ」
「詮索すんなってことか?まぁこれだけの器量じゃあ隠したくもなるか」
な、なんか過大評価しすぎじゃないですかね.....?
「気になるのもわかりますが、その辺にしておいてくださいね?」
レオンがにっこり微笑むと2人はうっ、と黙り込んだ。
ナイスレオン!
好機とばかりに話題を変えた。
「ところでレクスとはいつからお知り合いなんですか?」
レクスに対しての気やすい態度が少し気になっていた。
「こんな奴に敬語なんて使わなくてもいい」
「おう、堅苦しいのは無しにしようぜ」
本人が良いと言うのであればいいか。
「わかった」
「こいつとは騎士学校の同期だ」
騎士学校!
なんという青春な響き!
学生の頃のレクス気になる!!
俄然興味が湧き前のめりになってしまった。
「学生時代のレクスってどんな感じなの!?やっぱりクールでモテモテだった!?」
あまりの勢いにジークとミィーファは少し驚いていた。
「落ち着け、ハルト」
「だって!レクスの学生時代想像できないんだもん!」
「あの頃のレクスは一匹狼だったな。寄ってくる奴はわんさか居たが誰も相手にされなかった」
「おい、余計なこと話すな」
「えー、もっと聞きたいのに」
「よし、じゃあ竜黒の方へ来い。こいつの居ないところで話してやる」
「私ももっとお話ししたいです!」
「駄目だそれは許さん」
さすがに俺もあの事件があってからあまり知らない人と2人で会うのは避けるようになった。
「うーん、俺もそれはちょっと....」
「んじゃあ今度レクスが居ない時にでもまた来るわ」
「お前.....」
「誰かが側に居ればいいだろ?無理に2人で会うとかはしねえからよ」
「それなら是非!俺明後日以降3、4日暇だからその時にでも!」
「おー、じゃあまた来るわ」
「私も来ますね」
「うん。是非」
「ハルトの言葉、嬉しかったです」
「え、あ、うん」
うっとりした顔をして手を握られた。
綺麗な顔でうっかりドキドキしてしまう。
すぐにレクスが割って入り手が離れた。
「これは失礼致しました」
ミィーファがにっこりと微笑んで謝るが目は笑っていない。
これは....、レオンと同じタイプですかね....?
なんだかピリピリしたところでジークが帰るぞ、と声をかけ今度こそ帰っていった。
副団長はみんなあんな感じなんだろうか?
物腰は柔らかいが怒ると吹雪そうな所までレオンと似ている。
竜銀騎士団の副団長も怒った所は見たことがないがレオンの弟だし似ていそうだ。
そんな事を考えているとレクスがゴミでも払うかのように俺の手をパンパンと払った。
「全く、勝手なことを....」
「ごめん。でも知りたかったから」
「はぁ、.....絶対に1人では会うなよ」
「悪い方ではないのですが.....少し強引なところがありますからね」
2人の忠告にしっかりと頷く。
「うん。わかった」
いや~、でもレクスの学生時代の話楽しみだな~。
ウキウキしながら部屋に戻った。
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