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episode26
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『誠に申し訳ございませんでした!』
部屋に入るなり謝罪されその声の大きさにも驚く。
ザジとロジーが片膝をついて頭を垂れていた。
ちょ、ちょっと怖いよ....?
謝られるだろうとは思っていたがまさかここまでとは思わなかった。
2人のそばに行き自分も片膝をついて頭を垂れる。
「俺の方こそ勝手な行動をして申し訳ありませんでした」
その言葉に驚いて2人は顔を上げた。
「なんでハルトが謝るんだよ.....」
その驚いた顔に思わず笑ってしまった。
「ぷっ、なんて顔してんのさ」
「ハルト、私もわからない」
「ごめん、ごめん。けど俺だって2人に謝られる理由がわからないんだよね」
「は?」
「私たちはっ」
「俺も勝手な行動しちゃったし2人だけが悪いんじゃない。お互い様ってことでよしにしない?」
「..........」
「..........」
ザジとロジーは黙り込んでお互い顔を見合わせ、同時にため息をついた。
「お前、馬鹿だろ」
「ハルトは阿呆だね」
「え、なんで俺悪口言われてんの?」
急な悪口にびっくりしたが関係ないとばかりに話は進む。
「わかった....が、ただでさえ罰則が謹慎1日で納得いってない。代わりにハルトが何かしら罰を与えてくれ」
「そうだね。それなら納得するよ」
「は?」
や、なに言ってんの?この人たち。
謹慎1日で済んだラッキー、でいいじゃん!
もっと罰が欲しいって.....ドMかっ!
「ちょっと待って、やだよそんなの」
「じゃあ私達も納得できない」
ええええええー。
「なんでもいいの?」
「ああ」
めんどくさいなぁ、もう.....。
「じゃあ、ザジは明日俺を家に招待してお昼ご飯をご馳走する!んでロジーは明後日俺の買い物に付き合ってもらう!」
「いや、それは前から約束してあったろ」
「それ罰ってよりかご褒美じゃない?」
「ザジは明日だから準備大変でしょ?奥さんには申し訳ないけど。ロジーは荷物持ちしてもらうから!あ、でも仕事とかあるから急には無理か」
「いや、ハルトからの要望は優先しろと言われてるから大丈夫だが.....」
おぉ、見透かされてるー。
「じゃあ決まり!変更は受け付けません!」
「はぁ、わかったよ」
「私もそれでいい」
一件落着!
「そういえば魔法の練習1週間も休みにされちゃったんだけど自主練していい?」
「魔力操作はいいけど魔法は駄目」
「ちぇー」
ザジ達は報告に行くということですぐに別れた。
自主練ができれば時間潰せると思ったけどダメならどうしよう。
もうちょっと行動範囲広げてもらおうかなー。
あ、娯楽用品作るとか?
この国には娯楽用品が全くない。
休みの日は散歩かトレーニングくらいしかやることがないくらいだ。
まだ仕事をしてないからお金がないのが問題だなー。
やっぱり先に仕事を探そうかな。
ぶらぶら歩いているとレオンと会った。
「ハルト、少しよろしいですか?」
「どうしたの?」
「実は.....。竜黒騎士団の団長と副団長が謝りたいといらしてるんですが.....」
「今!?」
「はい....。もちろん会いたくなければ追い返します」
「あー、いいよ。行くよ」
正直あまり会いたくないがどんな人か知っておくのもいいかなと思った。
レオンについて行くとレクスの執務室に通された。
中にはレクスも居て険しい顔をしている。
他にも2人居て、がたいのいい藍色の髪と瞳の男の人と青と銀のメッシュ、それに銀と青のオッドアイを持った女の人——かと思ったが体格は男の人だ。
青色は透明感があり透き通った海の様な色合い。
すごく綺麗で見惚れているとキッと睨まれた。
初対面であんなガン見されたらそら嫌だよな....。
自分も経験があるので申し訳なくなった。
「ハルト、こちらは竜黒騎士団団長のジーク・ケルシュファーと副団長のミィーファ・クロエルだ」
「どうも。ハルト・キリュウです」
「お初にお目にかかる。ジークだ。この度は私の部下が大変ご迷惑をお掛けしたこと、心よりお詫び申し上げる」
大柄な人が大きな声で頭を下げた。
「ミィーファと申します。大変申し訳ありませんでした」
オッドアイのミィーファも同じように頭を下げる。
「いえ、お気になさらず。今後会うようなことがなければ大丈夫です」
「寛大なお言葉感謝致す」
「ありがとうございます」
「さあ、もういいだろ。帰れ」
社交辞令のようなやり取りが終わった途端レクスがしっしっと追い払うように言葉を投げた。
「早いだろ!もう少しくらい話しさせろよ!」
「必要ない」
「ちょっとくらいいいだろ!」
「帰れ」
押し問答が続いたがジークが折れた。
「はぁ、わかったよ。今日は帰るがまたゆっくり話す機会はくれよ」
「約束はできん」
ジークはまだぶつぶつと文句を言っていたが本日はこれで失礼する、とミィーファと共に出ようとした時俺は咄嗟に呼び止めた。
「あのっ、さきほどはジロジロと見てしまい申し訳ありませんでした」
「......いえ、慣れておりますので」
「あまりに綺麗で見入ってしまいました」
ずっと伏せがちだった目が大きく開いた。
やっぱり綺麗。ガラス玉みたいだ。
「きれい.......?」
「はい。透き通っていてとても綺麗です!」
「.....そのようなことは初めて言われました」
「え?あー、もしかして失礼でしたか....?」
男の人に綺麗は失言だっかもしれない。
「いえ、.....大抵の方は気味悪がられるので」
「ああ、綺麗すぎて嫉妬でもしてるんじゃないですか?」
こういう時の悪口は大抵嫉妬からくるものだ。
「........あなたは変わった方ですね」
え!なんで変人認定されたの!?
周りを見てみるとジークも驚いた顔をしている。
レクスとレオンは呆れたような表情だった。
部屋に入るなり謝罪されその声の大きさにも驚く。
ザジとロジーが片膝をついて頭を垂れていた。
ちょ、ちょっと怖いよ....?
謝られるだろうとは思っていたがまさかここまでとは思わなかった。
2人のそばに行き自分も片膝をついて頭を垂れる。
「俺の方こそ勝手な行動をして申し訳ありませんでした」
その言葉に驚いて2人は顔を上げた。
「なんでハルトが謝るんだよ.....」
その驚いた顔に思わず笑ってしまった。
「ぷっ、なんて顔してんのさ」
「ハルト、私もわからない」
「ごめん、ごめん。けど俺だって2人に謝られる理由がわからないんだよね」
「は?」
「私たちはっ」
「俺も勝手な行動しちゃったし2人だけが悪いんじゃない。お互い様ってことでよしにしない?」
「..........」
「..........」
ザジとロジーは黙り込んでお互い顔を見合わせ、同時にため息をついた。
「お前、馬鹿だろ」
「ハルトは阿呆だね」
「え、なんで俺悪口言われてんの?」
急な悪口にびっくりしたが関係ないとばかりに話は進む。
「わかった....が、ただでさえ罰則が謹慎1日で納得いってない。代わりにハルトが何かしら罰を与えてくれ」
「そうだね。それなら納得するよ」
「は?」
や、なに言ってんの?この人たち。
謹慎1日で済んだラッキー、でいいじゃん!
もっと罰が欲しいって.....ドMかっ!
「ちょっと待って、やだよそんなの」
「じゃあ私達も納得できない」
ええええええー。
「なんでもいいの?」
「ああ」
めんどくさいなぁ、もう.....。
「じゃあ、ザジは明日俺を家に招待してお昼ご飯をご馳走する!んでロジーは明後日俺の買い物に付き合ってもらう!」
「いや、それは前から約束してあったろ」
「それ罰ってよりかご褒美じゃない?」
「ザジは明日だから準備大変でしょ?奥さんには申し訳ないけど。ロジーは荷物持ちしてもらうから!あ、でも仕事とかあるから急には無理か」
「いや、ハルトからの要望は優先しろと言われてるから大丈夫だが.....」
おぉ、見透かされてるー。
「じゃあ決まり!変更は受け付けません!」
「はぁ、わかったよ」
「私もそれでいい」
一件落着!
「そういえば魔法の練習1週間も休みにされちゃったんだけど自主練していい?」
「魔力操作はいいけど魔法は駄目」
「ちぇー」
ザジ達は報告に行くということですぐに別れた。
自主練ができれば時間潰せると思ったけどダメならどうしよう。
もうちょっと行動範囲広げてもらおうかなー。
あ、娯楽用品作るとか?
この国には娯楽用品が全くない。
休みの日は散歩かトレーニングくらいしかやることがないくらいだ。
まだ仕事をしてないからお金がないのが問題だなー。
やっぱり先に仕事を探そうかな。
ぶらぶら歩いているとレオンと会った。
「ハルト、少しよろしいですか?」
「どうしたの?」
「実は.....。竜黒騎士団の団長と副団長が謝りたいといらしてるんですが.....」
「今!?」
「はい....。もちろん会いたくなければ追い返します」
「あー、いいよ。行くよ」
正直あまり会いたくないがどんな人か知っておくのもいいかなと思った。
レオンについて行くとレクスの執務室に通された。
中にはレクスも居て険しい顔をしている。
他にも2人居て、がたいのいい藍色の髪と瞳の男の人と青と銀のメッシュ、それに銀と青のオッドアイを持った女の人——かと思ったが体格は男の人だ。
青色は透明感があり透き通った海の様な色合い。
すごく綺麗で見惚れているとキッと睨まれた。
初対面であんなガン見されたらそら嫌だよな....。
自分も経験があるので申し訳なくなった。
「ハルト、こちらは竜黒騎士団団長のジーク・ケルシュファーと副団長のミィーファ・クロエルだ」
「どうも。ハルト・キリュウです」
「お初にお目にかかる。ジークだ。この度は私の部下が大変ご迷惑をお掛けしたこと、心よりお詫び申し上げる」
大柄な人が大きな声で頭を下げた。
「ミィーファと申します。大変申し訳ありませんでした」
オッドアイのミィーファも同じように頭を下げる。
「いえ、お気になさらず。今後会うようなことがなければ大丈夫です」
「寛大なお言葉感謝致す」
「ありがとうございます」
「さあ、もういいだろ。帰れ」
社交辞令のようなやり取りが終わった途端レクスがしっしっと追い払うように言葉を投げた。
「早いだろ!もう少しくらい話しさせろよ!」
「必要ない」
「ちょっとくらいいいだろ!」
「帰れ」
押し問答が続いたがジークが折れた。
「はぁ、わかったよ。今日は帰るがまたゆっくり話す機会はくれよ」
「約束はできん」
ジークはまだぶつぶつと文句を言っていたが本日はこれで失礼する、とミィーファと共に出ようとした時俺は咄嗟に呼び止めた。
「あのっ、さきほどはジロジロと見てしまい申し訳ありませんでした」
「......いえ、慣れておりますので」
「あまりに綺麗で見入ってしまいました」
ずっと伏せがちだった目が大きく開いた。
やっぱり綺麗。ガラス玉みたいだ。
「きれい.......?」
「はい。透き通っていてとても綺麗です!」
「.....そのようなことは初めて言われました」
「え?あー、もしかして失礼でしたか....?」
男の人に綺麗は失言だっかもしれない。
「いえ、.....大抵の方は気味悪がられるので」
「ああ、綺麗すぎて嫉妬でもしてるんじゃないですか?」
こういう時の悪口は大抵嫉妬からくるものだ。
「........あなたは変わった方ですね」
え!なんで変人認定されたの!?
周りを見てみるとジークも驚いた顔をしている。
レクスとレオンは呆れたような表情だった。
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