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episode19
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ああ.....
残念ながらガラス玉は全て割れていた。
最悪だ......。
これいくらくらいするんだろう.....。
またレクスに迷惑かけちゃう.....。
「ごめん....、レクス.....。壊しちゃった.....」
「だからそんなことはどうでもいいと言ったろ。手も怪我してる。貸せ」
「いいって。こんなの舐めとけばそのうち治るよ。それよりっ!?」
測定器に顔を近づけて来たから見てくれると思ったのに傷口を口に含まれた。
「やっ、ちょっとレクスっ!?」
「舐めたら治るんだろ?」
だからって舐めないでしょ!
傷口を吸われピリッと痛みが走った。
「いっ!わかったっ!わかったからもうやめて!」
人も居るのになんてことを!
羞恥心どこに置いてきたの!
傷を治してもらってようやく本題に入れた。
「たぶんかなり魔力量が多いんだろう」
顎髭を触るのは癖なのだろうか。
王様の言葉にケイラーが頷いた。
「ああ、だが割れる程の魔力量とは。前代未聞だぞ」
過去に全て光った人は居たそうだがわずか2人しかおらず、11個光った人も十数人程度。
割れたことは一度もないらしい。
「僭越ながらお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「お気を悪くされたら申し訳ありません。測定器が壊れていた.....という可能性はないのでしょうか?」
失礼なことを聞いたのになんだか嬉しそうに答えてくれた。
「考えられなくもないがその可能性は低いな」
「理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ああ。まず、枷をしている時も魔法を使える者は総じて魔力量が多い」
え、そうなんだ。
「次にこれはお主が使う前にケイラーが試している。その時は正常に作動していた」
なるほど。
「最後に測定器が壊れたことは以前にもあったが割れたことは過去に一度もない」
!?
過去に一度も!?
「そう.....なのですね、大変失礼致しました。ありがとうございます」
思ったより大事になりそうで少し怖い。
「壊してしまい、本当に申し訳ありませんでした。お時間は頂くかと思いますが必ず弁償致します」
腰を折って謝った。
「ふふっ。気にせずともよい。それよりもどれほどの魔力量を保有しているかの方が重要だ」
「そうだな。少しリスクはあるが別の方法もある」
「別の方法もあるのですか?」
「私は反対です」
レクスも方法を知っているのか反対された。
え。
そんな危険なのかな。
「過保護だねぇ」
レクスがギロリとケイラーを睨んだ。
「やめんか2人とも」
お父さんと仲悪いのかな.....。
「少し乱暴な方法だがそこまで危険ではない。最悪気を失うくらいだ」
ちょっと怖いな....。
けど知らないままってのもちょっともやもやするし...。
レクスが渋々その方法を説明してくれた。
方法はとてもシンプルで魔法を使いまくるだけ。
魔力が無くなるまで同じ魔法を使い続け何回使えたかで魔力量を量る。
ただ、魔力が無くなってくると眩暈や倦怠感などの症状が現れ、それでも使い続けると気絶してしまうらしい。
ガラス玉ひとつでだいたい初級魔法5何回分使えるということなので60回以上は使える計算だ。
もちろん属性によって得手不得手があるので多少は前後する。
「方法はわかりましたがまだ魔法のコントロールができていないので少し不安です....」
「そういえば初めて使ったときはかなりの光量だったらしいな?」
「はい....。ゴルフ——」
ボールって言ってもわかんないか。
指で形を作って説明した。
「この程度の大きさをイメージしたのですが....」
「ふむ....。確かにそれでは危険だな....。魔力操作の練習の方が先か。レクス、人選は任せる」
「はい。至急手配します」
あれ、待って。なんか話進んでない?
「大変ありがたく存じますがそのようなことまでして頂くわけにはまいりません!」
「いや、これは私の為だと思ってくれ」
「え....?」
「その魔力量でコントロールができないのは危険だ。被害が出てしまってからでは遅い。国民を守るのが私の仕事なのでね」
確かに今のままではずっと危険人物だ。
街中で咄嗟に使っちゃって大爆発とかシャレにならん。
「お心遣い誠に有難うございます」
その後なぜかまたレクスとケイラーがバチバチし始めたので慌ただしく解散となった。
「はぁー、緊張したぁー」
レクスの部屋に戻った途端どっと疲れが押し寄せてきた。
「緊張してたのか?」
「当たり前じゃん!もうあんな状況には陥りたくない」
「ふっ、その割には堂々として見えたぞ?」
「本当?」
「ああ、あれは叔父上にも気に入られたな」
気に入られる要素あったかな?
「父上にはあまり近づかないようにしろよ」
「.......お父さんと仲悪いの?」
「悪いわけではないが.....。あの人は手が早いからな。そこは信用できん」
「え、でもかなり歳離れてるし....」
「歳など関係ない」
おぉ...お父さん元気だな.....。
でももうほとんど会うこともないだろうし大丈夫でしょ。
残念ながらガラス玉は全て割れていた。
最悪だ......。
これいくらくらいするんだろう.....。
またレクスに迷惑かけちゃう.....。
「ごめん....、レクス.....。壊しちゃった.....」
「だからそんなことはどうでもいいと言ったろ。手も怪我してる。貸せ」
「いいって。こんなの舐めとけばそのうち治るよ。それよりっ!?」
測定器に顔を近づけて来たから見てくれると思ったのに傷口を口に含まれた。
「やっ、ちょっとレクスっ!?」
「舐めたら治るんだろ?」
だからって舐めないでしょ!
傷口を吸われピリッと痛みが走った。
「いっ!わかったっ!わかったからもうやめて!」
人も居るのになんてことを!
羞恥心どこに置いてきたの!
傷を治してもらってようやく本題に入れた。
「たぶんかなり魔力量が多いんだろう」
顎髭を触るのは癖なのだろうか。
王様の言葉にケイラーが頷いた。
「ああ、だが割れる程の魔力量とは。前代未聞だぞ」
過去に全て光った人は居たそうだがわずか2人しかおらず、11個光った人も十数人程度。
割れたことは一度もないらしい。
「僭越ながらお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「お気を悪くされたら申し訳ありません。測定器が壊れていた.....という可能性はないのでしょうか?」
失礼なことを聞いたのになんだか嬉しそうに答えてくれた。
「考えられなくもないがその可能性は低いな」
「理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ああ。まず、枷をしている時も魔法を使える者は総じて魔力量が多い」
え、そうなんだ。
「次にこれはお主が使う前にケイラーが試している。その時は正常に作動していた」
なるほど。
「最後に測定器が壊れたことは以前にもあったが割れたことは過去に一度もない」
!?
過去に一度も!?
「そう.....なのですね、大変失礼致しました。ありがとうございます」
思ったより大事になりそうで少し怖い。
「壊してしまい、本当に申し訳ありませんでした。お時間は頂くかと思いますが必ず弁償致します」
腰を折って謝った。
「ふふっ。気にせずともよい。それよりもどれほどの魔力量を保有しているかの方が重要だ」
「そうだな。少しリスクはあるが別の方法もある」
「別の方法もあるのですか?」
「私は反対です」
レクスも方法を知っているのか反対された。
え。
そんな危険なのかな。
「過保護だねぇ」
レクスがギロリとケイラーを睨んだ。
「やめんか2人とも」
お父さんと仲悪いのかな.....。
「少し乱暴な方法だがそこまで危険ではない。最悪気を失うくらいだ」
ちょっと怖いな....。
けど知らないままってのもちょっともやもやするし...。
レクスが渋々その方法を説明してくれた。
方法はとてもシンプルで魔法を使いまくるだけ。
魔力が無くなるまで同じ魔法を使い続け何回使えたかで魔力量を量る。
ただ、魔力が無くなってくると眩暈や倦怠感などの症状が現れ、それでも使い続けると気絶してしまうらしい。
ガラス玉ひとつでだいたい初級魔法5何回分使えるということなので60回以上は使える計算だ。
もちろん属性によって得手不得手があるので多少は前後する。
「方法はわかりましたがまだ魔法のコントロールができていないので少し不安です....」
「そういえば初めて使ったときはかなりの光量だったらしいな?」
「はい....。ゴルフ——」
ボールって言ってもわかんないか。
指で形を作って説明した。
「この程度の大きさをイメージしたのですが....」
「ふむ....。確かにそれでは危険だな....。魔力操作の練習の方が先か。レクス、人選は任せる」
「はい。至急手配します」
あれ、待って。なんか話進んでない?
「大変ありがたく存じますがそのようなことまでして頂くわけにはまいりません!」
「いや、これは私の為だと思ってくれ」
「え....?」
「その魔力量でコントロールができないのは危険だ。被害が出てしまってからでは遅い。国民を守るのが私の仕事なのでね」
確かに今のままではずっと危険人物だ。
街中で咄嗟に使っちゃって大爆発とかシャレにならん。
「お心遣い誠に有難うございます」
その後なぜかまたレクスとケイラーがバチバチし始めたので慌ただしく解散となった。
「はぁー、緊張したぁー」
レクスの部屋に戻った途端どっと疲れが押し寄せてきた。
「緊張してたのか?」
「当たり前じゃん!もうあんな状況には陥りたくない」
「ふっ、その割には堂々として見えたぞ?」
「本当?」
「ああ、あれは叔父上にも気に入られたな」
気に入られる要素あったかな?
「父上にはあまり近づかないようにしろよ」
「.......お父さんと仲悪いの?」
「悪いわけではないが.....。あの人は手が早いからな。そこは信用できん」
「え、でもかなり歳離れてるし....」
「歳など関係ない」
おぉ...お父さん元気だな.....。
でももうほとんど会うこともないだろうし大丈夫でしょ。
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