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episode9
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それからはお互い知りたい事を聞き合った。
まず竜青騎士団の他に竜銀騎士団、竜黒騎士団があり竜銀騎士団は主に王族、貴族の警護や護衛。竜黒騎士団は魔物の討伐。そして竜青騎士団は盗賊などの捕縛がメインのお仕事。
数年前に奴隷制度の取り締まりが強化され、本人か親族の同意が必要になったため違反者が増え、かなり忙しいらしい。
つまり孤児や誘拐、俺みたいに拾ったというのも違法。
いや、ほんともうありがとうございます!お陰様で人として生きてゆけます....。
会うことはないであろう王様に拝んだ。
1番知りたかった魔法のことも丁寧に教えてくれた。
全員が魔力を持って生まれるが、ほとんどの人が魔力量が少なく生活魔法を扱うのがやっとらしい。
魔力量の多い人は攻撃魔法や治癒魔法などいろいろなものが扱えるので騎士団や教会、学園の先生などいろいろな就職先がある。
その人によって得意な属性などはあるようだが魔力があれば全ての属性魔法が使えるようで早く試してみたい。
やはり魔法を使うにはイメージが重要らしく、詠唱する人もいるようだがイメージが明確であれば無詠唱も可能。
これは実証済みのためあとはコントロールの練習が必要だ。
魔力量は王都で量って貰えるようなので少し楽しみだ。
もし魔力量が多ければこの騎士団のお手伝いができるかもしれない。
だがレオンにはあまりお勧めはできません、と渋い顔をされた。
「優しすぎるんですよ、あなたは」
「すぎるってほどじゃ....」
「いいえ、すぎます。育った環境が平和だったこともそうですが人を信用しすぎるんですよ」
「いや、でも詐欺とかには引っかかったことないですよ?」
「それは会ったこともない方でしょう?会って一言二言言葉を交わせば信用してしまうのではないですか?」
「うーん、どうでしょう....」
「それではこの竜青騎士団員の会ったことの無い者と2人きりになれますか?」
「え?なれますよ?」
「はぁ...、先ほどもお話ししましたよね?この国では例え男であったとしても腕に自信のある者以外、他者と2人きりにはなりません」
この国は同性同士の恋愛も普通にあり、結婚も認められている。
異性婚と同じくらい多いらしく、日本での性犯罪の被害者は主に女性だがここではどちらも同じくらいの被害があるそうだ。
「でも竜青騎士団の方ですよね?団長さんとレオンの直属の部下でしょう?全く知らない人ってわけでもなくないですか?」
この発言にレオンは頭を抱えてしまった。
あれ、なんか変なこと言った?
「たしかに直属の部下ですが、私は部下とあなたを2人きりにすることは怖くてできません。この意味わかりますか?」
「そこまで信用してるわけではない、ということですか?」
「そうです。もちろん仕事面では信頼しています。けれど私の部下だからと信用してしまうあなたはこの国では優しすぎるんですよ」
「じゃあ俺が強くなれば問題ないですよね?」
「....では入団テストをしてみましょう」
そう言って揺れる馬車の中で難なく立ち上がり俺に近づいてくる。
レ、レオン?なんか顔が怖いんですけど....?
座ったままずるずると後ずさった。
広くない馬車の中ではすぐに逃げ場はなくなる。
左右にはレオンの腕で逃げ場を塞がれてしまった。
「さあ、ここから逃げ出してみてください」
「え?」
レオンの顔が近づいてくる。
「レ、レオン!?」
「逃げないのですか?それなら私は好きにさせてもらいますよ?」
左右を塞ぐ腕を押してみるが全く動かない。
嘘だろ!?
自分も少しは鍛えてるしレクスほど腕が太いわけでもないのにびくともしない。
近づいてくる体を押し戻そうとしても止まる気配すらない。
思わず顔を背けると首筋にちゅっと音を立てられた。
「っ」
続けて頬にも落とされる。
「レオン、やめてっ」
静止の声にレオンはすぐに体を離した。
「これでわかりましたか?」
「...俺が弱いってことですよね?」
盛大なため息をついてまた頭を抱えられた。
「力を得たとしても行使できなければ意味がありません。あなたは私を殴ることもできたのにそれをせずにまず平和的解決を選んでしまう。できますか?あなたに。人を傷つけることが」
「っ」
「言葉に詰まる時点でやはりお勧めはできませんね」
「そう、ですね....」
確かに殴って止めようなんて考えもしなかった。
でもそれはレオンだからと言い訳がましく考えてしまう。
敵意を向けてくる相手になら、とは思うが想像すら出来ない。
「嫌な思いをさせてしまってすみません」
そう謝られたがなんのことかさっぱりわからない。
わからないなら大丈夫ですとくすくす笑った。
レオンは科学のことを知りたがったが上手く説明できずに申し訳ない気持ちになった。
いや、だって知らないんだもん!テレビとか電話の仕組みなんて!
充分面白いです。とは言ってくれたが絶対に気を使われた。
あとは外見のことにも興味深々だった。
こちらでは明るい髪色、瞳の人しかいないらしく黒髪黒目は初めて見るらしい。
あ、だから最初会ったときとかみんなびっくりしてたのね。
日本はみんな黒髪黒目と伝えるとびっくりしていた。
こんな綺麗な色は見た事がありません、と言うがそれはこちらのセリフです。
話が尽きることはなく、あっという間に目的地に到着した。
まず竜青騎士団の他に竜銀騎士団、竜黒騎士団があり竜銀騎士団は主に王族、貴族の警護や護衛。竜黒騎士団は魔物の討伐。そして竜青騎士団は盗賊などの捕縛がメインのお仕事。
数年前に奴隷制度の取り締まりが強化され、本人か親族の同意が必要になったため違反者が増え、かなり忙しいらしい。
つまり孤児や誘拐、俺みたいに拾ったというのも違法。
いや、ほんともうありがとうございます!お陰様で人として生きてゆけます....。
会うことはないであろう王様に拝んだ。
1番知りたかった魔法のことも丁寧に教えてくれた。
全員が魔力を持って生まれるが、ほとんどの人が魔力量が少なく生活魔法を扱うのがやっとらしい。
魔力量の多い人は攻撃魔法や治癒魔法などいろいろなものが扱えるので騎士団や教会、学園の先生などいろいろな就職先がある。
その人によって得意な属性などはあるようだが魔力があれば全ての属性魔法が使えるようで早く試してみたい。
やはり魔法を使うにはイメージが重要らしく、詠唱する人もいるようだがイメージが明確であれば無詠唱も可能。
これは実証済みのためあとはコントロールの練習が必要だ。
魔力量は王都で量って貰えるようなので少し楽しみだ。
もし魔力量が多ければこの騎士団のお手伝いができるかもしれない。
だがレオンにはあまりお勧めはできません、と渋い顔をされた。
「優しすぎるんですよ、あなたは」
「すぎるってほどじゃ....」
「いいえ、すぎます。育った環境が平和だったこともそうですが人を信用しすぎるんですよ」
「いや、でも詐欺とかには引っかかったことないですよ?」
「それは会ったこともない方でしょう?会って一言二言言葉を交わせば信用してしまうのではないですか?」
「うーん、どうでしょう....」
「それではこの竜青騎士団員の会ったことの無い者と2人きりになれますか?」
「え?なれますよ?」
「はぁ...、先ほどもお話ししましたよね?この国では例え男であったとしても腕に自信のある者以外、他者と2人きりにはなりません」
この国は同性同士の恋愛も普通にあり、結婚も認められている。
異性婚と同じくらい多いらしく、日本での性犯罪の被害者は主に女性だがここではどちらも同じくらいの被害があるそうだ。
「でも竜青騎士団の方ですよね?団長さんとレオンの直属の部下でしょう?全く知らない人ってわけでもなくないですか?」
この発言にレオンは頭を抱えてしまった。
あれ、なんか変なこと言った?
「たしかに直属の部下ですが、私は部下とあなたを2人きりにすることは怖くてできません。この意味わかりますか?」
「そこまで信用してるわけではない、ということですか?」
「そうです。もちろん仕事面では信頼しています。けれど私の部下だからと信用してしまうあなたはこの国では優しすぎるんですよ」
「じゃあ俺が強くなれば問題ないですよね?」
「....では入団テストをしてみましょう」
そう言って揺れる馬車の中で難なく立ち上がり俺に近づいてくる。
レ、レオン?なんか顔が怖いんですけど....?
座ったままずるずると後ずさった。
広くない馬車の中ではすぐに逃げ場はなくなる。
左右にはレオンの腕で逃げ場を塞がれてしまった。
「さあ、ここから逃げ出してみてください」
「え?」
レオンの顔が近づいてくる。
「レ、レオン!?」
「逃げないのですか?それなら私は好きにさせてもらいますよ?」
左右を塞ぐ腕を押してみるが全く動かない。
嘘だろ!?
自分も少しは鍛えてるしレクスほど腕が太いわけでもないのにびくともしない。
近づいてくる体を押し戻そうとしても止まる気配すらない。
思わず顔を背けると首筋にちゅっと音を立てられた。
「っ」
続けて頬にも落とされる。
「レオン、やめてっ」
静止の声にレオンはすぐに体を離した。
「これでわかりましたか?」
「...俺が弱いってことですよね?」
盛大なため息をついてまた頭を抱えられた。
「力を得たとしても行使できなければ意味がありません。あなたは私を殴ることもできたのにそれをせずにまず平和的解決を選んでしまう。できますか?あなたに。人を傷つけることが」
「っ」
「言葉に詰まる時点でやはりお勧めはできませんね」
「そう、ですね....」
確かに殴って止めようなんて考えもしなかった。
でもそれはレオンだからと言い訳がましく考えてしまう。
敵意を向けてくる相手になら、とは思うが想像すら出来ない。
「嫌な思いをさせてしまってすみません」
そう謝られたがなんのことかさっぱりわからない。
わからないなら大丈夫ですとくすくす笑った。
レオンは科学のことを知りたがったが上手く説明できずに申し訳ない気持ちになった。
いや、だって知らないんだもん!テレビとか電話の仕組みなんて!
充分面白いです。とは言ってくれたが絶対に気を使われた。
あとは外見のことにも興味深々だった。
こちらでは明るい髪色、瞳の人しかいないらしく黒髪黒目は初めて見るらしい。
あ、だから最初会ったときとかみんなびっくりしてたのね。
日本はみんな黒髪黒目と伝えるとびっくりしていた。
こんな綺麗な色は見た事がありません、と言うがそれはこちらのセリフです。
話が尽きることはなく、あっという間に目的地に到着した。
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