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episode7
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「...ルト....ハルト、起きろ」
まどろみのなか頬をなでられるのが気持ちよく思わず擦り寄せた。
その手がぴくりと固まり両頬を掴まれたと思ったらぬるりと口内に熱いものが入り込んだ。
「んむっ!?....っ....ん、んぁ....」
「起きたか?」
ぺろりと自分の唇を舐めた人物を見て一気に覚醒した。
「だ、団長さん!?」
すでに服を着ているが昨日のことが一瞬にして蘇る。
顔は真っ赤になっているだろう。
「レクスだ。次からそう呼べ。誘いに乗ってやりたいとこだが少しやることがある。起きられるなら水はそこにある。朝食もあるから食べておけよ」
「誘ってません!」
「ふっ、そうか。しばらくしたら戻るからいい子で待ってろよ」
頭をふわりと撫で天幕から出ていった。
もおぉぉぉ!
なんでいちいちかっこいいかなぁ!
布団に顔を埋めて悶えた。
やばい。今後顔を見れる自信がない。
とりあえず支度を、と体を起こす。
足ががくがくと震えて思ったように歩けなかったため時間はかかったがなんとか水のあるところまでたどり着いた。
体の方はレクスが拭いてくれたのかきれいになっていた。
うっかり想像してしまい羞恥に身悶えた。
sideレクス
レオンの天幕に入るなり机に突っ伏した。
「はぁ」
思わずため息がでた。
今朝も可愛すぎてめちゃくちゃにしてしまいたい欲求に駆られた。
我慢できたことを褒めて欲しいくらいだ。
「思ったより早かったですね?」
クスクスと笑いながら腹心の部下が向かいに座る。
「これ以上一緒にいたら壊しかねん」
「おや、団長からその様な言葉が聞けるとは殿下がお喜びになられるでしょうね?」
「茶化すな」
「少しくらい許して頂かないと。昨夜この近辺は私1人で警護したんですから」
「っ、すまん」
たしかにレオン以外の者に警護を任せていればあの場に乱入、もしくは持ち場を離れることは容易に想像できる。
あの蜜事を聞かされて正気を保てるのはレオンくらいだろうと思う。
「だがあの見目と年齢で初めてと聞かされたらタガも外れるだろ...」
「!?....いろいろ驚かせてくれる方ですね....」
「ああ。昨夜の光もハルトが魔法を使ったようだ」
「!枷をつけられているのに魔法が使えたのですか?」
通常、奴隷商が扱う枷は魔力封じがかけられており枷をつけられた人間は魔法を使うことができなくなる。
また無理に外そうとしたり魔力を操作しただけでスリープや麻痺、催淫といった状態異常にさせる魔法を付与されていることが多い。
昨夜の発情状態はこれが原因だろう。
「魔力封じだけ機能しなかったとは考えにくいな...」
「ええ。ですが枷をはめられた者が魔法を使うということ自体珍しいことではありますので...」
「!...なるほど。調べてみる価値はありそうだな」
「はい」
「その他問題はないな?」
「はい。あとはハルトさんの足腰が大丈夫なようであれば出発も可能です」
「っ、悪かったと言っているだろう?」
「私は構いませんよ?王都への到着が遅れて小言を喰らうのは団長ですしね?」
「わかってる、出発はすぐするつもりだ。ハルトは馬車へ乗せる。頼めるか?」
「そうなるだろうとは思っていましたよ」
「手は出すなよ?」
一応釘をさすが返事することなくにっこりと笑って出ていった。
まどろみのなか頬をなでられるのが気持ちよく思わず擦り寄せた。
その手がぴくりと固まり両頬を掴まれたと思ったらぬるりと口内に熱いものが入り込んだ。
「んむっ!?....っ....ん、んぁ....」
「起きたか?」
ぺろりと自分の唇を舐めた人物を見て一気に覚醒した。
「だ、団長さん!?」
すでに服を着ているが昨日のことが一瞬にして蘇る。
顔は真っ赤になっているだろう。
「レクスだ。次からそう呼べ。誘いに乗ってやりたいとこだが少しやることがある。起きられるなら水はそこにある。朝食もあるから食べておけよ」
「誘ってません!」
「ふっ、そうか。しばらくしたら戻るからいい子で待ってろよ」
頭をふわりと撫で天幕から出ていった。
もおぉぉぉ!
なんでいちいちかっこいいかなぁ!
布団に顔を埋めて悶えた。
やばい。今後顔を見れる自信がない。
とりあえず支度を、と体を起こす。
足ががくがくと震えて思ったように歩けなかったため時間はかかったがなんとか水のあるところまでたどり着いた。
体の方はレクスが拭いてくれたのかきれいになっていた。
うっかり想像してしまい羞恥に身悶えた。
sideレクス
レオンの天幕に入るなり机に突っ伏した。
「はぁ」
思わずため息がでた。
今朝も可愛すぎてめちゃくちゃにしてしまいたい欲求に駆られた。
我慢できたことを褒めて欲しいくらいだ。
「思ったより早かったですね?」
クスクスと笑いながら腹心の部下が向かいに座る。
「これ以上一緒にいたら壊しかねん」
「おや、団長からその様な言葉が聞けるとは殿下がお喜びになられるでしょうね?」
「茶化すな」
「少しくらい許して頂かないと。昨夜この近辺は私1人で警護したんですから」
「っ、すまん」
たしかにレオン以外の者に警護を任せていればあの場に乱入、もしくは持ち場を離れることは容易に想像できる。
あの蜜事を聞かされて正気を保てるのはレオンくらいだろうと思う。
「だがあの見目と年齢で初めてと聞かされたらタガも外れるだろ...」
「!?....いろいろ驚かせてくれる方ですね....」
「ああ。昨夜の光もハルトが魔法を使ったようだ」
「!枷をつけられているのに魔法が使えたのですか?」
通常、奴隷商が扱う枷は魔力封じがかけられており枷をつけられた人間は魔法を使うことができなくなる。
また無理に外そうとしたり魔力を操作しただけでスリープや麻痺、催淫といった状態異常にさせる魔法を付与されていることが多い。
昨夜の発情状態はこれが原因だろう。
「魔力封じだけ機能しなかったとは考えにくいな...」
「ええ。ですが枷をはめられた者が魔法を使うということ自体珍しいことではありますので...」
「!...なるほど。調べてみる価値はありそうだな」
「はい」
「その他問題はないな?」
「はい。あとはハルトさんの足腰が大丈夫なようであれば出発も可能です」
「っ、悪かったと言っているだろう?」
「私は構いませんよ?王都への到着が遅れて小言を喰らうのは団長ですしね?」
「わかってる、出発はすぐするつもりだ。ハルトは馬車へ乗せる。頼めるか?」
「そうなるだろうとは思っていましたよ」
「手は出すなよ?」
一応釘をさすが返事することなくにっこりと笑って出ていった。
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