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第四章
第79話 報告会 -前編- ※
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※ご注意ください※
・中盤からR18になります。
・正直胸糞展開です。
こころづもりをして(∩´。•ω•)⊃ドゾー
すみません、ちょっと改稿しました( ̄▽ ̄;)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「う、うっぷ……も、もう食えね……」
「うん…俺も……」
レストランで思いの外ボリューミーな食事を終えた後、食べ過ぎて苦しい俺と兄は胃の不快感を和らげる為の炭酸水片手に、ロビーのソファに倒れ込んだ。その間におじさんはチェックインを済ませにチェックインカウンターに向かった。
今回取った部屋は3ベッドのスーペリアルームで、3人同室だ。
俺と兄の渡航が決まった当初、おじさんは俺らとは別々に部屋を取ろうとしていたのだが、小さな頃から家族旅行等などで同室になる事が多く今更気を遣う事もないし、また、今回費用を負担して貰う事も鑑みて同室にして貰ったのだ。
チェックイン手続きが終わり部屋に着くと、荷解きをする間もなく早速直ぐに本来の目的である穂乃果の話になった。
「まず、おじさん。穂乃果の事なんだけど……」
冷蔵庫から人数分のミネラルウォーターを取り、応接セットに掛けると、兄が口火を切り話を切り出す。
穂乃果はあの件の後、暫く自宅からカウンセリングに通っていたが、今は沙織ママの母方の田舎に移住した沙織ママの両親の所から月に1度カウンセリングの為に上京してくるという生活をしている。
香乃果の留学とおじさんの海外赴任に伴い、穂乃果の家は沙織ママと穂乃果だけの母子生活になるから、と言うのは表向きの理由で……
本当の理由は、穂乃果の俺への酷い執着からの付き纏いが原因である。
あの事があってから、両家話し合いの下、穂乃果と俺の接触をなるべく絶とうという事で話しが纏まったのだが、やはり隣に住んで居るからなのか突然家に訪問してきたり、登校時間に合わせて家を出てきたり……
それだけではなく、昼休みや帰りも学校でも待ち伏せされたりと、こちらがいくら距離を置いても避けても避けきれず、かなり酷い付き纏い行為をしてきていた。
しかし、相手はうら若き女子高生……醜聞になるのを避ける為と言えば聞こえはいいが、要するにこの事については穂乃果の両親に頭を下げられ箝口令が敷かれていて、周りに一切相談や事情を話す事がなかった。
それに加えて、当時の俺は香乃果の突然の留学と穂乃果の豹変の原因が自分にあると思っていた。
そのショックから、半ば自暴自棄になっていた事も相俟って、穂乃果の執拗な付き纏いを強く拒絶する気力など到底なかったし、俺も敢えて言う事をしなかったので、家族も穂乃果の異常行動に気が付かなかったようで、何の対処もしていなかったのがまずかった。
そんな穂乃果を放っておいた事により、ゴールデンウィークも過ぎ、初夏の走りを感じ始めたある日の夜、とうとう事件が起こってしまう。
◇◇◇
その日は寝苦しい夜だったが、クーラーを付けるには早すぎる時期で、俺は窓を開けて網戸にして寝ていたのだが……
穂乃果はあろう事か、ベランダから俺の部屋に侵入して俺の寝込みを襲ったのだ。
穂乃果はその日、香乃果の寝巻きを着て香乃果のボディクリームを塗って俺のベッドに潜り込むと、寝ている俺の身体を弄り、耳元で「ただいま、渉。」と囁いた。
「えっ…?こ、のか……?」
香乃果の事が恋しい俺は初めは夢かと思った。
しかし、瞬間、抱きつく穂乃果からふわりと香った香乃果の匂いに俺は理性飛んでしまい、香乃果に擬態した穂乃果を、香乃果だと誤認して組み敷いて事に及んでしまったのだ。
俺は、香乃果が放つ甘い香りに完全に酔っていて、猛り狂う感情のままに、愛しい香乃果に噛みつくようにキスをすると、柔らかなしっとりとした唇の感触に、俺の理性が焼き切れそうになる。
「……んっ……あぁっ」
深く口付けると香乃果は俺の腕の中で甘い声を漏らす。
その甘い声に愛しさが溢れて、ますます深いキスを贈った。
香乃果の身体の柔らかな弾力ある感触に陶然としながら、寝惚けた頭かつ暗がりの中で、甘い香乃果の匂いに包まれた俺は、愛しい香乃果を抱いている気になっていた。
寝巻きを剥ぎ取り柔らかな胸の双丘へ顔を埋めると、太ももに手を這わせ、そのまま足の付け根の方へと手を滑らせていく。
下着の上から割れ目を指でなぞると、しっとりとした感触でそこは既に蜜が溢れ始めていた。
そのまま下着のクロッチをずらして中に指を入れようとすると、香乃果は淫らに腰を揺らす。
その様子に俺の気持ちも自然と昂ぶっていく。
そのまま濡れそぼった蜜壷に指を埋め込んでいくと、香乃果はより一層甘く啼いた。
止めどなく愛しさが溢れて胸が苦しい。
「っく……このっ……」
俺は香乃果の背中に左腕を差入れると、そのまま胸の蕾を舌でコロコロと舐り、ちゅうとキツく吸い上げる。
「はぁっ……ん、わっ…くん……」
夢中で胸に吸い付き、指で蜜壷をかきまぜる。
香乃果の口からは甘い溜息が零れ、じゅぶじゅぶと彼女の愛液が厭らしい音を立てた。
恋焦がれた香乃果の痴態に、自分自身も今までになく熱く硬く脈打ち、早く香乃果のナカに入りたい、そう訴えている。
「香乃果、俺、もう……」
「うん…わた、しも……来て?」
香乃果の言葉にプツンと最後の砦が瓦解する。
するりと香乃果の寝巻きのスボンと下着を一気に取り去ると、俺も下着を脱ぎ、香乃果の足を大きく割り開かせた。
これ以上なく昂ぶった俺のものを香乃果の秘部に押し当てたその時、ふと、思った。
何かが違う……と。
何がとか、具体的なものも根拠もないのに、本当にふいに、本能がそう語っていた。
俺は、グズグズに蕩けきった香乃果の蜜壷の入口にピタリと亀頭を当てたまま、フリーズする。
これは現実?それとも俺の願望から見ている夢?
このまま挿入してしまって本当に後悔しない?
俺の心が、本能が警鐘を鳴らしていた。
焦がれた香乃果とこれから繋がるという幸せの絶頂にいるはずなのに、何故だかわからないけれど言いようのない不安が押し寄せてくる。
だけど、俺は一刻も早く香乃果と繋がりたい気持ちから、その考えを頭を振って打ち消した。
後悔なんてしない。
自分の中でそう結論付けると、もう一度、入口に先っぽを押し付けそのまま腰にグッと力を入れた。
くぷっと厭らしい音がして、くぱくぱと口を開いて俺を誘い込もうとする蜜壷が、ガチガチに膨張した自身の鬼頭を捉え、先走り滴る先っぽに吸い付いてくると、あまりの気持ちよさに腰が引けて震える。
「うっ…あっ……あったけぇ……ダメ、だ……もう……」
「んっ……わっくん、このまま奥まで一気に……」
まだ先っぽが入口に吸い付いているだけでこの気持ちよさだ。言う通り一気に腰を打ち付ければ、きっと我慢が出来なくてすぐに吐精してしまうだろう。
流石に記念すべき初めての夜に、挿入れた瞬間に出てしまう失態はカッコ悪い。
それだけは……と思い、俺はグッと堪えて動きを止めた。
一旦落ち着くまでと、はくはくと息を吐きながらやり過ごしていると、香乃果は強請るように腰を揺らし、俺の腰に足を絡めてグッと力を込めて挿入を促す。
「んっ、あ、こ、こ、香乃果っ…や、やめっ……出ちゃ……」
俺は慌てて逆に腰を引くと、我慢していた箍が外れ、痛いくらい膨れ上がっていたモノから、びゅるびゅると大量の精を香乃果の腹や胸に一気に放出した。
あまりの気持ちよさに頭が真っ白になり、そして、出し切った後、呆然とする。
やってしまった……
挿入れる前にイクとか…カッコ悪い所の話ではない。
目の前の情欲に染まってほんのり色付いた香乃果の肢体には、俺の放った白濁が纏わりつき、なんとも艶めかしく俺の劣情煽るが、それよりも自分の犯した失態が情けな過ぎて、先程まで熱く滾っていた自身はすっかりと萎えてしまった。
「ごめん……」
俺は枕元のティッシュを取ると、あちこちに飛び散った自身の白濁を拭きとり、自己嫌悪に陥っていると、先程浮かんだ不安がまた首を擡げてくる。
これは現実?それとも俺の願望から見ている夢?
吐精した感覚、出した後の気怠さ、そして、後処理…どれを取っても今目の前で起こっている事は紛れもない現実だ。
と、言うことは……
俺は香乃果との初めてのセックスに失敗したという事。
恋焦がれて止まない香乃果と抱き合えたのに、恥ずかし過ぎて情けなくて……
香乃果は普段カナダにいておいそれと会うことも叶わないのに、これからどうやって香乃果に会ったらいいのか……合わせる顔がなかった。
そこでふと、疑問が浮かぶ。
香乃果は今カナダにいるはずだ。
まだ夏休みにもなっていないし、帰国する事は誰からも聞いていない。
それに……
第一、香乃果とはまだ和解が出来ていないから、こうなるわけがない。
じゃあ、目の前のこの香乃果は一体……
「……誰?お前、香乃果じゃ…ないだろ。」
自然と俺の口から零れた言葉に、目の前の香乃果は言う。
「ふふふ、私だよ………わっくん。」
「…っ!!!」
俺が弾かれたように身体を離しベッドから飛び降りると、ムクリと起き上がった穂乃果は、くすくすと笑って言った。
「あーあ……あと少しでわっくんと結ばれたのに、残念。でも、これでわかったでしょ?別に相手はお姉ちゃんじゃなくても大丈夫だって。」
「お、おま……どうして……」
ゾッとする程冷たい表情で言う穂乃果に、恐怖を感じて身体を震わせながら振り絞るように問いかけると、穂乃果は艶然とした笑みを浮かべて答えた。
「どうして?そんなの決まってるじゃない。今日は赤ちゃんが出来易い日だから。早く欲しいじゃない?赤ちゃん。赤ちゃん出来れば、もう離れなくて済むでしょ?」
にこりとしてそう宣う穂乃果が、俺にはもう無理だった。
怖くて気持ち悪くて、穂乃果と同じ空間に居られなくて、俺は裸のまま部屋を飛び出すと、隣の兄の部屋に飛び込んだ。
兄は飛び起き、俺の格好と表情から何かがあった事を悟り、兄は俺に布団を被せると、すぐさま部屋を出て俺の部屋に行った。
俺は恐怖とショックで兄のベッドに潜り込むと、頭から布団を被った。
何で?どうして?という言葉がぐるぐると頭の中を廻る。
それよりも、最後まではしていなかったとしても、香乃果だと思って穂乃果を抱いてしまった事の嫌悪感から、俺は自分が許せなくて何度も嘔吐いた。
暫くすると、バタバタと複数人が階段上がってくる足音が聞こえたかと思うと、俺の部屋から言い争うような大声と沙織ママの啜り泣く声が聞こえてくる。
そして小一時間程すると、再びバタバタと足音がして、やがて静かになった。
「渉……」
ドアが静かに開いたかと思うと、小声で兄が俺を呼んだ声がしたが、俺は返事をする事が出来ずこの日の俺の意識はここで途切れた。
そして、その事件のあった日から数日後、沙織ママと穂乃果が突然引越しをしたと聞いた。
急な話で吃驚すると同時に、自分でも薄情だとは思うが、これで顔を合わせないで済むとホッとしたりもした。
あんなに一緒に居たのに、正直淋しいという気持ちは湧いてこなかった。
あれから約1年半、電話やメッセージは相変わらずだが、幸いな事に穂乃果と顔を合わせる事はなかった。
・中盤からR18になります。
・正直胸糞展開です。
こころづもりをして(∩´。•ω•)⊃ドゾー
すみません、ちょっと改稿しました( ̄▽ ̄;)
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「う、うっぷ……も、もう食えね……」
「うん…俺も……」
レストランで思いの外ボリューミーな食事を終えた後、食べ過ぎて苦しい俺と兄は胃の不快感を和らげる為の炭酸水片手に、ロビーのソファに倒れ込んだ。その間におじさんはチェックインを済ませにチェックインカウンターに向かった。
今回取った部屋は3ベッドのスーペリアルームで、3人同室だ。
俺と兄の渡航が決まった当初、おじさんは俺らとは別々に部屋を取ろうとしていたのだが、小さな頃から家族旅行等などで同室になる事が多く今更気を遣う事もないし、また、今回費用を負担して貰う事も鑑みて同室にして貰ったのだ。
チェックイン手続きが終わり部屋に着くと、荷解きをする間もなく早速直ぐに本来の目的である穂乃果の話になった。
「まず、おじさん。穂乃果の事なんだけど……」
冷蔵庫から人数分のミネラルウォーターを取り、応接セットに掛けると、兄が口火を切り話を切り出す。
穂乃果はあの件の後、暫く自宅からカウンセリングに通っていたが、今は沙織ママの母方の田舎に移住した沙織ママの両親の所から月に1度カウンセリングの為に上京してくるという生活をしている。
香乃果の留学とおじさんの海外赴任に伴い、穂乃果の家は沙織ママと穂乃果だけの母子生活になるから、と言うのは表向きの理由で……
本当の理由は、穂乃果の俺への酷い執着からの付き纏いが原因である。
あの事があってから、両家話し合いの下、穂乃果と俺の接触をなるべく絶とうという事で話しが纏まったのだが、やはり隣に住んで居るからなのか突然家に訪問してきたり、登校時間に合わせて家を出てきたり……
それだけではなく、昼休みや帰りも学校でも待ち伏せされたりと、こちらがいくら距離を置いても避けても避けきれず、かなり酷い付き纏い行為をしてきていた。
しかし、相手はうら若き女子高生……醜聞になるのを避ける為と言えば聞こえはいいが、要するにこの事については穂乃果の両親に頭を下げられ箝口令が敷かれていて、周りに一切相談や事情を話す事がなかった。
それに加えて、当時の俺は香乃果の突然の留学と穂乃果の豹変の原因が自分にあると思っていた。
そのショックから、半ば自暴自棄になっていた事も相俟って、穂乃果の執拗な付き纏いを強く拒絶する気力など到底なかったし、俺も敢えて言う事をしなかったので、家族も穂乃果の異常行動に気が付かなかったようで、何の対処もしていなかったのがまずかった。
そんな穂乃果を放っておいた事により、ゴールデンウィークも過ぎ、初夏の走りを感じ始めたある日の夜、とうとう事件が起こってしまう。
◇◇◇
その日は寝苦しい夜だったが、クーラーを付けるには早すぎる時期で、俺は窓を開けて網戸にして寝ていたのだが……
穂乃果はあろう事か、ベランダから俺の部屋に侵入して俺の寝込みを襲ったのだ。
穂乃果はその日、香乃果の寝巻きを着て香乃果のボディクリームを塗って俺のベッドに潜り込むと、寝ている俺の身体を弄り、耳元で「ただいま、渉。」と囁いた。
「えっ…?こ、のか……?」
香乃果の事が恋しい俺は初めは夢かと思った。
しかし、瞬間、抱きつく穂乃果からふわりと香った香乃果の匂いに俺は理性飛んでしまい、香乃果に擬態した穂乃果を、香乃果だと誤認して組み敷いて事に及んでしまったのだ。
俺は、香乃果が放つ甘い香りに完全に酔っていて、猛り狂う感情のままに、愛しい香乃果に噛みつくようにキスをすると、柔らかなしっとりとした唇の感触に、俺の理性が焼き切れそうになる。
「……んっ……あぁっ」
深く口付けると香乃果は俺の腕の中で甘い声を漏らす。
その甘い声に愛しさが溢れて、ますます深いキスを贈った。
香乃果の身体の柔らかな弾力ある感触に陶然としながら、寝惚けた頭かつ暗がりの中で、甘い香乃果の匂いに包まれた俺は、愛しい香乃果を抱いている気になっていた。
寝巻きを剥ぎ取り柔らかな胸の双丘へ顔を埋めると、太ももに手を這わせ、そのまま足の付け根の方へと手を滑らせていく。
下着の上から割れ目を指でなぞると、しっとりとした感触でそこは既に蜜が溢れ始めていた。
そのまま下着のクロッチをずらして中に指を入れようとすると、香乃果は淫らに腰を揺らす。
その様子に俺の気持ちも自然と昂ぶっていく。
そのまま濡れそぼった蜜壷に指を埋め込んでいくと、香乃果はより一層甘く啼いた。
止めどなく愛しさが溢れて胸が苦しい。
「っく……このっ……」
俺は香乃果の背中に左腕を差入れると、そのまま胸の蕾を舌でコロコロと舐り、ちゅうとキツく吸い上げる。
「はぁっ……ん、わっ…くん……」
夢中で胸に吸い付き、指で蜜壷をかきまぜる。
香乃果の口からは甘い溜息が零れ、じゅぶじゅぶと彼女の愛液が厭らしい音を立てた。
恋焦がれた香乃果の痴態に、自分自身も今までになく熱く硬く脈打ち、早く香乃果のナカに入りたい、そう訴えている。
「香乃果、俺、もう……」
「うん…わた、しも……来て?」
香乃果の言葉にプツンと最後の砦が瓦解する。
するりと香乃果の寝巻きのスボンと下着を一気に取り去ると、俺も下着を脱ぎ、香乃果の足を大きく割り開かせた。
これ以上なく昂ぶった俺のものを香乃果の秘部に押し当てたその時、ふと、思った。
何かが違う……と。
何がとか、具体的なものも根拠もないのに、本当にふいに、本能がそう語っていた。
俺は、グズグズに蕩けきった香乃果の蜜壷の入口にピタリと亀頭を当てたまま、フリーズする。
これは現実?それとも俺の願望から見ている夢?
このまま挿入してしまって本当に後悔しない?
俺の心が、本能が警鐘を鳴らしていた。
焦がれた香乃果とこれから繋がるという幸せの絶頂にいるはずなのに、何故だかわからないけれど言いようのない不安が押し寄せてくる。
だけど、俺は一刻も早く香乃果と繋がりたい気持ちから、その考えを頭を振って打ち消した。
後悔なんてしない。
自分の中でそう結論付けると、もう一度、入口に先っぽを押し付けそのまま腰にグッと力を入れた。
くぷっと厭らしい音がして、くぱくぱと口を開いて俺を誘い込もうとする蜜壷が、ガチガチに膨張した自身の鬼頭を捉え、先走り滴る先っぽに吸い付いてくると、あまりの気持ちよさに腰が引けて震える。
「うっ…あっ……あったけぇ……ダメ、だ……もう……」
「んっ……わっくん、このまま奥まで一気に……」
まだ先っぽが入口に吸い付いているだけでこの気持ちよさだ。言う通り一気に腰を打ち付ければ、きっと我慢が出来なくてすぐに吐精してしまうだろう。
流石に記念すべき初めての夜に、挿入れた瞬間に出てしまう失態はカッコ悪い。
それだけは……と思い、俺はグッと堪えて動きを止めた。
一旦落ち着くまでと、はくはくと息を吐きながらやり過ごしていると、香乃果は強請るように腰を揺らし、俺の腰に足を絡めてグッと力を込めて挿入を促す。
「んっ、あ、こ、こ、香乃果っ…や、やめっ……出ちゃ……」
俺は慌てて逆に腰を引くと、我慢していた箍が外れ、痛いくらい膨れ上がっていたモノから、びゅるびゅると大量の精を香乃果の腹や胸に一気に放出した。
あまりの気持ちよさに頭が真っ白になり、そして、出し切った後、呆然とする。
やってしまった……
挿入れる前にイクとか…カッコ悪い所の話ではない。
目の前の情欲に染まってほんのり色付いた香乃果の肢体には、俺の放った白濁が纏わりつき、なんとも艶めかしく俺の劣情煽るが、それよりも自分の犯した失態が情けな過ぎて、先程まで熱く滾っていた自身はすっかりと萎えてしまった。
「ごめん……」
俺は枕元のティッシュを取ると、あちこちに飛び散った自身の白濁を拭きとり、自己嫌悪に陥っていると、先程浮かんだ不安がまた首を擡げてくる。
これは現実?それとも俺の願望から見ている夢?
吐精した感覚、出した後の気怠さ、そして、後処理…どれを取っても今目の前で起こっている事は紛れもない現実だ。
と、言うことは……
俺は香乃果との初めてのセックスに失敗したという事。
恋焦がれて止まない香乃果と抱き合えたのに、恥ずかし過ぎて情けなくて……
香乃果は普段カナダにいておいそれと会うことも叶わないのに、これからどうやって香乃果に会ったらいいのか……合わせる顔がなかった。
そこでふと、疑問が浮かぶ。
香乃果は今カナダにいるはずだ。
まだ夏休みにもなっていないし、帰国する事は誰からも聞いていない。
それに……
第一、香乃果とはまだ和解が出来ていないから、こうなるわけがない。
じゃあ、目の前のこの香乃果は一体……
「……誰?お前、香乃果じゃ…ないだろ。」
自然と俺の口から零れた言葉に、目の前の香乃果は言う。
「ふふふ、私だよ………わっくん。」
「…っ!!!」
俺が弾かれたように身体を離しベッドから飛び降りると、ムクリと起き上がった穂乃果は、くすくすと笑って言った。
「あーあ……あと少しでわっくんと結ばれたのに、残念。でも、これでわかったでしょ?別に相手はお姉ちゃんじゃなくても大丈夫だって。」
「お、おま……どうして……」
ゾッとする程冷たい表情で言う穂乃果に、恐怖を感じて身体を震わせながら振り絞るように問いかけると、穂乃果は艶然とした笑みを浮かべて答えた。
「どうして?そんなの決まってるじゃない。今日は赤ちゃんが出来易い日だから。早く欲しいじゃない?赤ちゃん。赤ちゃん出来れば、もう離れなくて済むでしょ?」
にこりとしてそう宣う穂乃果が、俺にはもう無理だった。
怖くて気持ち悪くて、穂乃果と同じ空間に居られなくて、俺は裸のまま部屋を飛び出すと、隣の兄の部屋に飛び込んだ。
兄は飛び起き、俺の格好と表情から何かがあった事を悟り、兄は俺に布団を被せると、すぐさま部屋を出て俺の部屋に行った。
俺は恐怖とショックで兄のベッドに潜り込むと、頭から布団を被った。
何で?どうして?という言葉がぐるぐると頭の中を廻る。
それよりも、最後まではしていなかったとしても、香乃果だと思って穂乃果を抱いてしまった事の嫌悪感から、俺は自分が許せなくて何度も嘔吐いた。
暫くすると、バタバタと複数人が階段上がってくる足音が聞こえたかと思うと、俺の部屋から言い争うような大声と沙織ママの啜り泣く声が聞こえてくる。
そして小一時間程すると、再びバタバタと足音がして、やがて静かになった。
「渉……」
ドアが静かに開いたかと思うと、小声で兄が俺を呼んだ声がしたが、俺は返事をする事が出来ずこの日の俺の意識はここで途切れた。
そして、その事件のあった日から数日後、沙織ママと穂乃果が突然引越しをしたと聞いた。
急な話で吃驚すると同時に、自分でも薄情だとは思うが、これで顔を合わせないで済むとホッとしたりもした。
あんなに一緒に居たのに、正直淋しいという気持ちは湧いてこなかった。
あれから約1年半、電話やメッセージは相変わらずだが、幸いな事に穂乃果と顔を合わせる事はなかった。
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