【R18】黒猫は月を愛でる

夢乃 空大

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番外編

初めての大型連休の過ごし方 連休8日目-体力が持ちません!!!-※

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 はぁはぁと肩で荒い息をしながら、弦は蕩けるような笑みを浮かべて私を見つめた。


「名月、ありがとう。最高だった……セックスがこんなに心が満たされる行為だなんて…名月とするまで知らなかった……」

「うん…私も。」

「…加減出来なくてごめん。また沢山出しちゃった……」

「ふふふ、お腹、弦のでいっぱいで苦しいよ……」


 私がそう言うと、弦は嬉しそうに破顔し、私のお腹を愛おしげするりと撫で、甘い声で呟いた。


「…出来ないかな?子供。このまま抜かないでずっとしてたら出来るかな?」

「へ?…さ、流石に…このままずっとは……無理…」


「俺はできるよ?だって名月の事を心の底から愛しているからね。いくらでもできる。」


 ほら、そう言って弦が困ったように笑いながら、私の中にいる熱く猛る弦自身を奥にぐりっと押し込んだ。


「んぁぁっ!う、嘘、でしょ……?も、できな……」


 弦のそれは全く硬さを失わず、それどころか、私の中で更に熱量を増やして膨張しているように感じて、流石にすっと我に返る。


「げ、弦?今日は…も、無理……つ、疲れ……」

「…俺の子供、産んでくれるんでしょ?……ねぇ、このまま子供作っちゃおっか。」


 弦は砂糖菓子のように甘く蕩けるような笑みを浮かべ囁きながら、顔中にキスの雨を降らせてくる。
 思わず、弦の顔をまじまじと見つめると、未だに情欲の灯った瞳のままだ。
 背筋に冷たい物が流れる。


「う…今?なう?…じょ、冗談だよ…ね?」

「そう、今。冗談なんかじゃない。本気。名月、子作りセックスしよ?このまま明日まで抜かずに名月を抱いていたい。」


 真剣な顔で覗き込まれて、弦の本気を感じ、白目になる。

 それはいくらなんでもさかすぎだ。
 このままだと、食事もせずにずっと明日までセックスしている事になる。

 いやいや…それは困る。
 折角旅館に泊まっているのだから、美味しい食事が食べたい。それに、ここは高級旅館なのだ。絶対に食事が美味しいに決まってる。
 このまま抱き潰されて食事抜きになるのだけは避けたい。
 何としても、食事は食べたい。これだけは譲れない。

 ここは、あざといかもしれないが、可愛くお強請りをしてみよう。そうしよう。きっと聞いてくれるはず……

 そうと決まれば意を決して、上目遣いで弦の胸に擦り寄ってお願いをする。


「ん、んね、折角のお泊まり…美味しい旅館の夕食食べたい…んだけど……ダメ?」


 お願い、とぱちぱちと瞬きをして頬にキスを贈ると、弦は可愛い、と溜息を吐き、私の顔をじっと覗き込むと、ふにゃりと顔を綻ばせた。


「ふふふ、そっか。そうだよね。名月は食べるの好きなんだもんね。んーと、離れにはね、特別対応で夕食は23時までは持ってきて貰えるから…あと4時間くらいは抱き合っていられるよ。お昼沢山食べたし、食事はそれからでもいいよね?」

「へ?4…時間……も?そんな……」

「大丈夫、食事、ちゃんと食べられるよ。よかったね。これで何も問題ないよね?他には何かある?」


 にっこりと綺麗な笑顔で告げる弦に、血の気が引いていく。


「え、いや……あの…疲れたから…ちょっと休ませて貰いたいな…とか…」

「うん、わかったよ。」


 私の訴えに弦はにっこり力強く頷いたので、わかってもらえたと、ホッと胸を撫で下ろす。


「ほ、ホント?よかっ……」

「ゆっくり優しくするから、名月は休んでていいよ?」

「へ?!」


 私の言葉に被せ気味にとんでもない事を言うと、弦は先程までと違って今度は緩く腰を動かし始めた。

 わ、わかったって言ったじゃん!嘘つきー!涙

 奥に埋め込まれている先端が子宮口をトントンと軽くノックすると、途端にチカチカとするような快感が走り、私の口からは文句の変わりに甘い嬌声が零れた。


「んあぁぁっ……」

「はは、もう気持ち良くなっちゃった?早いなぁ……名月は敏感で感じ易いんだもんね。じゃあ、これからもっとじっくり気持ち良くしてあげるね。」

「そ、んなっ…あんっ……」

「名月…愛してるよ。もっともっと名月が欲しい。名月が淫らに乱れる可愛い姿を俺に、俺だけにもっと沢山見せて?」

「ひぁん…んん、それ……あふん…」


 弦は恍とした表情でそう言いながら腰を優しく揺する。
 揺すられる度に、ゾワッゾワッと背筋が粟立つような緩やかな快感が押し寄せ堪らなく気持ちが良くて、トロトロに蕩けてしまいそうになる。
 あまりの気持ち良さに思考も何もかもが蕩けて、無意識に弦に縋り付き、甘い声出てしまう。

 気持ちいいけど、そういう事ではないのだ。
 一生懸命抗議の声を上げようとするが、抗議の変わりに口から零れるのは甘えるような鼻にかかった甘ったるい声。
 これでは全く何の説得力もない。
 その私の様子に弦は嬉しそうに目を細め、顔を綻ばせた。


「ふふ、蕩けちゃって。可愛い顔……名月好きだよ。愛してる。」

「んふっ……あ、きもち……」 

「うん、俺も気持ちが良くて溶けちゃいそ。」


 トロットロな蜂蜜のように甘く蕩ける笑みを湛えた弦の顔が近付いて来たので、私は唇を開いてそれを迎えた。
 弦の柔らかな唇が私の唇全体を覆うようにキスをする。


「ふっ……あんっ、やっ……んっ…」

「あぁ……名月のナカ、温かくて、トロトロしててぬるぬる…凄く気持ちがいい。ずっと繋がってたいなぁ……」


 ゆっくり優しく揺すっているだけなのに、気持ちが良すぎて私のなかからは、とろとろと蜜が絶え間なく溢れてくる。
 私の零した蜜と弦の出した白濁が混ざり合い、白く泡立った物が接合部から溢れ、ずちゅっずちゅっと卑猥な音を奏でた。
 それが酷く淫猥で、私を更に快楽の深淵へと引き摺り込んでいった。


「あは、名月と俺の出したやつ、混ざって溢れて来ちゃったね…また沢山出さないとだ。」

「ふぁ、んっ…やぁ……」

「あぁ…気持ちいい……揺すってるだけなのに、イきそう…はぁ、また出る…くっ…」


 弦は一度腰を大きく引くと一気に奥まで腰を打ち付け、また最奥に精を放つ。


「んんんっ……熱ぅ……いぃ……」

「はぁ……またいっぱい出た。本当に名月のナカは最高だよ…挿れてるだけでイッちゃいそ…」


 そういうと、弦は恍惚な表情を浮かべてまたゆさゆさと腰を揺すった。私も気持ちが良すぎてもうどこにも力が入らない。弦にされるがままに甘い声で啼く事しか出来ない。


「はぁんっ……も、げ、んっ…」

「あぁ、名月……ねぇ、俺の事好き?」

「んっ、んっ……好き…好き…だよぅ……」

「ん、俺も好き。ね、名月、気持ちいい?」


 甘い笑みを浮かべて私の弱いところをぐりぐりと攻めたてて、耳を食みながら囁く。
 力の入らない身体にビリビリと刺激が走ると、反射のようにビクビクと身体が跳ねた。


「あぁっ…きもちい…きもちい…け、ど……も……」


 もう無理、と言う前にキスで口を塞がれ、じゅるじゅると舌を吸われ唾液を注ぎこまれる。
 それを喉を鳴らしてこくんと飲み込み、薄く目を開けると、心底幸せそうに笑んでいる弦の瞳とぶつかり、ドクンと心臓が跳ねた。
 弦が甘い声で囁き耳元で熱い吐息を吐くと、子宮がぎゅっと収縮する。


「っく……俺も気持ちいいよ。名月のなかが俺の事がもっと欲しいって締め付けてる。」

「はぁん……んも、いっ、ぱ…い……し…あわ……せ…」


 はくはくと浅い呼吸をしながら、弦を受け入れている蜜壷は、先程からイキっぱなしの状態で、弦の与える僅かな刺激すら強い快感に変えて痙攣してナカの弦を締め付けている。


「ん、俺も幸せ。もっと、もっと気持ち良くなろ?…ほら、こうしたら気持ちいいでしょ?」

「やぁぁぁぁんんんっ!!!」

「っくっ……あぁ、出る、出る……あは、止まらない……」

 そう言うと、弦は先端を子宮口にぐりぐりと押し付けた。
 途端に感電したかなのような強い快感が身体を駆け巡り、グッと弛緩する。
 同時に弦も腰をぐりぐりと押し付けながら奥に精を放つ。


「…あぁぁぁ…んも、お腹、パンパン……苦し、よ……」

「ははは、沢山出したからね。名月のココ、俺ので満たされてるね。嬉しい?」


 弦の出したもので少し膨らんだ下腹部を、愛おしそうに何度もするりするりと、撫でながら弦が訊ねる。
 私はこくこくと素直に頷くと、弦は満足そうに目を細めた。


「名月…好きだよ…愛してる……」

「ん、私も。」


 そう言って弦の唇にキスをすると、顔を綻ばせて幸せそうに破顔した。
 軽く啄む様なキスが徐々に深まり、弦の手が私の胸をやわやわと揉み始めたところで、弦の胸をぐいと押して制止する。


「んっ……本当にもう、無理。これ以上、出来ない……」

「ダメ?…だって、ほら、また元気になっちゃった……」


 弦はそう言うと、私の唇を食みながら、硬さを取り戻した弦自身を奥にぐりっと押し込んだ。


「んぅんっ……ま、また…?流石に…も、体力、もたな……」

「ごめんね。あぁ、どうしよ……いくらでもできちゃう。」

「んっ……だ、め…だめ……本当に、む、りっ……」

「本当に?…でも、名月のココは俺の事、きゅうきゅうって締め付けて離してくれないよ?」

「あんっ…そ、ん……ふっあ……」

「んね、だから……もう少し…頑張れる?これで、終わりにするからっ……あぁ、気持ちいいね…」

「…き、もち……んんっ」


 弦の甘い声が私を蕩かす。
 正直、疲れてヘロヘロで身体に力が入らないのに、困ったことに、私の身体は快楽に溺れきっていて弦の事を離そうとしない。
 心も身体も気持ちが良すぎてアイスクリームのようにどろどろに蕩けてしまいそう。
 薄れゆく意識の中で見上げると、弦は優しく甘い顔で私を見つめている。
 その幸せそうな顔に、想いが溢れて涙が滲む。


「…げ、ん……好き。」

「ん、俺も……」


 極度の疲労で意識が朦朧としていく中、弦にゆっくりじっくりと優しく揺すられて、ふわふわ夢心地で私は幸せを感じながら意識を手放した。
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