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第一章 黒猫の恋
第8話 黒猫の部屋は見覚えのあるマンション-後編-※
しおりを挟む宣言通り猫実さんは、一番触って欲しい場所には全く触れてくれなかった。
もどかしくて頭が沸騰しそうだ。
ぐしょぐしょになっている蜜口を触って欲しくて、腰が落ち着かない。
さわさわと濡れそぼった割れ目をそっとなぞったり、太ももの内側や足の付け根を舌で刺激したりはするが、付近にキスを落とすだけで決定的な場所には触れない。
それなのに私の秘部はすでにグズグズに解けきって蜜をポタポタと零している。
猫実さんは秘部に触れないように零れた蜜を舌でペロリと舐めとると、そこに熱い吐息をふっと吹きかける。それだけでお腹の奥がきゅんとなり、ビクビクと身体が跳ね奥からまたトロリと蜜が滴った。
触れそうで触れない場所への執拗な刺激に、もどかしさが募り涙が溢れた。
「はぁぁん……っもぉ…お願い…」
強請るように腰を揺らし懇願するも、さらりと流される。
「…んねっ…おね…がい…だからぁっ!」
我慢の限界で思わず猫実さんの頭を押さえつけると、猫実さんは舌での愛撫を止めて私の顔を覗き込んだ。
優しくも欲情に濡れた目で見据えられ、ドキリと心臓が跳ねた。
猫実さんはふっと薄く笑むと私の髪に指を通して梳きながら、甘く問いかけた。
「ん?なぁに?」
「…もっ……むりぃ……」
「無理?何が無理なの?」
「いやぁ……」
「ねぇ、まだ言わないの?そろそろ限界なんじゃない?」
そう言って唇で涙を掬うとそのまま顔中にキスをしながら、身体のラインに人差し指を滑らせていく。
「あんっ…」
途端にビクビクと身体が跳ねた。
猫実さんからの執拗な愛撫によってすでに蕩けきっていた身体は、ほんの些細な刺激ですらも逃すことなく、与えられる刺激に敏感に反応した。そんな私の反応を見て猫実さんはくすりと笑う。
「…言っちゃいなよ。どこを触って欲しいの?」
「…はず…かしっ…はっあ……」
「だぁめ。恥ずかしがってたら可愛がってあげられないよ?」
そう言うと、猫実さんは乳輪の周りをクルクルと指の腹で撫でた。
私はフルフルと頭を振ってもどかしさをやり過ごそうとするが、猫実さんは当然逃がしてなどくれない。
「んっ…やぁ……」
「ふぅん。強情だなぁ。で、どうする?このままでいいの?」
そんな私の反応を愉しみながらも猫実さんは相変わらず意地悪く聞く。羞恥心と狂おしい程の欲望のせめぎあいで、生理的な涙が溢れた。限界が近くてこれ以上は耐えられそうになかった。快感を求めて頭がおかしくなりそうだ。
私は答える代わりに、猫実さんを見つめいやいやと頭を振った。
猫実さんは完全に手を止め、熱っぽい目で私を眺めている。その目は私の決定的な答えを待っているようだった。
もう限界だった。私は太ももに触れていた猫実さんの手をとり、トロトロに蕩けきった秘部へ導くと、猫実さんが求めていた答えを口にする。
「お…願いっ……ここ…もっ……限界…」
「ここ?ここをどうしたらいいの?」
「…さわっ……て…ほしっ。」
猫実さんがふっと笑い、ちゅっと音を立ててキスを落とした。
「…よく出来ました。いいよ。いっぱい触ってあげるね。」
そう言うと、猫実さんは私の蜜で濡れそぼった秘部の割れ目に指を這わせ、ぷっくりと膨らんだ花芽を指でぐりっと潰す。すると、途端にそれまで塞き止められていた快感が一気に身体中を駆け巡り、弾けて火花が散る。その凄まじい快感に身体中が痙攣し背中がビクビクと震えた。
「っはぁぁぁんっ!!!」
「ふふっ…イったね。気持ちよかった?」
肩ではぁはぁと荒い息をしている私を、猫実さんは嬉しそうに目を細めて見ている。ちゅっと啄むようにキスをすると、愛液で濡れた指を私にみせつけながらペロリと舐めあげ、耳元で甘美な一言を囁いた。
「まだまだ気持ちよくしてあげる。いっぱい感じて?」
猫実さんはそういうと、2枚の花弁をかき分けくちゅりと蜜口に中指をゆっくりと埋めていった。再びゾクゾクと強い快感が押し寄せてくる。
「んぅっ…はっ…はぁぁんっ!!」
「ふふっ、トロットロだね。指一本簡単に呑み込んじゃったよ。もう一本入りそ…」
身体はすでに蕩けきっているため、私の蜜壷は猫実さんの指を難なく呑み込んでいく。
先程達したばかりの膣を二本の指でぐちぐちと掻き回され、同時に花芽もグリグリ押される。
甘い疼きと強い刺激が交互に襲い、無意識に中の指をギュッギュッと締め付けた。
「はっ、仲原さん、締め付けすぎ…きっつ…」
そう言って、猫実さんはもう一本指を埋めていく。
「ふぁぁぁっ…あっ、あっ……んもぅ……」
気持ちよさとどうしようもない切なさで頭がいっぱいになり、涙が溢れた。
気持ちがいい…でも、物足りない…奥が疼いて堪らない…
快楽ともどかしさに翻弄され私はふるふると頭を振った。
お互いの荒い息とじゅぶじゅぶという淫らな水音に、完全に思考が絡め取られ快感を追う事しか考えられなくなっていた。
「ふふっ…仲原さん…乱れまくり。そんなに気持ちいいの?」
「っうん……きもちぃ…はぁ…もっとぉ…」
「あぁ…堪らない…そろそろ俺もナカに挿りたい……ねぇ、いい?」
情欲の灯った目で見つめられ熱いキスを受ける。指ではなく、もっと太くて熱いもので奥にある疼きを刺激して欲しかった。
私もどうしようもなく猫実さんが欲しくて仕方がない。
「…うん……来て…」
私の言葉に猫実さんは勢いよく指を引き抜いた。
突如与えられていた刺激がなくなり、戸惑う膣がヒクヒクと刺激を求めて収縮を繰り返していた。お腹の奥の熱が燻り耐えきれなくて強請るように猫実さんを見つめると、猫実さんは嬉しそうに目を細めた。
額にキスを落としベッドサイドの避妊具を取り手早く装着すると、私の顔の横に手をついてのしかかってきた。
「ねぇ、名月……君のナカに挿れたい……名月が欲しい…」
「…うん。」
「ねぇ、名月は俺が欲しい?」
熱を持って硬くなった先端を私の蜜口に直接押し当て、まるで愛を乞うように猫実さんは私に問いかける。
情欲がたっぷり篭もった目が、欲しいと言ってくれ、と訴えかけていた。
「私も…猫実さんが欲しい…挿れて?」
私は、猫実さんの望む通りの言葉を告げた。
膣が疼いて仕方なかった。私の奥の奥が刺激を欲しがって収縮している。
猫実さんは私の言葉に頷くと、ゆっくりと自身の存在を知らしめるように固く聳り立つ肉棒を私の膣に埋めていった。
ゆっくりと膣壁をするように刺激しながら、熱くて硬いものが膣を埋め尽くしていく。猫実さんの肉棒が膣を進む度に快感に身体が痙攣したように震えた。
そして、ゆっくりと時間を掛けて最奥に到達した時、猫実さんは心底嬉しそうに顔を綻ばせて笑み崩れた。
「…んっ……全部挿った。ほら、わかる?名月と俺が繋がってるよ。」
するりと子宮の当たりを猫実さんが撫でると、中と外を同時に刺激され背筋にゾクゾクと快感が走り、反射的に肉棒をキュッと締め付けた。猫実さんは、私の仰け反った背中に腕を差し入れ抱きしめると、ゆっくりと抽挿を開始した。
「はぁぁん…っ……」
「っあぁ…名月…君のナカ……凄く温かくて気持ちいいな…」
「んっ、あんっ…あっ…あっ…」
「ねぇ……名月も気持ちいい?」
猫実さんは、私の様子を見ながら少しずつ腰の動きを早めていった。甘い声で『名月』と呼ばれ熱い肉棒に膣壁を擦られ捏ね回される度に、快感に身体がビクビクと跳ね、蜜壷が猫実さんのモノをぎゅうぎゅうと締めつけた。
強すぎる快感に頭がクラクラして、嬌声を上げて喘ぐ事しか出来なかった。
キスして欲しくて、猫実さんの頭を抱え引き寄せると、ふわふわした猫毛が気持ちがいい。その感覚を味わうように、私は猫実さんの髪をくしゃくしゃとかき混ぜ、夢中で猫実さんの唇を求めた。
「あぁ……堪らないよ。名月…名月っ……」
それに、猫実さんは酷く興奮したようで、私の名前を呼びながら夢中で激しく腰をうちつける。
二人の荒い息とパンパンという肌と肌を打ち付ける音、私の甘ったるい嬌声が絶え間なく部屋中に響いていた。
もっともっと気持ち良くなりたい。気持ち良すぎて堪らない。
「はっ…あっあっ…猫っざ…ねっ……さぁんっ…」
もっと気持ち良くして欲しくて、私も猫実さんを求めて名前を呼ぶと、猫実さんは激しく腰を打ち付けながら私に言った。
「弦…だよ…名月…弦って呼んで…」
「んっ、げ…んっ……あっ…弦っ…きもちぃ…んっ」
言われた通り弦と呼ぶと、猫実さんは驚いたように瞠目し、ピタッと、腰の動きが止まった。
「ふぇ…なんっ……で……」
見上げた猫実さんの顔は何故か耳まで真っ赤だった。
「えっ……名月…今なんて…?もう一回言って?」
「えっと…気持ちいい?」
「…うん、そっちもいいけど、そっちじゃなくて…」
「あっ…げ、ん?弦…」
名前を呼んだだけ、ただそれだけの事で、猫実さんはとても嬉しそうに破顔した。
そして、再び激しい抽挿を再開する。その猫実さんは何故か泣きそうな顔だった。その表情に胸がきゅうっと締め付けられ、無性に抱きしめたくなった私は、自ら猫実さんの唇を求め、彼の首に腕を回して身体を密着させた。
それに応えてか、猫実さんは激しく舌を絡めながら腰の動きを速めていく。限界が近いのか猫実さんの息がどんどん荒くなる。耳元に熱い吐息がかかり、膣壁が激しく収縮し子宮の奥の熱が高まる。私もそろそろ限界が近かった。
「あぁぁぁ……っ」
「はっ…も、無理……名月…そろそろイキそう…」
「げ…弦っ…私もっ…も、イキそ…あぅんっ……」
私のナカの肉棒は更に熱く膨張し、猫実さんの腰の動きは速く激しくなる。私は猫実さんの抽挿のリズムに合わせ、しがみ付いているだけで精一杯だった。
「うんっ…うん、名月……一緒にイこうっ!…あぁ、出るっ!」
「弦っ…わた、しもっ!あんんんっ……!!!」
言葉と共に腰が強く押しつけられると、肉棒が一段と膨れ上がり、私の奥で爆ぜた。膜越しに熱い精を注がれた事を感じ、私の膣が強く収縮を繰り返す。
猫実さんは最後の一滴まで絞り出すように何度も腰を押し付け、そして肉棒を埋めたまま私を抱きしめるとそのままリネンに沈んだ。
静かな部屋に暫くふたりの荒い息が響いていた。
少しして落ち着くと、猫実さんは私の額にキスを落とし、未だ情欲が燻ったままの目で私を見詰めて言った。
「名月……今度は忘れないで…俺に抱かれたことも…いい?」
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