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八章
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今日紹介する新作の確認をするため、配信する部屋に移動する。
広い会議室の机と椅子を隅に移動してスペースを作っていた。
「紹介する順番に並べている。
実際に着て紹介するから、バタバタするけど頑張ってね。」
深見さんがサクサクと説明をしていく。
隅に寄せた机と椅子の前にフィッティングルーム(セール会場によくある移動できるタイプのものだ)が二つ並んで置いていた。
私と湯浅さん、高橋さんの3人で着替えて着用姿を見てもらうらしい。
「一人が説明している間に他の二人が着替える。」
「一人で画面の前に立つんですか?」
緊張で震えそう…と思っていたけど、
「いや、俺がずっと説明役で一緒に立ってるよ。」
と微笑む。
一緒に出てくれるんだ…よかった…。
それからコーデの説明と、誰がどのコーデを着るかを決めて一旦休憩になった。
隅に寄せている椅子を出してきて、みんなでお茶を飲んでいると
「いろんなブランドのライブ配信を見てたんだけど…。」
と深見さんが切り出した。
「スタッフにあだ名をつけてるブランドがあったんだ。
これ、よくない?」
「へえ!いいですね、それ!
お客様に親しみを感じてもらえそうだし、お店にも気軽に通ってもらえそう!」
高橋さんが絶賛して即決になった。
「湯浅さんは下の名前なんだっけ?」
「志帆でーす。」
シホかー、しーちゃん?でも大人っぽい雰囲気には合わないか…と色々悩んで
「シホでいいか。」
「なんか最終投げやりになりませんでしたか?」
湯浅さんがジトーっと深見さんを睨む。
「そんなことないよ!2文字の名前を無理にいじる必要はないと思ったんだよ!」
言い訳になってない気がするけど、湯浅さんがそれ以上つっこまなかったので黙っておいた。
「相原さんは…」
「池鶴です。」
ちづるちゃんかー、とまた悩み出して
「チーとか?
画面にローマ字表記するから“chii”になって可愛くない?」
確かに…カタカナで書くと幼いけど、ローマ字にすると可愛い。
「私たちはチーちゃんって呼ぶ?」
高橋さんもチーという音を気に入ったみたいだ。
「女同士はちゃん付けで深見さんはシホ、チーって呼ぶ?」
「上司っぽくていいかも!」
「じゃあ、そうするよ。」
「深見さんと高橋さんは…?」
本社の二人は苗字の方が「本社の人」「店舗スタッフ」とわかりやすくていいかも?
ということで本社組は普通に苗字にさん付けで呼ぶことになった。
深見さん以外初めて会った人たちなのに、凄く話しやすくて楽しい!
この人たちとなら配信も安心して挑めそう!
「じゃあ一つ目のコーデに着替えて、ちょっと練習しようか。」
私はスタッフコーデで着たシースルーシャツのコーデをそのまま着る。
湯浅さんがメッシュワンピのコーデ、高橋さんはリネンシャツのコーデに決まった。
「まずは俺と高橋さんの挨拶で始めて、そのまま高橋さんのコーデ説明に入る。」
今年のリネンはかなり上質な麻を使っているらしく、ブランド一押しなんだそうだ。
ちょっと説明が難しいだろうということで、本社組が担当してくれることになった。
「それから羽織りコーデ繋がりで相原さんのシースルーシャツのコーデを紹介する。」
ここで高橋さんと入れ替わって、簡単に自己紹介する。
「自分でも『chiiです。』と言ってね。」
「はい!」
じゃあ登場からやってみよう、と言って高橋さんと入れ替わるところから練習が始まった。
それから湯浅さんの練習をして、本番まであと10分という時間に…さすがに緊張してくる。
「ちゃんと笑顔で話せていたから大丈夫だよ。」
私の緊張に気づいたのか、深見さんが声をかけてくれる。
「ありがとうございます!頑張ります!」
広い会議室の机と椅子を隅に移動してスペースを作っていた。
「紹介する順番に並べている。
実際に着て紹介するから、バタバタするけど頑張ってね。」
深見さんがサクサクと説明をしていく。
隅に寄せた机と椅子の前にフィッティングルーム(セール会場によくある移動できるタイプのものだ)が二つ並んで置いていた。
私と湯浅さん、高橋さんの3人で着替えて着用姿を見てもらうらしい。
「一人が説明している間に他の二人が着替える。」
「一人で画面の前に立つんですか?」
緊張で震えそう…と思っていたけど、
「いや、俺がずっと説明役で一緒に立ってるよ。」
と微笑む。
一緒に出てくれるんだ…よかった…。
それからコーデの説明と、誰がどのコーデを着るかを決めて一旦休憩になった。
隅に寄せている椅子を出してきて、みんなでお茶を飲んでいると
「いろんなブランドのライブ配信を見てたんだけど…。」
と深見さんが切り出した。
「スタッフにあだ名をつけてるブランドがあったんだ。
これ、よくない?」
「へえ!いいですね、それ!
お客様に親しみを感じてもらえそうだし、お店にも気軽に通ってもらえそう!」
高橋さんが絶賛して即決になった。
「湯浅さんは下の名前なんだっけ?」
「志帆でーす。」
シホかー、しーちゃん?でも大人っぽい雰囲気には合わないか…と色々悩んで
「シホでいいか。」
「なんか最終投げやりになりませんでしたか?」
湯浅さんがジトーっと深見さんを睨む。
「そんなことないよ!2文字の名前を無理にいじる必要はないと思ったんだよ!」
言い訳になってない気がするけど、湯浅さんがそれ以上つっこまなかったので黙っておいた。
「相原さんは…」
「池鶴です。」
ちづるちゃんかー、とまた悩み出して
「チーとか?
画面にローマ字表記するから“chii”になって可愛くない?」
確かに…カタカナで書くと幼いけど、ローマ字にすると可愛い。
「私たちはチーちゃんって呼ぶ?」
高橋さんもチーという音を気に入ったみたいだ。
「女同士はちゃん付けで深見さんはシホ、チーって呼ぶ?」
「上司っぽくていいかも!」
「じゃあ、そうするよ。」
「深見さんと高橋さんは…?」
本社の二人は苗字の方が「本社の人」「店舗スタッフ」とわかりやすくていいかも?
ということで本社組は普通に苗字にさん付けで呼ぶことになった。
深見さん以外初めて会った人たちなのに、凄く話しやすくて楽しい!
この人たちとなら配信も安心して挑めそう!
「じゃあ一つ目のコーデに着替えて、ちょっと練習しようか。」
私はスタッフコーデで着たシースルーシャツのコーデをそのまま着る。
湯浅さんがメッシュワンピのコーデ、高橋さんはリネンシャツのコーデに決まった。
「まずは俺と高橋さんの挨拶で始めて、そのまま高橋さんのコーデ説明に入る。」
今年のリネンはかなり上質な麻を使っているらしく、ブランド一押しなんだそうだ。
ちょっと説明が難しいだろうということで、本社組が担当してくれることになった。
「それから羽織りコーデ繋がりで相原さんのシースルーシャツのコーデを紹介する。」
ここで高橋さんと入れ替わって、簡単に自己紹介する。
「自分でも『chiiです。』と言ってね。」
「はい!」
じゃあ登場からやってみよう、と言って高橋さんと入れ替わるところから練習が始まった。
それから湯浅さんの練習をして、本番まであと10分という時間に…さすがに緊張してくる。
「ちゃんと笑顔で話せていたから大丈夫だよ。」
私の緊張に気づいたのか、深見さんが声をかけてくれる。
「ありがとうございます!頑張ります!」
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