65 / 128
六章:視界
抜擢!
しおりを挟む
この週末を乗り越えたら刈谷さんが復帰する。
彰の疲労もピークじゃないかな?
負担にならないように動かなきゃ!
(こんなに仕事は真面目にできるなら、恋愛も真面目にすればいいのに…と思ってしまうが、まあそれはもう今更だから流しておこう。)
「おはよう!」
「あ、瑠偉くんおはよう!」
今日はお昼まで瑠偉くんと二人だから、その間にコーデのことと神社のこと聞かなきゃ!
一緒に掃除をしながらタイミングを伺う。
「瑠偉くん、今回のコーデどうしたの?」
モップで床を拭きながら近くを通ったフリをして話しかけると、ミラーを拭いていた手を止めて顔だけこちらを向けた。
「コーデね、言ってたサマーニットとオーバーオールのコーデとグラフィックTにサイドラインのチノの2コーデにしたよ。」
グラフィックのにしたんだ!それ悩んでロゴTにしたんだよね。
被らなくて良かった!
「っていうか、聞いたよ?ファン1号!」
「ええ!1号ってわけでは…でも反応があるって嬉しいよね。」
ここで開店の時間になってしまった。
お店の入り口に並んで立つ。
「あの…前に言ってた神社は行った?」
小声で話しかける。
「もちろん、カフェのあと神社にも行ったよ。
でも今回も猫には会えなかったよ。」
悲しそうな声で呟かれると胸が痛む…。
「でも…気のせいかもしれないけど、鳴き声が聞こえた気がするんだ。」
「え、そうなんだ!?」
でも姿を見ないと意味ないのかも…といつになく気弱になってる。
そんなに深刻なお願いだったのかな?
「そんなことないよ!きっと神様は聞いてくれてるよ!」
「…そうだね、ありがとう。」
といつもの笑顔に戻った。
やっぱり安易に人の願い事を聞こうなんてしたらダメだったな。
オープン直後から入店が多く、二人で店内を走り回っているうちにお昼になっていた。
遅番の店長と彰が一緒に出勤してきて、店長が私と瑠偉くんを準備に呼び止めた。
二人の休憩が終わってから伝えることがあるという…なんだろう?
刈谷さんのことかな?
そう思いながら先に休憩に入った。
いつもなら30分遅れで瑠偉くんも休憩に入るのに、忙しいのか今日は一人で休憩時間を終えた。
お店に戻るとやっぱりみんな走り回っていて、私もすぐ店頭に戻る。
結局夕方になってやっと店長の話を聞く時間が取れた。
瑠偉くんと3人でレジカウンターに集まる。
「実はね…スタッフコーデの反響が大きくて、次はSNSで新商品の紹介をするライブ配信をやろうという企画があってるの。」
と言っても配信は決定していて、あとは出演する人を誰にするか?という協議中らしい。
「そこでサイトに掲載されたスタッフの中で、特にビュアー数が多いスタッフを本社に集めて配信しようという方向で話が決まりそうなのよ。」
「へえ!」
本社に集まってライブ配信!そういえば最近たまに見かけるなあ。
「それでね、初めての掲載で相原さんと打海くんのビュアー数が凄く多いらしいの!
つまり二人とも、ライブ配信に呼んでもらえそうよ!」
「ええーーー!」
瑠偉くんと声を合わせて驚いた。
す…すごい展開…。
瑠偉くんはオシャレだし、男性スタッフも少ないから抜擢されるのわかるけど…。
私なんて彰と店長が見立ててくれたおかげなのに。
ライブ配信だと二人に相談もできないし、大丈夫だろうか?
「もちろん二人同日には行かせてあげられないから、一人ずつの出演にはなるけどね。」
まあ二人とも人見知りしないし、大丈夫でしょ?と、あっさり言われる。
いや、人見知りはしないけど!
「はい!頑張ります!」といつも通り即答する瑠偉くん。
「また詳しく決まったら改めて伝えるわね。」
と話が終わってしまった…。
彰の疲労もピークじゃないかな?
負担にならないように動かなきゃ!
(こんなに仕事は真面目にできるなら、恋愛も真面目にすればいいのに…と思ってしまうが、まあそれはもう今更だから流しておこう。)
「おはよう!」
「あ、瑠偉くんおはよう!」
今日はお昼まで瑠偉くんと二人だから、その間にコーデのことと神社のこと聞かなきゃ!
一緒に掃除をしながらタイミングを伺う。
「瑠偉くん、今回のコーデどうしたの?」
モップで床を拭きながら近くを通ったフリをして話しかけると、ミラーを拭いていた手を止めて顔だけこちらを向けた。
「コーデね、言ってたサマーニットとオーバーオールのコーデとグラフィックTにサイドラインのチノの2コーデにしたよ。」
グラフィックのにしたんだ!それ悩んでロゴTにしたんだよね。
被らなくて良かった!
「っていうか、聞いたよ?ファン1号!」
「ええ!1号ってわけでは…でも反応があるって嬉しいよね。」
ここで開店の時間になってしまった。
お店の入り口に並んで立つ。
「あの…前に言ってた神社は行った?」
小声で話しかける。
「もちろん、カフェのあと神社にも行ったよ。
でも今回も猫には会えなかったよ。」
悲しそうな声で呟かれると胸が痛む…。
「でも…気のせいかもしれないけど、鳴き声が聞こえた気がするんだ。」
「え、そうなんだ!?」
でも姿を見ないと意味ないのかも…といつになく気弱になってる。
そんなに深刻なお願いだったのかな?
「そんなことないよ!きっと神様は聞いてくれてるよ!」
「…そうだね、ありがとう。」
といつもの笑顔に戻った。
やっぱり安易に人の願い事を聞こうなんてしたらダメだったな。
オープン直後から入店が多く、二人で店内を走り回っているうちにお昼になっていた。
遅番の店長と彰が一緒に出勤してきて、店長が私と瑠偉くんを準備に呼び止めた。
二人の休憩が終わってから伝えることがあるという…なんだろう?
刈谷さんのことかな?
そう思いながら先に休憩に入った。
いつもなら30分遅れで瑠偉くんも休憩に入るのに、忙しいのか今日は一人で休憩時間を終えた。
お店に戻るとやっぱりみんな走り回っていて、私もすぐ店頭に戻る。
結局夕方になってやっと店長の話を聞く時間が取れた。
瑠偉くんと3人でレジカウンターに集まる。
「実はね…スタッフコーデの反響が大きくて、次はSNSで新商品の紹介をするライブ配信をやろうという企画があってるの。」
と言っても配信は決定していて、あとは出演する人を誰にするか?という協議中らしい。
「そこでサイトに掲載されたスタッフの中で、特にビュアー数が多いスタッフを本社に集めて配信しようという方向で話が決まりそうなのよ。」
「へえ!」
本社に集まってライブ配信!そういえば最近たまに見かけるなあ。
「それでね、初めての掲載で相原さんと打海くんのビュアー数が凄く多いらしいの!
つまり二人とも、ライブ配信に呼んでもらえそうよ!」
「ええーーー!」
瑠偉くんと声を合わせて驚いた。
す…すごい展開…。
瑠偉くんはオシャレだし、男性スタッフも少ないから抜擢されるのわかるけど…。
私なんて彰と店長が見立ててくれたおかげなのに。
ライブ配信だと二人に相談もできないし、大丈夫だろうか?
「もちろん二人同日には行かせてあげられないから、一人ずつの出演にはなるけどね。」
まあ二人とも人見知りしないし、大丈夫でしょ?と、あっさり言われる。
いや、人見知りはしないけど!
「はい!頑張ります!」といつも通り即答する瑠偉くん。
「また詳しく決まったら改めて伝えるわね。」
と話が終わってしまった…。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
瞬間、青く燃ゆ
葛城騰成
ライト文芸
ストーカーに刺殺され、最愛の彼女である相場夏南(あいばかなん)を失った春野律(はるのりつ)は、彼女の死を境に、他人の感情が顔の周りに色となって見える病、色視症(しきししょう)を患ってしまう。
時が経ち、夏南の一周忌を二ヶ月後に控えた4月がやって来た。高校三年生に進級した春野の元に、一年生である市川麻友(いちかわまゆ)が訪ねてきた。色視症により、他人の顔が見えないことを悩んでいた春野は、市川の顔が見えることに衝撃を受ける。
どうして? どうして彼女だけ見えるんだ?
狼狽する春野に畳み掛けるように、市川がストーカーの被害に遭っていることを告げる。
春野は、夏南を守れなかったという罪の意識と、市川の顔が見える理由を知りたいという思いから、彼女と関わることを決意する。
やがて、ストーカーの顔色が黒へと至った時、全ての真実が顔を覗かせる。
第5回ライト文芸大賞 青春賞 受賞作
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
フリー台本と短編小説置き場
きなこ
ライト文芸
自作のフリー台本を思いつきで綴って行こうと思います。
短編小説としても楽しんで頂けたらと思います。
ご使用の際は、作品のどこかに"リンク"か、"作者きなこ"と入れていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる