上 下
63 / 128
六章:視界

神社に行ってみよう!

しおりを挟む
「おはようございます。」


「うむ、おはよう。」


今日は朝ごはんを食べてから神様と一緒に野間神社に行くことになった。


昨夜ノートを書きながらまた話が脱線。


(そういえば神社とお寺の話、途中だったなと思い出して…つい。)


それで今日が休みだから一緒に行って、正しい参拝の仕方を教えてもらうことになったんだ。



いつも通りテレビで天気予報を見ながら朝ごはんを食べる。



「夕方頃から雨が降るかもですね…。」



帰りが遅くなる予定ではないけど、念のため折り畳み傘を持っておくか。


食器を片付けてささっとメイクを済ませる。


うっすら曇ってはいるけど、湿気のせいか蒸し暑い。


雨で服が濡れても嫌だし…思ってしまったハーフパンツを選んだら…


「おぬし、神社参拝にそんな脚を出すのか?」


「え、服装って決まりがあったんですか!?」


スーツとか着なきゃいけなかったの!?


「正式参拝ではないからそこまでキッチリしなくてもよいが、それでも露出はダメじゃ。

せめて膝が隠れる服に着替えるが良い。」


そうか…服装から決まりがあったのか。


早速勉強になった!


じゃあ手堅くワンピースにしよう。


神様も一瞬で着替えて家を出た。


今日の神様はワークシャツとワイドパンツのセットアップにバケットハットのスタイルだ。


今日もバッチリ街中で目立っている。


「郁人さん、周りの目線って気にならないんですか?」


「んー、神は注目されるもんじゃからの。慣れておるわ。」


なるほど…まあ、人間の目には映ってないんだけど。



野間神社に着いて鳥居をくぐろうとした瞬間、引き止められた。


「神社に入る時には一礼をするんじゃ。」


へえ!初詣の時にお辞儀して鳥居をくぐったことないし、してる人を見たこともない!


「初詣は普段参拝せぬ者も多く来るからの。」


ちなみに瑠偉くんはちゃんとお辞儀をして入ってきたそうだ。


さすが、県外まで行くだけある。


神様と一緒にお辞儀をして鳥居をくぐる。


まず手水舎で手を洗うんだよね?


「手順はわかるか?」


「はい!左手、右手、口の順ですよね!」


うむ、よろしい。と頷いてから


「もっと丁寧なのは口をつけた左手をもう一度洗ってから、最後に柄杓の柄をつたうように水を流すんじゃ。」


おお…それも初耳だ!


そして本殿に向かおうとした時にまた止められた。


「これ、参道の真ん中を歩くでない。端によるんじゃ。」


「…はい!」



参道の真ん中は「神様が通る」と決まっているから、空けておかないといけないらしい。


「ワシはここの神じゃから真ん中を歩くがの。」


と自慢げに真ん中を歩く。


神社参拝って、こんなに細かなルールがあったの!?

神社に着いてから驚きの連続だ。


「よし、いよいよ祈願じゃ。

世話人に教えてもらったの?覚えておるか?」


「はい!」


今度こそ正解できる!


「ニ回お辞儀して二回拍手してからお願いするんですよね!」


「その前に賽銭を入れるんじゃ。」


おっと!そうでした!


「…ちなみにお賽銭っていくらがいいんですか?」


「いくらでも良いぞ。」


いつも1円なんだけど、神様の前だからなあ…。


そういえば語呂合わせでよく「ご縁がある」と言って5円入れるっていう人がいたことを思い出した。


よし、5円にしよう!


チャリンとお賽銭を入れて鐘を鳴らす。


二回お辞儀、二回拍手をして胸の前で手を合わす。


住所氏名を言ってからお願いだったよね。


今回のお願いはどうしよう?


(自分の本当の願いに気付いて叶えられますように。)


一回お辞儀をして神様の方を見た。


「うむ。おぬしの願いが叶うよう、これからも手助けしてやるぞ!」


と言ってニヤッと笑った。


そうだ!神様には聞こえているんだった!


違うこと言えばよかったー!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...