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六章:視界
レッスン2じゃ
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“自分褒めリスト”は引き続き宿題ということになって、今夜はこれから毎日書く「感じたこと記録」の授業をするという。
「何について感じたことですか?」
「なんでも良いぞ。例えば今日一番印象に残っておる出来事とかの。」
つまり日記ってこと?
日記なんて中学生以来かも。
「日記+感想というイメージじゃな。」
出来事+その出来事に対して感じたこと
ということらしい。
「日記を書くとなると“ネタ”が必要になるの?
そうすると“ネタ探し”をするようになって、些細な出来事にも敏感になれる。」
「はあ…。」
また間抜けな顔しおって…と呆れながら話を続けた。
「更にその出来事に対して“どう感じたか”まで書くとなると、感情の動きにも敏感になれるんじゃ。」
それを書き続けることによって、自分の思考グセに気付けるようになるらしい。
「思考グセに気づけるようになると、勘違いしておることとか考え方が変わるとか色んな気付きをもたらしてくれるぞ。」
おぬしのように毎日ボヤッと生きとる人間にピッタリの方法じゃ。と付け加えられた。
ぼ、ボヤッて!してたけど!
「例えば今日一番印象に残っておる出来事はなんじゃ?」
今日は…やっぱりスタッフコーデ第二弾かな?
「今回は自分で考えたコーデに一発OK貰えたんです!
入店が増えてきたから撮影は明日なんですけど。」
「一発OKを貰えてどうじゃった?」
OKが貰えて…素直に嬉しかった。けど、それだけじゃダメなのかな?
「というかずっと思っておったんじゃが、どうして自分の考えたコーデで採用されねばならんのじゃ?」
「え…それは…なんかオシャレって認められた気がするから…。」
「オシャレと認められるためには、スタッフコーデで採用されるしかないのか?
スタッフコーデの目的はなんじゃ?」
目的…?目的は…
「サイトを見てくれたお客様にサイズ感やコーデの参考にしてもらうためです。」
「では採用されたらどんなメリットがあるんじゃ?
例えば自分の評価が上がって給料が増えるとか?」
「いえ、それはないです。
ただ店舗名を載せてくれるので、もしかしたら集客に繋がるかも?というところで店長や彰も気合いが入っているんです。」
「うむ…ではその目的に対して“自分が考えたコーデを採用される”ということにこだわる必要はあるのか?」
え…それは…。
「…ない…です…。」
んん?なんか…
「なんか私…変なこだわり持ってました?」
「どうかの。それを考えてノートに書くんじゃ。」
うーん…。
『コーデに一発OK貰えて喜んでいたけど、そもそもなんで自分が考えたコーデにこだわっていたんだろう?
お客様やお店のためにやっていることなのに、自分のこだわりって必要?
そんなこだわり、いらないかも?』
とまで書いたところで神様が次の行を指さして、
「もう一つワシからの質問じゃ。
店長や彰からコーデのアドバイスをされたときに、どう感じたのか?
アドバイスされたコーデが採用されて、どう感じたか?」
『店長や彰にコーデをアドバイスされた時は新たな発見もあって(柄物が似合うとか)楽しかった。
でもアドバイスされたコーデが採用されたのは、悔しかった。
なんか自分のコーデにダメ出しをされたみたいで。』
隣で神様がうんうんと頷きながら見守っている。
「じゃが、自分のコーデにこだわる必要はないと気づいたの?」
「はい、お客様やお店のためにやっていることなので。」
大事なのは商品の良さを伝えることと、近くにお住まいの方が実際にお店に足を運んでくれること。
「では、これからはどうじゃ?例えば明日またアドバイスをされたら、どう思う?」
明日は店長に撮影してもらうことになる。
彰はOKくれたけど、店長はまた違う意見かもしれない。
「大事なのはやっぱり採用されてお店の宣伝になることなので、少しでも採用される確率を上げるためにむしろ相談したいです!」
やっぱり店長はオシャレだし「ブランドらしいコーデ」も熟知しているから、すごく勉強になるんだよね。
「なんか変な意地張ってたんだなって気づけました!」
明日の撮影が楽しみになってきた!
「何について感じたことですか?」
「なんでも良いぞ。例えば今日一番印象に残っておる出来事とかの。」
つまり日記ってこと?
日記なんて中学生以来かも。
「日記+感想というイメージじゃな。」
出来事+その出来事に対して感じたこと
ということらしい。
「日記を書くとなると“ネタ”が必要になるの?
そうすると“ネタ探し”をするようになって、些細な出来事にも敏感になれる。」
「はあ…。」
また間抜けな顔しおって…と呆れながら話を続けた。
「更にその出来事に対して“どう感じたか”まで書くとなると、感情の動きにも敏感になれるんじゃ。」
それを書き続けることによって、自分の思考グセに気付けるようになるらしい。
「思考グセに気づけるようになると、勘違いしておることとか考え方が変わるとか色んな気付きをもたらしてくれるぞ。」
おぬしのように毎日ボヤッと生きとる人間にピッタリの方法じゃ。と付け加えられた。
ぼ、ボヤッて!してたけど!
「例えば今日一番印象に残っておる出来事はなんじゃ?」
今日は…やっぱりスタッフコーデ第二弾かな?
「今回は自分で考えたコーデに一発OK貰えたんです!
入店が増えてきたから撮影は明日なんですけど。」
「一発OKを貰えてどうじゃった?」
OKが貰えて…素直に嬉しかった。けど、それだけじゃダメなのかな?
「というかずっと思っておったんじゃが、どうして自分の考えたコーデで採用されねばならんのじゃ?」
「え…それは…なんかオシャレって認められた気がするから…。」
「オシャレと認められるためには、スタッフコーデで採用されるしかないのか?
スタッフコーデの目的はなんじゃ?」
目的…?目的は…
「サイトを見てくれたお客様にサイズ感やコーデの参考にしてもらうためです。」
「では採用されたらどんなメリットがあるんじゃ?
例えば自分の評価が上がって給料が増えるとか?」
「いえ、それはないです。
ただ店舗名を載せてくれるので、もしかしたら集客に繋がるかも?というところで店長や彰も気合いが入っているんです。」
「うむ…ではその目的に対して“自分が考えたコーデを採用される”ということにこだわる必要はあるのか?」
え…それは…。
「…ない…です…。」
んん?なんか…
「なんか私…変なこだわり持ってました?」
「どうかの。それを考えてノートに書くんじゃ。」
うーん…。
『コーデに一発OK貰えて喜んでいたけど、そもそもなんで自分が考えたコーデにこだわっていたんだろう?
お客様やお店のためにやっていることなのに、自分のこだわりって必要?
そんなこだわり、いらないかも?』
とまで書いたところで神様が次の行を指さして、
「もう一つワシからの質問じゃ。
店長や彰からコーデのアドバイスをされたときに、どう感じたのか?
アドバイスされたコーデが採用されて、どう感じたか?」
『店長や彰にコーデをアドバイスされた時は新たな発見もあって(柄物が似合うとか)楽しかった。
でもアドバイスされたコーデが採用されたのは、悔しかった。
なんか自分のコーデにダメ出しをされたみたいで。』
隣で神様がうんうんと頷きながら見守っている。
「じゃが、自分のコーデにこだわる必要はないと気づいたの?」
「はい、お客様やお店のためにやっていることなので。」
大事なのは商品の良さを伝えることと、近くにお住まいの方が実際にお店に足を運んでくれること。
「では、これからはどうじゃ?例えば明日またアドバイスをされたら、どう思う?」
明日は店長に撮影してもらうことになる。
彰はOKくれたけど、店長はまた違う意見かもしれない。
「大事なのはやっぱり採用されてお店の宣伝になることなので、少しでも採用される確率を上げるためにむしろ相談したいです!」
やっぱり店長はオシャレだし「ブランドらしいコーデ」も熟知しているから、すごく勉強になるんだよね。
「なんか変な意地張ってたんだなって気づけました!」
明日の撮影が楽しみになってきた!
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喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
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〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
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