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五章:強化合宿

意外な趣味

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もともと週末は4人の日もあるから、刈谷さんの出勤がなくなっても特に問題はなかった。


と言っても私はシフト変更もないから全く影響はないんだけど。


せめて店長と彰の負担を増やさないようにしないと!


小さくガッツポーズをしてミセス世代のお客様に声をかけた。


「来週京都に行くんだけど…そろそろ梅雨入りしそうよね?それで服装に悩んでて。」


京都!観光地で人気だよね?


「今回はちょっと山の方に行く予定もあるから、もし雨だったら冷えるかしら?」


「そうですね…山の方は特にお天気が変わりやすいと言いますし…。」


デニムにスニーカーで行かれるとのことだったので、半袖のカットソーに薄手のブルゾンをオススメした。


「ブルゾンは着ない間は小さく畳んでおけるのでジャマにならないと思います。

例えば観光中は暑くても、お食事の時とか室内に入るとクーラーがきいて寒いと思うので温度調節に持たれてると便利ですよ。」



カットソーは似たものをお持ちということでブルゾンを購入してくれた。


お見送りをしながら


京都かあ…行ったことないなあ…。

神様は飛んで行けたりするのかな?


なんて考えてしまった。


今まで神社なんて興味なかったのに、神様に出会ってからやたら鳥居が目につく。


意外にも通勤途中にもあったんだ。


そこで店長から声がかかって休憩に入った。


私と30分遅れで瑠偉くんも休憩に来て、向かいの席に座る。


「さっき接客したお客様、京都に行かれるんだって。

旅行とか久しく行ってないなあ…。」


京都じゃなくてもいいから、どこか出掛けたい!

でも友達と都合が合いにくくて行きにくくなったんだよね。


一人旅は寂しいし…。


「京都かーいいなあ。俺も久しぶりに行きたいなあ。」


ソーセージパンを頬張りながら呟く。


「瑠偉くん、京都行ったことあるの?」



「うん、実は神社仏閣巡りが趣味なんだ。

京都はメッカだもんねー。

あと、奈良も行ったよ。」



それ初耳なんですけど!?


「ちなみに仏閣って?」


「お寺のことだよ。え、池鶴ちゃん興味あるの?」



えー猫神様のこと知ってるか聞きたいけど…自分からは言えないし、どうしよう!?


「いや…今までは興味なかったんだけど、この前初めて行った街でちょっと迷子になってしまってね…。

偶然神社を見つけて休憩してたら、そこの管理人さんに会って話してる内に興味が湧いてきたの。」


いい歳して迷子は恥ずかしいんだけど、つい流れで言ってしまった…けど瑠偉くんはそこよりやっぱり神社に興味を示した。


「どこの神社だろう?大きいところ?」


「ううん、住宅街にある小さな神社。管理人さんも常にいるんじゃなくて通ってるみたいだったよ。」



野間神社って言うんだけどね…と言ったところで瑠偉くんの目が輝きだした。


「え!猫神様で有名な!?」


「知ってるの!?」


あんなに小さな神社なのに、そんな有名なんだ?


「結構前に話題になって知ってるよ…その神社で猫に会うと願いが叶うって。

実は一度行ったことがあるんだ。」


その時は猫に会えなかったらしい。


「まあ、猫に会えるのはかなり確率が低いらしいからね。

また日を改めて行こうと思いながら行けてなかったな!」


神社に野良猫が住み着かないと神様は降りてこれないもんね。

最近は捨て猫とか厳しいし、余計に会うのは難しいかも。


「猫に会えたらお願いすること決まってるの?」


「それは秘密!」


と即答された…そう言われると余計に気になるんですけど!?

でも今はサブになるために頑張ってるから、そういう願いかな?


神様がいなくても叶いそうだけど。


「その神社に行く途中にあるカフェがすごく素敵なんだ!

また行く機会があったらカフェにも行ってみて。」


財布に入れっぱなしにしていたショップカードを渡す。


「ありがとう、早速次の休みに行ってくるよ!」


次の休み!やっぱり行動早い!


「瑠偉くんって昔から行動早かったの?」


「そうだね、じっとしていられない落ち着きのない子だったよ。

好奇心も旺盛だったしね。」


好奇心旺盛か…だからチャレンジャーなのかな?


「なんか想像できるかも…。」と言うと「よく言われる」と笑った。


そこで私の休憩時間が終わってしまった。


神社のこともっと話したかったなあ!

また機会があれば聞いてみようっと。
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