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四章:はじめの一歩
結婚願望?店長カウンセリング再び!
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「店長、おはようございます。」
入り口のネットを外しているところに店長が出勤してきた。
むむ!これは隙あらばまた相談できるんじゃ??
「おはよう、昨日神屋くんから画像貰ったわ。」
「そうなんですね!コーデどうでしたか?」
店長にもやっぱり柄ボトムのバージョンがいいと言われた。
実は昨日、彰も瑠偉くんも柄の方が映えると口を揃えて言っていたんだ。
そうかなー?私はカラーボトムの方が好みなんだけどなあ…。
「自分の好みより、ブランドらしさが重要よ。
今季、ブランドは柄物を推してくるわ。」
カラーボトムはもう数年出ているし、そういう意味でも柄物が新鮮でいいと思うと言われて納得した。
「今日はあのTシャツワンピ着るのよね?また時間が作れる時に声かけるわね。」
「はい、お願いします。」
そこで二人で掃除を始めた。
ミラーを磨く店長をチラチラと伺う。
「あのぅ…店長ってもともと結婚願望ってあったんですか?」
勇気を出して聞いてみた。
「はあ?なに突然?」
「いや…今の私の歳で結婚されたって言ってたのを聞いて、私もちょっと興味が湧いてきたというか…。」
もう次の相手が見つかったのかと聞かれたが、全力で否定した。
「でも、結婚を考えられる人と付き合えたらな…と思ってるんです。
正直、神屋さんは理想の彼氏ではあったんですけど結婚までは全く考えてなかったですし。」
そもそも結婚もなにも“今が楽しければいい”って思っていて、そこまで深く考えようとすらしてなかったし。
「まあ…神屋くんも結婚願望はなさそうだしねえ。」
「やっぱりそうなんですか?」
そうとしか見えないでしょう?と言われて頷くしかなかった。
新人が入る度に乗り換えてるんだもん、結婚するはずないよね。
まあ私の場合は“お互い様”だったんだけど。
「私は…そうね、絶対結婚したい!と思ってたわけではないわ。」
「え、じゃあ結婚の決め手は本当に周りの女の子への対策だったんですか?」
「それも一部ではあるけど、それが全てではないわよ。
そうね…お互い無理せずに一緖にいられる存在って気づいたから?
もし変な噂を立てられなくても、旦那さんとは結婚したんじゃないかしら…。」
無理せず一緒に…。
「相原さんは結婚にどんなイメージとか、どんな関係を築きたいとかあるの?」
「えー…っと…。」
どんなイメージ…どんな関係?
「まだ興味を持ち始めたばかりだから、パッとは出てこないかしらね?」
と肩をすくめて
「まあ私は結婚にあまり夢を見ていなかったから、参考にはならないかもしれないわね。
でも…そうね…結婚しても譲れないものとかはせめてハッキリさせておいた方がいいと思うわ。」
そうか、店長は仕事を続けることと一人の時間が絶対に必要って言ってたよね。
そういう希望から考えると答えが出てきやすいかなあ?
そこで開店の音楽が鳴った。
掃除道具を片付けて入り口に並んで立つ。
通り過ぎるお客様にお辞儀をしたあと小声で話しかける。
「店長の旦那さんって年上ですか?」
「そうよ。」
そうかーやっぱり年上かー。
「やっぱり年上の方が頼りやすいんですかね?」
それは絶対に人によるわよ!と苦笑いをして、
「でもね、“結婚=幸せ”でもないこともわかっておいた方がいいわ。
そういうことも含めて、もう一度結婚について考えてみるといいんじゃない?」
うむ…ちょっと考えるべきことがわかってきたかも。
神様の頷き方がうつってることにも気づかず、思い切って店長に話を聞いてみたことに満足した朝だった。
入り口のネットを外しているところに店長が出勤してきた。
むむ!これは隙あらばまた相談できるんじゃ??
「おはよう、昨日神屋くんから画像貰ったわ。」
「そうなんですね!コーデどうでしたか?」
店長にもやっぱり柄ボトムのバージョンがいいと言われた。
実は昨日、彰も瑠偉くんも柄の方が映えると口を揃えて言っていたんだ。
そうかなー?私はカラーボトムの方が好みなんだけどなあ…。
「自分の好みより、ブランドらしさが重要よ。
今季、ブランドは柄物を推してくるわ。」
カラーボトムはもう数年出ているし、そういう意味でも柄物が新鮮でいいと思うと言われて納得した。
「今日はあのTシャツワンピ着るのよね?また時間が作れる時に声かけるわね。」
「はい、お願いします。」
そこで二人で掃除を始めた。
ミラーを磨く店長をチラチラと伺う。
「あのぅ…店長ってもともと結婚願望ってあったんですか?」
勇気を出して聞いてみた。
「はあ?なに突然?」
「いや…今の私の歳で結婚されたって言ってたのを聞いて、私もちょっと興味が湧いてきたというか…。」
もう次の相手が見つかったのかと聞かれたが、全力で否定した。
「でも、結婚を考えられる人と付き合えたらな…と思ってるんです。
正直、神屋さんは理想の彼氏ではあったんですけど結婚までは全く考えてなかったですし。」
そもそも結婚もなにも“今が楽しければいい”って思っていて、そこまで深く考えようとすらしてなかったし。
「まあ…神屋くんも結婚願望はなさそうだしねえ。」
「やっぱりそうなんですか?」
そうとしか見えないでしょう?と言われて頷くしかなかった。
新人が入る度に乗り換えてるんだもん、結婚するはずないよね。
まあ私の場合は“お互い様”だったんだけど。
「私は…そうね、絶対結婚したい!と思ってたわけではないわ。」
「え、じゃあ結婚の決め手は本当に周りの女の子への対策だったんですか?」
「それも一部ではあるけど、それが全てではないわよ。
そうね…お互い無理せずに一緖にいられる存在って気づいたから?
もし変な噂を立てられなくても、旦那さんとは結婚したんじゃないかしら…。」
無理せず一緒に…。
「相原さんは結婚にどんなイメージとか、どんな関係を築きたいとかあるの?」
「えー…っと…。」
どんなイメージ…どんな関係?
「まだ興味を持ち始めたばかりだから、パッとは出てこないかしらね?」
と肩をすくめて
「まあ私は結婚にあまり夢を見ていなかったから、参考にはならないかもしれないわね。
でも…そうね…結婚しても譲れないものとかはせめてハッキリさせておいた方がいいと思うわ。」
そうか、店長は仕事を続けることと一人の時間が絶対に必要って言ってたよね。
そういう希望から考えると答えが出てきやすいかなあ?
そこで開店の音楽が鳴った。
掃除道具を片付けて入り口に並んで立つ。
通り過ぎるお客様にお辞儀をしたあと小声で話しかける。
「店長の旦那さんって年上ですか?」
「そうよ。」
そうかーやっぱり年上かー。
「やっぱり年上の方が頼りやすいんですかね?」
それは絶対に人によるわよ!と苦笑いをして、
「でもね、“結婚=幸せ”でもないこともわかっておいた方がいいわ。
そういうことも含めて、もう一度結婚について考えてみるといいんじゃない?」
うむ…ちょっと考えるべきことがわかってきたかも。
神様の頷き方がうつってることにも気づかず、思い切って店長に話を聞いてみたことに満足した朝だった。
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