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四章:はじめの一歩

チャレンジ!

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遅番の二人が出勤して、先に瑠偉くんが一人で店頭に出てきた。


彰はバックルームで店長と話をしているそうだ。


5分ほどで店長と彰が店頭に出てきた。


「じゃあ相原さんは休憩に入って。」


「え、あの…さっきのお話は…?」


それは後で説明するわ。と言って店長は店頭に出てしまった。


すぐに説明してくれるのかと思ってたけど…。


「行ってきます。」


この時間はまだ食堂も混まなくてすぐ席を確保できる。


窓際の席に座って「いただきます」と手を合わせた。


なんかクセになってきたな。


唐揚げを食べながらぼんやり考える。



モデルか…。


店長の方がスタイルがいいのに…もしくは刈谷さんも小柄だけど細くて可愛いと思うんだけど…。


私がボヤいたから抜擢してくれたのかな?


全国の人に見られるって、しかも店舗名も名前も出るなんて…。


なんか…アンチコメントとかきたらどうしよう!?


ブスとかデブとか言われたらどうしよう!?


いやまだ掲載されると決まってないけど!


あー、いつでも神様と話ができればいいのに…。



「…………………。」


神様に言っても、止めることはしなさそうだな。

「おぬしはどうしたいんじゃ?」と聞かれるだけだろう。


私はどうしたい?



…実はずっと憧れてた。


私自身スタッフコーデのページは必ずチェックしているし、こんな可愛くてオシャレなスタッフさんが店頭に立ってるんだって思うだけで何故かワクワクした。


雑誌の読者モデルよりももっと身近な存在。


自分もそんな存在になれるなら…なりたいな…。


(うん、やってみよう!)



決心がついたところで休憩時間が終わった。


夕方頃、少し入店が落ち着いたところで店長に呼ばれた。


瑠偉くんも一緒に。



「相原さんには朝少し話したんだけど、オンラインサイトにスタッフコーデのページを作ることになったの。

それで各店舗1、2名モデルを決めるんだけど…。

うちの店舗からは相原さんと打海くんにモデルをやってもらおうと思ってるの。」


彰が出勤した時、少し話をしていたのはこのことだったらしい。


店長の提案に彰は快諾して、後は私たちの気持ちだけ。


「男の子のスタッフがいない店舗も多いから、特に打海くんは掲載される可能性が高いわよ!
相原さんも一緒に頑張りましょう。」


店長の気合いを見る限り…やっぱり入店とかにも影響が出るんだろうか?


「どう?」と聞かれてちょっと決心が鈍りそうになったけど、瑠偉くんが即答で


「やります!頑張ります!」

と言ったので、つられて私も「やります!」と言ってしまった。


「ありがとう。

品番は週明けすぐお知らせが来るから、それから一緒にコーデを考えましょう。」


瑠偉くんは、全く迷わないんだな…。


私はウジウジ悩んでしまうのに。


きっとサブになる話も即答したんだろうな…そんな大きな決断、私なら数日悩んでしまうか即答するなら断る時だな。


そんな私がたった半日で決断したのは結構凄い方なんだけど。


神様に連日、質問責めされてるからかな?

即答を求められることはないけど、なんというか…答えを自分で導けるようになったと思う。


………………。


自分がサイトに載るかもしれない…。


いや、決めた以上載りたい!


瑠偉くんと小声で「頑張ろうね!」と言い合って店舗に戻った。


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