猫神様のお気に召すまま

結香こっこ

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二章:神様?

泥棒?幽霊?神様!?

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教わった通りに歩いて行くと…


「あ、ここに出るんだ!」


カフェのあと立ち寄った雑貨屋さんの角に出た。


思っていたほど遠くには行ってなかったんだな。


せっかくなので悩んで買うのをやめたバタフライピーとレモングラスのハーブティーを買いに再び立ち寄る。


このお店雰囲気も好きだなあ…。
カフェに雑貨屋さんに神社、初めて来た街に三つもお気に入りの場所ができた。


雑貨屋さんを出て駅に向かって歩き出す。



まだ夕方だけど、真っ直ぐ家に帰ることにした。

家の最寄り駅に向かう電車の中でLINEをする。


[今日は素敵なカフェ教えてくれてありがとう。すごく気に入ったよ!
今度は一緒にいこうね♪]


2、3分ほどで返信が来た。まだ勤務中のはず…ということは、またデスクの下で打ってるな。


[気に入ってもらえてよかった!
でも、1人で行くなんて珍しいね?]


[いや、それがフラれちゃったんだよね。ていうか、まだ仕事中じゃないの?スマホ触って大丈夫?]


[暇だから大丈夫!課長が近付いてきたらスマホ引き出しに隠すし(笑)

そんなことよりフラれたってどういうこと!?あのめっちゃイケメンの先輩!?
いつ!?]

[そうそう、イケメンの先輩。職場の新人と付き合い始めたって言って月曜日にフラれたの。]

[何それーー!ちょっと詳しく聞かせなさいよ!次の休みいつ!?
私の仕事のあとにご飯行こ!]


次の休みは月曜日だけど彼女の方に予定があったから、更に次の休みを確認して知らせる。と送ってスマホをバッグにしまった。

ちょうど、最寄り駅だ。



家に着いてすぐお湯を沸かす。


その間に部屋着に着替えながら、神社で会ったおばあちゃんの話を思い出していた。


招き猫は色によっても意味が変わるって言ってたな…調べてみよう。


ちょうどお湯が沸いたので、早速買ったハーブティーを淹れた。

お湯がどんどんブルーに染まっていく…見た目は涼しげでサッパリしてそうだけど、実は甘めなのだ。


クッションに座ってゆっくり一口飲んでから、スマホで検索する。


「白は来福招福、黒が厄除け、赤が無病息災…へえ…本当に色んな招き猫があるんだな。」


ピンクが恋愛、金色が金運…


「うむ、色んな子がおって楽しいの。」


そうだね、こんなに種類があるなん………て?




……え?今、誰と喋った…の…?


ゆっくり振り返ると、見知らぬ男の人が後ろからスマホを覗き込んで微笑んでいた。


……は?



「え……ど……どろ……」

泥棒!?どこから入ったの!?玄関も窓も鍵がかかってるのに!(そもそもここ5階!)

頭がパニックで上手く喋れない。


「いやいや泥棒ではない。よく見なされ。」


よく見る?よく見る?

よく見ると…白い着物を着ている!ということは…


「ゆ……ゆ……ゆう……」


幽霊!?

私、幽霊と喋ってるの!?霊感なんてないはずなんだけど!?

恐怖で涙が溢れてくる。


「まあまあ。幽霊でもないから安心せい。

目を見てわからぬか?」


と、パニックな私と対照的に至って穏やかに話す。


目…?目…


「…オッドアイ…?」


オッドアイの知り合いなんていない!


「はあ…やれやれ。もう忘れたか。

ワシじゃ。」


と言ってシュルシュルシュル…と小さくなったと思ったら…


「あ!昼間の!」


神社で会った野良猫!


「え…じゃあ…本当に猫神様だったってこと!?」
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