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二章:神様?
野良猫
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鳥居をくぐってベンチに座ったけど…
「やっぱり先に手を合わせた方がいいよね…?」
神社で休憩するのも何かの縁かもしれない。お願い事したら叶うかな?
鈴を鳴らして手を合わせる。
願い事…えー…っと…
(末長く幸せにお付き合いできる男性と出会いますように…)
って、結婚か!
いやもう24だから結婚を考えてもいい頃だけど!
…改めて願い事と思うと結構悩むもんだなあ。
そう思いながら何気に建物の中を覗いてみると…
「招き猫…?」
右側の壁に3段ほどの棚があって、招き猫がズラッと並べられている。
よく見ると棚の上の窓際にも。
大小様々な大きさで、よく見る白から黒や金色までいろんな招き猫が所狭しと並べられていた。
商売繁盛を願う神社なんだろうか?
じゃあ恋愛のお願いしても意味なかったかも?
ベンチに座って、家から持ってきたタンブラーに入った水を一気に半分くらい飲んでホッ…っと一つため息をつく。
少し氷も入れておいて正解だったな…火照った身体に冷たい水が行き渡るかのように、体温がスッと引いて行くのがわかった。
神社なんて初詣の時くらいしか行かないから、何でもない日に来るのって変なかんじ。
意味もなくキョロキョロ見渡していたら、背後からカサカサっと音がした。
一瞬ビクッとなって恐る恐る振り返ると…
「わあ!可愛い!」
白い短毛の猫が現れた。
猫の方に向き直ってしゃがんでみると「ニャァオ」と鳴いて擦り寄って来る。
人懐っこいけど首輪をしてないから、飼い猫というわけではなさそうだ。
抱きかかえながら「ノラかい?」と話しかけるとまた「ニャァオ」と鳴いた。
すぐに喉をグルグル鳴らしはじめて、頭を擦り付けてくる。
可愛い!!!
「ちょっとお顔見せて…?」と覗き込んでみると…
「あ…君、オッドアイなんだね?」
右目が金色で、左目が明るいブルーだ。
「綺麗な目!」
オッドアイの猫って初めて見た!
頭や背中を撫でて戯れていると、今度は人の声が聞こえてきた。
「おや、珍しい。」
また一瞬ビクッとして振り返ると、小柄のおばあちゃんがニコニコして立っていた。
右手に箒、左手にバケツを持って。
管理人さん…?
「参拝客なんて久しぶりに見たわ。初めて見る方ね?」
「あ、はい!この当たりは初めて来ました!
実は道に迷って…たまたまこの神社に辿り着いたんです。」
そうだったの。とニコニコしたまま頷いて
「あら!猫!
あなた猫に会ったのね!」
「え、はい。ベンチに座ってたら後ろの木陰から出てきたんです…この子に会うと何かあるんですか?」
するとおばあちゃんは少し驚いた顔をして、本当に何も知らずに迷い込んだのねぇ…と言って語り始めた。
「この神社で猫に遭遇すると、願いが叶うって昔…と言っても十数年前だけど。
全国に噂が広まって参拝客が押し寄せたことがあったのよ。」
「やっぱり先に手を合わせた方がいいよね…?」
神社で休憩するのも何かの縁かもしれない。お願い事したら叶うかな?
鈴を鳴らして手を合わせる。
願い事…えー…っと…
(末長く幸せにお付き合いできる男性と出会いますように…)
って、結婚か!
いやもう24だから結婚を考えてもいい頃だけど!
…改めて願い事と思うと結構悩むもんだなあ。
そう思いながら何気に建物の中を覗いてみると…
「招き猫…?」
右側の壁に3段ほどの棚があって、招き猫がズラッと並べられている。
よく見ると棚の上の窓際にも。
大小様々な大きさで、よく見る白から黒や金色までいろんな招き猫が所狭しと並べられていた。
商売繁盛を願う神社なんだろうか?
じゃあ恋愛のお願いしても意味なかったかも?
ベンチに座って、家から持ってきたタンブラーに入った水を一気に半分くらい飲んでホッ…っと一つため息をつく。
少し氷も入れておいて正解だったな…火照った身体に冷たい水が行き渡るかのように、体温がスッと引いて行くのがわかった。
神社なんて初詣の時くらいしか行かないから、何でもない日に来るのって変なかんじ。
意味もなくキョロキョロ見渡していたら、背後からカサカサっと音がした。
一瞬ビクッとなって恐る恐る振り返ると…
「わあ!可愛い!」
白い短毛の猫が現れた。
猫の方に向き直ってしゃがんでみると「ニャァオ」と鳴いて擦り寄って来る。
人懐っこいけど首輪をしてないから、飼い猫というわけではなさそうだ。
抱きかかえながら「ノラかい?」と話しかけるとまた「ニャァオ」と鳴いた。
すぐに喉をグルグル鳴らしはじめて、頭を擦り付けてくる。
可愛い!!!
「ちょっとお顔見せて…?」と覗き込んでみると…
「あ…君、オッドアイなんだね?」
右目が金色で、左目が明るいブルーだ。
「綺麗な目!」
オッドアイの猫って初めて見た!
頭や背中を撫でて戯れていると、今度は人の声が聞こえてきた。
「おや、珍しい。」
また一瞬ビクッとして振り返ると、小柄のおばあちゃんがニコニコして立っていた。
右手に箒、左手にバケツを持って。
管理人さん…?
「参拝客なんて久しぶりに見たわ。初めて見る方ね?」
「あ、はい!この当たりは初めて来ました!
実は道に迷って…たまたまこの神社に辿り着いたんです。」
そうだったの。とニコニコしたまま頷いて
「あら!猫!
あなた猫に会ったのね!」
「え、はい。ベンチに座ってたら後ろの木陰から出てきたんです…この子に会うと何かあるんですか?」
するとおばあちゃんは少し驚いた顔をして、本当に何も知らずに迷い込んだのねぇ…と言って語り始めた。
「この神社で猫に遭遇すると、願いが叶うって昔…と言っても十数年前だけど。
全国に噂が広まって参拝客が押し寄せたことがあったのよ。」
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