御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜

第十二章

ハッピーウエディング⑤

　仁は皆が注目する中、教会に向かってゆっくり歩き出す。教会の扉から仁が祭壇の前まで進む。

　仁が前に立ち振り返る。

　ヴァージンロードの先には、ウエディングドレスを着た美しい真琴の姿。隣には、花田社長。

　　この場に居合わせた者は、真琴の美しさに魅入る。

　真琴が花田社長と一歩一歩と仁に向かって歩いていく。

　仁は、真琴と出会った日からを振り返り、真琴を見つめる。

　長かった片想い。名前を知った喜び、同じ日に親を亡くした哀しみ、再会からの猛アピール、そして真琴の中に宿る愛の結晶。

　哀しい出来事もあったが、それ以上の喜びを知り、支え合ってふたりは夫婦となる。

「仁、月野さんと幸せになれよ」

　花田社長より託される愛する人。幸せにしろよではなく、あえて幸せになれよの言葉。深い思いが伝わってくる。

「はい。必ず」

　自信に満ちた顔で宣言する。

　そして、真琴を託される。

　祭壇には神父様。

　ふたりは、大勢の人の前で永遠の愛を誓いあう。

　美男美女の誓いのキスは、見惚れるほどに美しい。教会の窓からはドバイの美しい海が輝く。

　　ふたりが手と手を取り、教会を出ると盛大な拍手がわき起こる。

　真っ青な空と輝く海。

　おとぎ話の主人公の王子と姫のようだ。

　たくさんの人に見守られ、グランドオープンと結婚式を無事に終える事が出来た。

　『城之内ドバイリゾート&スパ』のグランドオープンは、結婚式を含めて世界各国で報道された。

　マスコミの効果は絶大で、宿泊はもちろんだが結婚式の予約が次々と埋まっていく。オープン直後から、結婚式は一年以上先まで予約が取れなくなってしまった。

　そして、更には真琴が着ていたドレスが注目される。妊娠６ヶ月に入っているが、まだあまりお腹の目立たない真琴は、妊婦用ではなく普通のドレスを着ていた。

　それは、仁がこだわってオーダーしたものだ。

　ドバイで結婚式を上げるカップルはセレブばかりだ。JJ様の真似をする新郎がたくさん現れたのも大きな話題となった。