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第九章
全力の愛④
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「わかってる。空港に直接向かうから大丈夫だ」
「遅れないで下さいよ」
「わかってる」
「月野さん、私の名刺を渡しておきますので、何かあったら遠慮なく連絡下さい。くれぐれも、無理したり我慢したりしないように」
春樹の言っている意味が本当の意味では理解できていない真琴。
「はい。ありがとうございます」
名刺を真琴に渡し帰っていった。
「真琴、邪魔者はいなくなった」
今まで我慢していたのか、情熱的に真琴を抱きしめる。そして、先程よりも熱い大人のキスをする。
真琴が自分の手の中にいる嬉しさを噛みしめる仁と、自分に訪れた信じられない出来事と仁の熱い想いをダイレクトに受け入れ戸惑いながらも内側から温かい気持ちが溢れる真琴の長い長いキス。
「真琴、もう我慢出来ない……。長年想い続けた君を抱いてから、またこんなにすぐに会えると思ってなかったから、我慢を覚悟していたんだが、今俺の腕の中にいる。今度は、真琴もしっかり俺を感じてくれ」
ストレートな仁の言葉と真剣な思いに自然に頷く真琴。
「じゃあ行こう」
「えっ、どこに?」
「この前の部屋。酔ってない真琴とやり直したい」
仁は手を引き、社長室を出た。受付には誰もいない。春樹が帰らせたのだろう。
「こっち」
「えっ?」
真琴が乗ってきたエレベーターが並んでいる場所の奥に扉があった。カードを翳し扉を開けるとそこにもエレベーターが一基。
「ここと地下駐車場の直通エレベーターだ。俺と春樹くらいしか使わない」
これだけの大きなオフィスビルに、城之内の社長だけが使うエレベーター。凄いとしか言いようがない。
エレベーターで地下に降りると、社用車や車通勤の役職者の車が並ぶ。その中に、シャッターがついた駐車スペースが……。
今度はリモコンでシャッターを開けた中には、誰もが知る高級外車が一台止まっていた。
仁が助手席の扉を開け真琴をエスコートする。
「ありがとうございます」緊張の面持ちで乗り込んだ。
仁が運転席に乗り込み、自ら運転する。
エンジンが掛かっているのかすらわからないくらい静かな車内。小さな音で、クラッシックが流れている。お互い無言の中、静かに走る。そして、十分程でホテルのエントランスに到着した。
外から開けられる扉。
「城之内様、おかえりなさいませ」
「ああ。車をお願いします」と鍵を渡す。
真琴の腰に手を回しエスコートする仁。その美男美女カップルの姿に、居合わせた人達は見惚れる。真琴は沢山の視線を浴び戸惑いしかない。
視線は、専用エレベーターに乗り込むまで続き居心地が悪いが、慣れるしかないのだろう。
「遅れないで下さいよ」
「わかってる」
「月野さん、私の名刺を渡しておきますので、何かあったら遠慮なく連絡下さい。くれぐれも、無理したり我慢したりしないように」
春樹の言っている意味が本当の意味では理解できていない真琴。
「はい。ありがとうございます」
名刺を真琴に渡し帰っていった。
「真琴、邪魔者はいなくなった」
今まで我慢していたのか、情熱的に真琴を抱きしめる。そして、先程よりも熱い大人のキスをする。
真琴が自分の手の中にいる嬉しさを噛みしめる仁と、自分に訪れた信じられない出来事と仁の熱い想いをダイレクトに受け入れ戸惑いながらも内側から温かい気持ちが溢れる真琴の長い長いキス。
「真琴、もう我慢出来ない……。長年想い続けた君を抱いてから、またこんなにすぐに会えると思ってなかったから、我慢を覚悟していたんだが、今俺の腕の中にいる。今度は、真琴もしっかり俺を感じてくれ」
ストレートな仁の言葉と真剣な思いに自然に頷く真琴。
「じゃあ行こう」
「えっ、どこに?」
「この前の部屋。酔ってない真琴とやり直したい」
仁は手を引き、社長室を出た。受付には誰もいない。春樹が帰らせたのだろう。
「こっち」
「えっ?」
真琴が乗ってきたエレベーターが並んでいる場所の奥に扉があった。カードを翳し扉を開けるとそこにもエレベーターが一基。
「ここと地下駐車場の直通エレベーターだ。俺と春樹くらいしか使わない」
これだけの大きなオフィスビルに、城之内の社長だけが使うエレベーター。凄いとしか言いようがない。
エレベーターで地下に降りると、社用車や車通勤の役職者の車が並ぶ。その中に、シャッターがついた駐車スペースが……。
今度はリモコンでシャッターを開けた中には、誰もが知る高級外車が一台止まっていた。
仁が助手席の扉を開け真琴をエスコートする。
「ありがとうございます」緊張の面持ちで乗り込んだ。
仁が運転席に乗り込み、自ら運転する。
エンジンが掛かっているのかすらわからないくらい静かな車内。小さな音で、クラッシックが流れている。お互い無言の中、静かに走る。そして、十分程でホテルのエントランスに到着した。
外から開けられる扉。
「城之内様、おかえりなさいませ」
「ああ。車をお願いします」と鍵を渡す。
真琴の腰に手を回しエスコートする仁。その美男美女カップルの姿に、居合わせた人達は見惚れる。真琴は沢山の視線を浴び戸惑いしかない。
視線は、専用エレベーターに乗り込むまで続き居心地が悪いが、慣れるしかないのだろう。
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