御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜

せいとも

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第八章

再会は突然に③

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 受付に行くと、受付横に置かれている応接セットのソファーに踏ん反り返って座る金髪の女性がいた。個性的な服装に気の強そうな性格だと察する。

「お待たせして申し訳ないね」

 英語だが、のんびりした口調で専務が声を掛ける。

「あなたは?」
「ああ。城之内不動産の木下です」と名刺を渡した。
「そう。あなた、偉い人?」

 目上の人に対する態度からも、全く常識がない。

 若い時に運良く注目され有名になったレイチェルは、常識を知る前にチヤホヤされこの態度になったのだろう。

 年数を重ね、この態度を注意してくれる人もおらず、今になって常識のなさと代わり映えしないデザインに、誰もが見捨てたのだと想像出来る。

「どうでしょう。私ではあなたをどうする事も出来ないのは事実です」
「ふん。なら、JJ様を連れてきてよ」
「JJ様?」

 真琴は思わず聞き慣れない言葉を聞き、口に出してしまう。

「あら?あなたJJ様を知らないの?ん?あなた……」
「えっ?」
「どこかで見たような」
「初めましてですが……」

 微妙な空気が流れる。

「そう。まあいいわ。それより、取引停止された事に納得がいかないわ」
「そうは言いましても、城之内グループの判断ですから」
「だから、JJ様を連れてきなさいよ」
「城之内社長は、ドバイだと思いますよ?こちらでは把握しておりません」
「秘書に連絡を入れたけど、断られたからここに来たんじゃない」
「弊社社長の花田は明日戻ると言っておりますので、明日夕方にでも出直していただけますか?」

 始終木下専務ののんびりした口調に、強く言えないレイチェル。

「いいわ。あなたじゃ話にならないから、明日出直すわ」と言い捨て帰っていった。
「あの~」
「月野さんどうした?」
「JJ様って誰の事ですか?」
「エエッ!?知らないの!?」

 ここで、受付で話が聞こえていた宮本が反応してしまう。

「おやっ、月野さんは聞いたことないかい?」
「はあ……」
「そうかそうか。そのうちわかると思うよ」

 なぜか専務からは教えてもらえなかった――




 
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