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第九章
初デート⁇⑤
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「次は、誘うね」
ドキドキする気持ちを隠し、平静を装い誘いの言葉をかけた。
「うん。ぜひ」
返事からも無理をしているようには見えない。勝手に憧れ遠い存在に感じていたが、瑞希は変わらず幼馴染みのみーくんなのだと再認識する。
「部活はどう?大変?」
「そうだね。いつも市の大会では上位に行くから、練習は厳しいよ。でもすごくやりがいがある」
「強いんだね。決勝戦に残ったら応援しに行っていい?」
「もちろん歓迎だけど、まだレギュラーでずっと出られるわけじゃないから、レギュラーになれたら誘うよ」
「頑張って。楽しみにしてる」
瑞希が自然と話をしやすい雰囲気を作ってくれ、普段から交換ノートでお互いの話をしていることもあり、久しぶりに会ったとは思えないほど、会話が弾む。
「由奈ちゃんも部活頑張ってるんでしょう?楽しい?」
「うん。ピアノも好きだったけど、クラリネットが楽しくて」
「ピアノ……。習っていたころが懐かしいね。クラリネットは難しくないの?」
「初めて吹いた時、変な音が出て笑っちゃった」
「面白そうだね」
「瑞希くんはピアノ弾いてないの?」
「家にあるピアノを時々弾いてる……。でも下手くそだよ」
「瑞希くんが三人の中で一番上手だったよ。いつか聞きたいな」
「そんなこと言ってくれるのは由奈ちゃんだけだよ。いつか聞かせられるように練習しとくよ。今のままじゃ恥ずかしい」
瑞希が今でもピアノを弾いていることに嬉しくなる。ピアノの前に座っただけで絵になるだろうと想像してニヤけてしまいそうだ。
「同級生達は元気?」
「う~ん。みんな元気だけど、中学校に入学した途端色々変わった気がする」
交換ノートに、悪口とかではなく近況として由奈が書いている話を読んでいる瑞希は察している。
「小学校の時からいろんな子がいたからな。それでも、小学校は平和だったな」
「確かに、平和って言葉が一番しっくりくるかも」
「今が平和じゃないと言っているわけじゃないけど、一部には小学校の時から一気に変わってしまった子がいるんだよね?」
「うん……」
ドキドキする気持ちを隠し、平静を装い誘いの言葉をかけた。
「うん。ぜひ」
返事からも無理をしているようには見えない。勝手に憧れ遠い存在に感じていたが、瑞希は変わらず幼馴染みのみーくんなのだと再認識する。
「部活はどう?大変?」
「そうだね。いつも市の大会では上位に行くから、練習は厳しいよ。でもすごくやりがいがある」
「強いんだね。決勝戦に残ったら応援しに行っていい?」
「もちろん歓迎だけど、まだレギュラーでずっと出られるわけじゃないから、レギュラーになれたら誘うよ」
「頑張って。楽しみにしてる」
瑞希が自然と話をしやすい雰囲気を作ってくれ、普段から交換ノートでお互いの話をしていることもあり、久しぶりに会ったとは思えないほど、会話が弾む。
「由奈ちゃんも部活頑張ってるんでしょう?楽しい?」
「うん。ピアノも好きだったけど、クラリネットが楽しくて」
「ピアノ……。習っていたころが懐かしいね。クラリネットは難しくないの?」
「初めて吹いた時、変な音が出て笑っちゃった」
「面白そうだね」
「瑞希くんはピアノ弾いてないの?」
「家にあるピアノを時々弾いてる……。でも下手くそだよ」
「瑞希くんが三人の中で一番上手だったよ。いつか聞きたいな」
「そんなこと言ってくれるのは由奈ちゃんだけだよ。いつか聞かせられるように練習しとくよ。今のままじゃ恥ずかしい」
瑞希が今でもピアノを弾いていることに嬉しくなる。ピアノの前に座っただけで絵になるだろうと想像してニヤけてしまいそうだ。
「同級生達は元気?」
「う~ん。みんな元気だけど、中学校に入学した途端色々変わった気がする」
交換ノートに、悪口とかではなく近況として由奈が書いている話を読んでいる瑞希は察している。
「小学校の時からいろんな子がいたからな。それでも、小学校は平和だったな」
「確かに、平和って言葉が一番しっくりくるかも」
「今が平和じゃないと言っているわけじゃないけど、一部には小学校の時から一気に変わってしまった子がいるんだよね?」
「うん……」
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