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第六章

初めてのテスト①

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 中学に入学してから目まぐるしい毎日。

 入学したころはスマホで悩んでいたが、グループのメッセージが途絶えたことで、由奈と朱里は平和に過ごしている。吹奏楽部に入部したことも正解だった。

 絵理香達は、学年でも目立つ存在になっていて、同級生や上級生とも揉めごとを起こしている。先生に呼び出されている姿をよく目にする。

 小学校の時は大人しいイメージだった子も、卒業式の日から絵理香と繋がり、今では絵理香達のグループの一員となっていて心配だ。

 瑞希の助言がなければ、由奈自身も断れずにずるずると離れられなかったかもしれない。

 間もなく、中学校に入学して初めてのテスト。

 テスト一週間前になると部活が制限される。公式試合直前など、特別な理由がない限り活動はできない。

「ゆーちゃん、帰ろう」
「うん」

 部活があってもなくても、由奈と朱里は一緒に下校している。

「勉強どう?」
「朱里ちゃんは?」
「英語がヤバイ」
「私も……」
「ゆーちゃん、一緒に勉強しない?」
「うん、いいよ。図書館に行く?」
「そうだね」
 
 一度帰って制服を脱ぎ、私服に着替えて図書館で待ち合わせをした。地元の大きな図書館は、本を読めるスペースもたくさんあるが、学生が勉強をできるようにテーブルや椅子が置かれた区切られたスペースもたくさんあるのだ。

「初めて来たけど、集中できそう」
「お姉ちゃんも時々来てるみたい。静かだし、わからないことがあったらすぐに調べられていいんだって」
「確かに」

 小声で話しながらスペースを確保して、早速課題から取りかかる。

 由奈達の学校は、定期テストの結果も大事だが、テスト期間に出されるテスト範囲の課題の提出も評価に大きく響く。先生からも言われたが、姉から絶対に提出物だけは遅れずに出すことと言われている。

 しかも、一年生の一学期は本来ならある中間テストがなく、期末に全教科を一学期分受けるのだ。

 算数が数学になり、小学生でも少し習っていた英語が本格的になる。

 日々の授業だけでは、理解しきれていない問題も課題をしながら復習していく。

 姉も中学一年生から塾に行っているし、周りも行き始めている。



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