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第三章

入学式①

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 いよいよ中学校の入学式の日を迎えた。

 私立に進学した瑞希は、すでに入学式が数日前に終わっている。瑞希の母から由奈の母に、瑞希の制服姿の写真が送られてきた。もちろん、母から由奈のスマホに送ってもらい保存済みだ。

 紺のブレザーを着た瑞希は、凛々しくイケメンだ。学校が別になったが、瑞希の進学先が男子校だということが唯一の救いだ。

 そして、由奈も新品の制服を着る。まだ少し身長が伸びているから、少し大きめだ。

 中三の姉も、生徒会役員をしているので入学式に出席する。姉の制服姿を見慣れているが、由奈が着ると着られている感が半端ない。母と姉に笑われたが、初めて着るのだからしょうがない。

 学校に着くと門には『御入学おめでとうございます』と看板が出ている。その前には、見慣れた顔ぶれの友人たちが、見慣れない制服姿で写真を撮っている。制服が似合っていないのは自分だけではないのだと安心する。

「ゆーちゃん!」
「あっ朱里ちゃん」
「クラス分け見た?」
「ううん。今来たところ」

 今日はお互い母と来るため待ち合わせをしていなかった。

「あそこで、クラス分けの表配ってるの」
「朱里ちゃんもう見たの?」
「うん。ゆーちゃんも早くもらっておいで」
「えっ、教えてくれないの?」
「いいからいいから」

 朱里ちゃんにテンション高く背中を押された。

 紙をもらい確認すると、1年2組に由奈と朱里の名前があった。

「朱里ちゃんと一緒のクラスだ」
「そうなの。すっごく嬉しい」
「私も」

 ただ、後でクラス全員の名前を確認すると、いつもグループでピコピコとメッセージを送りまくっている女子のうちの一人が同じクラスだった。

 どうなることやら……。

 それだけが不安要素だ。

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