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第一章
卒業⑤
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「僕は、将来医者になって病気で苦しんでいる人を助けたいです!」
「「キャー」」
拍手と共に、同級生だけでなく保護者からも黄色い声が上がる。今までにない光景に、先生達も苦笑いだ。
医者を目指すと言った瑞希は、日本のトップクラスの難関中学に合格したのだ。
ざわざわとした体育館だが、まだまだ卒業証書の授与は続く。瑞希と同じクラスの由奈の番もまもなくだ。
「竹内由奈」
「はい」
「おめでとう」
「ありがとうございます」
「私は、将来病気の人に寄り添える看護師になりたいです」
拍手の中、会場に目を向けると両親の姿が見えた。娘の姿に涙しているのがわかる。由奈の看護師になりたいという夢は、祖母が入院した時に働いていた看護師さん達を見て、自分も病気の人達を助けたいと思ったのだ。瑞希の医者になりたいという夢を今日初めて聞き、将来どこかで一緒に働けたらと新たな夢が広がる。
「以上、卒業生161名起立」
全てのプログラムが終わり退場する。保護者席からはすすり泣く声が聞こえる。わが子の成長に感動の涙が流れているのだ。
教室に戻った生徒達は、最後の時を迎える。
「改めて卒業おめでとう。小学校六年間で学んだことを活かして、楽しい中学校生活を送ってくれ。もし、困ったことや悩みがあればいつでも相談に来てくれたらいい。何もなくても顔を見せに来てくれたら先生は嬉しいぞ」
「「はーい」」
中学生になれば、今まで以上に忙しくなり実際に小学校に顔を出す子は少ないが、本当に困った時に思い出してくれたらいい。そんな思いでこの学校の先生達は、毎年卒業式には必ず伝えている言葉なのだ。
「じゃあ行くか」
グラウンドまでの廊下に保護者が花道を作ってくれている。そこを通りグラウンドに出て解散だ。あとは自由に写真撮影をして下校する。
由奈は、瑞希に話し掛けるチャンスがあるのかとドキドキしている。
クラスの女子数人もそわそわしているように感じる。
「「キャー」」
拍手と共に、同級生だけでなく保護者からも黄色い声が上がる。今までにない光景に、先生達も苦笑いだ。
医者を目指すと言った瑞希は、日本のトップクラスの難関中学に合格したのだ。
ざわざわとした体育館だが、まだまだ卒業証書の授与は続く。瑞希と同じクラスの由奈の番もまもなくだ。
「竹内由奈」
「はい」
「おめでとう」
「ありがとうございます」
「私は、将来病気の人に寄り添える看護師になりたいです」
拍手の中、会場に目を向けると両親の姿が見えた。娘の姿に涙しているのがわかる。由奈の看護師になりたいという夢は、祖母が入院した時に働いていた看護師さん達を見て、自分も病気の人達を助けたいと思ったのだ。瑞希の医者になりたいという夢を今日初めて聞き、将来どこかで一緒に働けたらと新たな夢が広がる。
「以上、卒業生161名起立」
全てのプログラムが終わり退場する。保護者席からはすすり泣く声が聞こえる。わが子の成長に感動の涙が流れているのだ。
教室に戻った生徒達は、最後の時を迎える。
「改めて卒業おめでとう。小学校六年間で学んだことを活かして、楽しい中学校生活を送ってくれ。もし、困ったことや悩みがあればいつでも相談に来てくれたらいい。何もなくても顔を見せに来てくれたら先生は嬉しいぞ」
「「はーい」」
中学生になれば、今まで以上に忙しくなり実際に小学校に顔を出す子は少ないが、本当に困った時に思い出してくれたらいい。そんな思いでこの学校の先生達は、毎年卒業式には必ず伝えている言葉なのだ。
「じゃあ行くか」
グラウンドまでの廊下に保護者が花道を作ってくれている。そこを通りグラウンドに出て解散だ。あとは自由に写真撮影をして下校する。
由奈は、瑞希に話し掛けるチャンスがあるのかとドキドキしている。
クラスの女子数人もそわそわしているように感じる。
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