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第六章
黒い影と嫌がらせの正体⑫
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常連のお客様は、来店時に次回の予約をして帰るか電話予約が多いけれど、若いお客様は大体がネット予約を利用する。そのネット予約で、私を指名するお客様だけが現れないということは、明らかに営業妨害で私になにか恨みがあるということだ。
よく考えると、新規のお客様が何人も続けて私を指名する時点でおかしい。最初はそこまで気づかなかったけれど、これだけ続くと嫌がらせだとしか思えないのだ。ネット予約自体の受付を止めることもできるけれど、そうすると他のお客様に迷惑が掛かる。
一体誰が――
「困ったわね……」
「店長すみません」
「凪紗ちゃんが悪いんじゃないわ」
「でも……」
新規で私を指名しているお客様を無視して同じ時間に他の予約を取ることもできるけれど、本当に新規のお客様が来られたら大問題になる。
「一旦、凪紗ちゃんの予約枠だけすべてバツにするわね」
「はい……」
常連のお客様で、ネット予約を利用している方にはこちらから連絡を入れることで一旦今の状態を回避することにした。
すると今度は、店に無言電話が掛かってくるようになってしまった。
「ありがとうございます。フリージアです」
「……」
「もしもし」
――ガチャ
無言で数秒経つと切られてしまう。相手が誰なのか、何がしたいのかわからない限り解決しない。今は一日に数度だけど、これ以上の頻度になると営業に支障が出てしまう。
突然始まった嫌がらせは何を意味するのだろうか。私を狙っているとしたら、七海に危険が及ぶこともないとは言えない。
いつから嫌がらせが始まったか考えると、湊翔さんと動物園へ行った次の日からだ。そのことが何か関係あるのだろうか。
そういえば、あの時強い視線を感じた気がしたけれど、今回のことと関係があるのだろうか。
湊翔さんにも話をするべきなのか迷う。全く関係がなかったらただ心配をさせるだけになってしまう。
悩んだ末に、もう少し様子をみることにした。
よく考えると、新規のお客様が何人も続けて私を指名する時点でおかしい。最初はそこまで気づかなかったけれど、これだけ続くと嫌がらせだとしか思えないのだ。ネット予約自体の受付を止めることもできるけれど、そうすると他のお客様に迷惑が掛かる。
一体誰が――
「困ったわね……」
「店長すみません」
「凪紗ちゃんが悪いんじゃないわ」
「でも……」
新規で私を指名しているお客様を無視して同じ時間に他の予約を取ることもできるけれど、本当に新規のお客様が来られたら大問題になる。
「一旦、凪紗ちゃんの予約枠だけすべてバツにするわね」
「はい……」
常連のお客様で、ネット予約を利用している方にはこちらから連絡を入れることで一旦今の状態を回避することにした。
すると今度は、店に無言電話が掛かってくるようになってしまった。
「ありがとうございます。フリージアです」
「……」
「もしもし」
――ガチャ
無言で数秒経つと切られてしまう。相手が誰なのか、何がしたいのかわからない限り解決しない。今は一日に数度だけど、これ以上の頻度になると営業に支障が出てしまう。
突然始まった嫌がらせは何を意味するのだろうか。私を狙っているとしたら、七海に危険が及ぶこともないとは言えない。
いつから嫌がらせが始まったか考えると、湊翔さんと動物園へ行った次の日からだ。そのことが何か関係あるのだろうか。
そういえば、あの時強い視線を感じた気がしたけれど、今回のことと関係があるのだろうか。
湊翔さんにも話をするべきなのか迷う。全く関係がなかったらただ心配をさせるだけになってしまう。
悩んだ末に、もう少し様子をみることにした。
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