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第四章
歯車が動き出す①
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同窓会の前日、仕事を早めに上がらせてもらって七海と新幹線に乗った。
七海と遠出するのは今回が初めてだ。時々母の助けがあるとはいえ、シングルマザーとして子供を育てているとなかなか遠出ができる機会はない。七海が成長して少し気持ちの余裕ができたからこそ、同窓会への参加を決心できたのだ。
席に座って大人しく窓の外を見ている七海。ぐずって困らせることもなければ、ジッとせずうろうろすることもない。本当に二歳かと驚くことも多い。
「お腹空いたでしょう? お弁当食べようか」
「うん!」
新幹線へ乗る前に、駅弁を買ったのだ。
「じゃあ、おしぼりで手をキレイにしようね」
「は~い」
「お嬢ちゃん、賢いわね」
通路を挟んだ横の席の老夫婦が、七海の姿を見て感心している。
「ありがとう!」
物おじもせずに元気に答える七海を見て、誇らしい気持ちになる。父親がいなくても立派に育っていると自信が持てるのだ。父親がいないからといって、苦労することだけは避けたい。
「ママ」
「ん?」
「おでかけたのしいね!」
「そうね」
兄からの連絡があって飛び乗った以来の新幹線。当時を思い出して哀しくなるかと思っていたけど、七海の存在が過去を忘れさせてくれた。実家の最寄りの駅までしんみりすることもなく、ずっと笑顔で過ごす。
七海の笑顔を見ていると、もっと色々な経験をさせてあげたい。これからは、定期的に実家へ帰ろうと思えた。
「七海、もうすぐ降りるわよ」
「えー、もうつくの?」
「早かったわね。また帰りも乗れるから」
降りられるように準備を整えて、デッキへと向かう。
「ありがとう。バイバーイ!」
「さようなら。こちらこそ楽しかったわ、ありがとう」
「ありがとうございました」
先程の老夫婦にも、七海はしっかりとお礼を言って挨拶をしている。私からもお礼を言って頭を下げた。
子供の頃に亡くなってしまった祖父母を思い出し、懐かしい気持ちになる。きっと、生きていたら七海を可愛がってくれたに違いない。
七海と遠出するのは今回が初めてだ。時々母の助けがあるとはいえ、シングルマザーとして子供を育てているとなかなか遠出ができる機会はない。七海が成長して少し気持ちの余裕ができたからこそ、同窓会への参加を決心できたのだ。
席に座って大人しく窓の外を見ている七海。ぐずって困らせることもなければ、ジッとせずうろうろすることもない。本当に二歳かと驚くことも多い。
「お腹空いたでしょう? お弁当食べようか」
「うん!」
新幹線へ乗る前に、駅弁を買ったのだ。
「じゃあ、おしぼりで手をキレイにしようね」
「は~い」
「お嬢ちゃん、賢いわね」
通路を挟んだ横の席の老夫婦が、七海の姿を見て感心している。
「ありがとう!」
物おじもせずに元気に答える七海を見て、誇らしい気持ちになる。父親がいなくても立派に育っていると自信が持てるのだ。父親がいないからといって、苦労することだけは避けたい。
「ママ」
「ん?」
「おでかけたのしいね!」
「そうね」
兄からの連絡があって飛び乗った以来の新幹線。当時を思い出して哀しくなるかと思っていたけど、七海の存在が過去を忘れさせてくれた。実家の最寄りの駅までしんみりすることもなく、ずっと笑顔で過ごす。
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降りられるように準備を整えて、デッキへと向かう。
「ありがとう。バイバーイ!」
「さようなら。こちらこそ楽しかったわ、ありがとう」
「ありがとうございました」
先程の老夫婦にも、七海はしっかりとお礼を言って挨拶をしている。私からもお礼を言って頭を下げた。
子供の頃に亡くなってしまった祖父母を思い出し、懐かしい気持ちになる。きっと、生きていたら七海を可愛がってくれたに違いない。
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