107 / 138
第十六章
必死な俺 SIDE柾⑧
しおりを挟む
何を思ったのか、今度は俺の視力を確認する。月の姿がはっきり見えているかの確認だったらしい。無自覚で自己評価も低いのか、俺がこれだけ執着して嫉妬をしているのに、全く伝わっていないのだ。
車に乗り込み、月の地元を目指す。
せっかく出席するのに、俺に遠慮して顔を出して帰って来ようと思ったようだが、送り迎えを買って出た俺を気にすることなく楽しんでほしい。砂川と二人で会うなら反対するが、友達もたくさん来ているだろう。
月を会場の前で降ろし、どこか仕事のできる場所を探す。会場の近くがいいと車を走らせていると、五分ほどのところに、ファミレスを見つけた。パソコンを持ち店内に入ると、やたらと視線を感じる。
「いらっしゃいませ~お一人様ですか?」
「ああ」
やたらと語尾を伸ばす店員が、俺の後ろを伺いながら聞いてきた。連れは同窓会だと言いたいほどいつも以上にイラつき、落ち着かない気分の俺に話し掛けてほしくない。
注文を取りに来てもやたらと絡んでくる。軽くは話かけられない冷たいオーラを出しているはずが、全く通じていないのか空気が読めないのか、とにかくウザいのだ。
食事をしようと思ったが、何かを運んでくるたびに話しかけられてはたまったもんじゃない。ドリンクバーを頼み、ひたすらパソコン作業をして過ごす。何度も時計を見るが、今日に限って時間が全然進まない。時計とにらめっこを続け、やっと一時間半が過ぎた。このままここにいても、もう集中できないと諦め伝票をもって立つ。レジには先ほどからやたらと絡んでくる女性店員がいた。声に出さないようにため息をつく。
「ありがとうございました~お会計は495円になります~」
無言で1000円札を渡しお釣りを待っていると、最後のチャンスとばかりに話かけてくる。
「お兄さん、超イケメン。良かったら連絡先を教えてください」
語尾にハートマークが飛び散りそうなほどの、甘ったるい甲高い媚をうるような声を出す。
車に乗り込み、月の地元を目指す。
せっかく出席するのに、俺に遠慮して顔を出して帰って来ようと思ったようだが、送り迎えを買って出た俺を気にすることなく楽しんでほしい。砂川と二人で会うなら反対するが、友達もたくさん来ているだろう。
月を会場の前で降ろし、どこか仕事のできる場所を探す。会場の近くがいいと車を走らせていると、五分ほどのところに、ファミレスを見つけた。パソコンを持ち店内に入ると、やたらと視線を感じる。
「いらっしゃいませ~お一人様ですか?」
「ああ」
やたらと語尾を伸ばす店員が、俺の後ろを伺いながら聞いてきた。連れは同窓会だと言いたいほどいつも以上にイラつき、落ち着かない気分の俺に話し掛けてほしくない。
注文を取りに来てもやたらと絡んでくる。軽くは話かけられない冷たいオーラを出しているはずが、全く通じていないのか空気が読めないのか、とにかくウザいのだ。
食事をしようと思ったが、何かを運んでくるたびに話しかけられてはたまったもんじゃない。ドリンクバーを頼み、ひたすらパソコン作業をして過ごす。何度も時計を見るが、今日に限って時間が全然進まない。時計とにらめっこを続け、やっと一時間半が過ぎた。このままここにいても、もう集中できないと諦め伝票をもって立つ。レジには先ほどからやたらと絡んでくる女性店員がいた。声に出さないようにため息をつく。
「ありがとうございました~お会計は495円になります~」
無言で1000円札を渡しお釣りを待っていると、最後のチャンスとばかりに話かけてくる。
「お兄さん、超イケメン。良かったら連絡先を教えてください」
語尾にハートマークが飛び散りそうなほどの、甘ったるい甲高い媚をうるような声を出す。
3
お気に入りに追加
726
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
葉月 まい
恋愛
ー大好きな人とは、住む世界が違うー
たとえ好きになっても
気持ちを打ち明けるわけにはいかない
それは相手を想うからこそ…
純粋な二人の恋物語
永遠に続く六日間が、今、はじまる…
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる