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第十六章
必死な俺 SIDE柾②
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エレベーターが最上階に到着し、扉が開くとそこには親友の姿が……。
確かにこいつに予約を頼んだ。だから今日ここに俺達が来ることはもちろん知っていた。だが、曲がりなりにも神楽坂を背負う陽が暇な訳がないのだ。しかも、不敵な笑みを浮かべている。
「な、なんで陽がここにいる?」
「予約を頼んできたのはお前だろう?」
だからって、お前は普段本社にいるだろう?
確かに、俺が陽にホテルの部屋やレストランの予約を頼むことは、長いつき合いで今まで一度もなかった。気になるのは最もだが、こんなに早くに対面することになるとは思っていなかった。
「あのっ」
俺の横でやり取りを見ていた月の声が割って入る。俺達の視線は月に向く。
「ありがとうございます」
「へ⁈」
突然お礼を言われた陽が珍しく驚いている。そして俺の彼女か確認したあと、可愛いと言いやがる。思わず背中の後ろに月を隠した。興味津々で月を見る親友に対してもイラっとしてしまう俺の心が狭いのか。いや、陽が露骨に興味を示し過ぎなんだ。
長年の親友だからこそ、遊びはあっても真剣に女性と向き合い執着する俺を見るのは、初めてのことでかなりの衝撃なのだろう。
興味津々の陽に席へ案内してもらったが、なかなか個室から出て行かない。
「おい、陽はいつまで俺達のところにいるつもりなんだ?邪魔をするな」
とにかく邪魔だと目で合図する。
「飲み物はどうする?」
「じゃあ、コーラで」
「「ブハッ」」
俺が前回ウケたように、陽も同じことを思ったはずだ。ホテルのディナーに来ていても飾らない月が好きなのだ。きっと陽にも伝わったはずだ。月には何でコーラを頼むといい子なのか聞かれたが、コーラは関係ない。背伸びをしない素の自分が出せる月がいい子なのだ。
俺にとって月という存在が唯一無二だと断言できる。
こんな熱い想いが自分のなかにあったことが驚きだが、恥ずかしさはなくむしろ誇らしい。
『SAKURA』の食事は、俺達の同棲生活の門出に相応しい素晴らしい食事だったが、更に陽からのサプライズに月が大喜びしていた。
確かにこいつに予約を頼んだ。だから今日ここに俺達が来ることはもちろん知っていた。だが、曲がりなりにも神楽坂を背負う陽が暇な訳がないのだ。しかも、不敵な笑みを浮かべている。
「な、なんで陽がここにいる?」
「予約を頼んできたのはお前だろう?」
だからって、お前は普段本社にいるだろう?
確かに、俺が陽にホテルの部屋やレストランの予約を頼むことは、長いつき合いで今まで一度もなかった。気になるのは最もだが、こんなに早くに対面することになるとは思っていなかった。
「あのっ」
俺の横でやり取りを見ていた月の声が割って入る。俺達の視線は月に向く。
「ありがとうございます」
「へ⁈」
突然お礼を言われた陽が珍しく驚いている。そして俺の彼女か確認したあと、可愛いと言いやがる。思わず背中の後ろに月を隠した。興味津々で月を見る親友に対してもイラっとしてしまう俺の心が狭いのか。いや、陽が露骨に興味を示し過ぎなんだ。
長年の親友だからこそ、遊びはあっても真剣に女性と向き合い執着する俺を見るのは、初めてのことでかなりの衝撃なのだろう。
興味津々の陽に席へ案内してもらったが、なかなか個室から出て行かない。
「おい、陽はいつまで俺達のところにいるつもりなんだ?邪魔をするな」
とにかく邪魔だと目で合図する。
「飲み物はどうする?」
「じゃあ、コーラで」
「「ブハッ」」
俺が前回ウケたように、陽も同じことを思ったはずだ。ホテルのディナーに来ていても飾らない月が好きなのだ。きっと陽にも伝わったはずだ。月には何でコーラを頼むといい子なのか聞かれたが、コーラは関係ない。背伸びをしない素の自分が出せる月がいい子なのだ。
俺にとって月という存在が唯一無二だと断言できる。
こんな熱い想いが自分のなかにあったことが驚きだが、恥ずかしさはなくむしろ誇らしい。
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