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第十五章
俺様ドクターの嫉妬④
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小柄な私にも着られる服がたくさんあって、好きなブランドなのだが、りーこの働くお店にはまだ行けていない。
「いいなぁ、私も行きたい」
「るーちゃんが土日休める時に一緒に行こうよ」
「うん」
「るーちゃん、引っ越したんだよね?」
「う、うん」
志乃ちゃんがなぜ引っ越したことを知っているのだろうか?
「転勤したから、今度の勤務先の近くに引っ越したって、おばちゃんから聞いた」
柾さんのマンションではなく、先日まで住んでいたマンションの話だった。そして、志乃ちゃんがおばちゃんと言った相手は私の母のことだ。志乃ちゃんは、実は私の兄と付き合っていて、私の母と仲が良く、娘の私よりも会っているのだ。
バタバタと柾さんのペースで引っ越しをしてしまったが、よく考えたら実家にも知らせていない。マンションの解約に伴い、郵便物の転送届だけは出したのだが、実家のことはすっかり忘れていた。
「お母さん元気だった?」
「うん。全く連絡がないって嘆いてたよ」
「でも、お兄ちゃんも志乃ちゃんもいるから安心」
「たまには連絡してあげてね」
「うん……」
ついつい忘れてしまうのだ。きっと、志乃ちゃんから私が元気にしていることが伝わるだろう。
「じゃあ、来月のシフトが出て、同窓会の日来られそうなら連絡してね」
「うん。ありがとう」
理想は、同窓会当日が非番で、翌日が公休日がいい。もっと前に出席を決めていたら休みの申請をしたのだが、一ヶ月後の同窓会の休みの申請を今更はできない。
志乃ちゃんと電話を切った途端に鳴り出す私のスマホ。
「はい」
「俺」
「仕事中だよね?どうしたの?」
「仕事から帰っているはずが、全く連絡が入っていなくて、さっきから電話をしても話し中だったから、何かあったのかと心配で」
「あっごめんなさい。帰ってそのまま寝ちゃってたの。地元の友達からの電話で起こされて、おしゃべりしてたの」
「男?女?」
「志乃ちゃんっていう、かわいい女の子だよ」
「そうか。無事で安心した。今日は遅くなるけど帰れそうだ」
「何か食べたいものある?」
「いいなぁ、私も行きたい」
「るーちゃんが土日休める時に一緒に行こうよ」
「うん」
「るーちゃん、引っ越したんだよね?」
「う、うん」
志乃ちゃんがなぜ引っ越したことを知っているのだろうか?
「転勤したから、今度の勤務先の近くに引っ越したって、おばちゃんから聞いた」
柾さんのマンションではなく、先日まで住んでいたマンションの話だった。そして、志乃ちゃんがおばちゃんと言った相手は私の母のことだ。志乃ちゃんは、実は私の兄と付き合っていて、私の母と仲が良く、娘の私よりも会っているのだ。
バタバタと柾さんのペースで引っ越しをしてしまったが、よく考えたら実家にも知らせていない。マンションの解約に伴い、郵便物の転送届だけは出したのだが、実家のことはすっかり忘れていた。
「お母さん元気だった?」
「うん。全く連絡がないって嘆いてたよ」
「でも、お兄ちゃんも志乃ちゃんもいるから安心」
「たまには連絡してあげてね」
「うん……」
ついつい忘れてしまうのだ。きっと、志乃ちゃんから私が元気にしていることが伝わるだろう。
「じゃあ、来月のシフトが出て、同窓会の日来られそうなら連絡してね」
「うん。ありがとう」
理想は、同窓会当日が非番で、翌日が公休日がいい。もっと前に出席を決めていたら休みの申請をしたのだが、一ヶ月後の同窓会の休みの申請を今更はできない。
志乃ちゃんと電話を切った途端に鳴り出す私のスマホ。
「はい」
「俺」
「仕事中だよね?どうしたの?」
「仕事から帰っているはずが、全く連絡が入っていなくて、さっきから電話をしても話し中だったから、何かあったのかと心配で」
「あっごめんなさい。帰ってそのまま寝ちゃってたの。地元の友達からの電話で起こされて、おしゃべりしてたの」
「男?女?」
「志乃ちゃんっていう、かわいい女の子だよ」
「そうか。無事で安心した。今日は遅くなるけど帰れそうだ」
「何か食べたいものある?」
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