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第十三章
俺様ドクターと同棲生活⁈④
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マンションの駐車場には、初めて入るが高級車ばかりが並んでいる。本当に自分がここの住人になるのかと思うと恐れ多い。
柾さんの運転する車は、迷うことなくどこかに向かっている。服装を聞いた時に、少しオシャレをして行くところと言われた。柾さんも、スーツを着ているのだが、どこに連れて行かれるのだろう……。
車が走ること数十分、前回同様神楽坂リゾートが手掛ける、都心にあるラグジュアリーホテルが見えてきた。
『SAKURA』と名づけられたこのホテルは、神楽坂リゾートの社長が愛する妻をイメージして建てられたと世間では有名なようだが、その話を私は知らなかった。
「柾さん、今から行くのって?」
「神楽坂グループの『SAKURA』だ。先日行った『エタニティ』も素晴らしかったが、ここも凄いぞ」
「ここは来たことがあるの?」
「ああ、前回エタニティを手配してくれた友人の陽に連れて来てもらったんだ」
「今回も?」
「ああ、陽に世話になった。今回は前もって連絡入れたけどな」
「いつかお会いする機会があれば、お礼を言いたいです」
「そうだな。いつか紹介するよ」
そのいつかは間もなくなのだが、私達は知る由もなかった。
車が『SAKURA』のエントランスに入ると、外から扉が開けられた。
「久遠様いらっしゃいませ」
「え⁈」
「どうした?」
「車で来客の名前がわかるなんて」
「ああ、ここはセキュリティのために、車で訪れるときは、事前に車種とナンバーの登録が必要なんだ」
「なんか凄いね……」
「ああ、徹底したサービスと行き届いた心遣いが人気だからな。お願いします」
「お預かりいたします」
自然な動作で、柾さんが車のキーを預けた。そして、私の腰を抱き入口に向かう。
『SAKURA』と名前からも分かるように、和のイメージがふんだんに盛り込まれ、尚且つ和洋折衷を絶妙なバランスで取り入れている。
「SAKURAって素敵な名前だね」
「月は知らないか?世間では愛妻家で有名な神楽坂の社長で、陽の兄である怜さんの奥さんがさくらさんって名前なんだ」
「奥さんをイメージしているんですか?」
「そうらしい」
「すごい……」
柾さんの運転する車は、迷うことなくどこかに向かっている。服装を聞いた時に、少しオシャレをして行くところと言われた。柾さんも、スーツを着ているのだが、どこに連れて行かれるのだろう……。
車が走ること数十分、前回同様神楽坂リゾートが手掛ける、都心にあるラグジュアリーホテルが見えてきた。
『SAKURA』と名づけられたこのホテルは、神楽坂リゾートの社長が愛する妻をイメージして建てられたと世間では有名なようだが、その話を私は知らなかった。
「柾さん、今から行くのって?」
「神楽坂グループの『SAKURA』だ。先日行った『エタニティ』も素晴らしかったが、ここも凄いぞ」
「ここは来たことがあるの?」
「ああ、前回エタニティを手配してくれた友人の陽に連れて来てもらったんだ」
「今回も?」
「ああ、陽に世話になった。今回は前もって連絡入れたけどな」
「いつかお会いする機会があれば、お礼を言いたいです」
「そうだな。いつか紹介するよ」
そのいつかは間もなくなのだが、私達は知る由もなかった。
車が『SAKURA』のエントランスに入ると、外から扉が開けられた。
「久遠様いらっしゃいませ」
「え⁈」
「どうした?」
「車で来客の名前がわかるなんて」
「ああ、ここはセキュリティのために、車で訪れるときは、事前に車種とナンバーの登録が必要なんだ」
「なんか凄いね……」
「ああ、徹底したサービスと行き届いた心遣いが人気だからな。お願いします」
「お預かりいたします」
自然な動作で、柾さんが車のキーを預けた。そして、私の腰を抱き入口に向かう。
『SAKURA』と名前からも分かるように、和のイメージがふんだんに盛り込まれ、尚且つ和洋折衷を絶妙なバランスで取り入れている。
「SAKURAって素敵な名前だね」
「月は知らないか?世間では愛妻家で有名な神楽坂の社長で、陽の兄である怜さんの奥さんがさくらさんって名前なんだ」
「奥さんをイメージしているんですか?」
「そうらしい」
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