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第十三章
俺様ドクターと同棲生活⁈①
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朝の光りが室内に入り深い眠りから目覚めると、シングルベッドには私一人。しかも、布団は被っているが全裸だ。そこで、昨夜の生々しい行為を思い出す。
キッチンの方から微かに音が聞こえるので、柾さんがいるのは確かだ。落ちている部屋着を身に纏いキッチンに向かう。
「月おはよう」
「おはよう」
「冷蔵庫に入っていたアイスコーヒーもらった」
「どうぞ。あっお腹空いたよね。何か作るよ」
「さっき、ランニングに出たんだ。だから、帰りにそこのパン屋で買ってきた」
さっきから、いい香りがするとは思っていたが、これの匂いだったのか。
「ベッドが狭くて眠れなかったんじゃない?」
「いや。月の温もりを感じてぐっすりだったよ。いつも以上に眠れた」
「ならいいんだけど……。あれ?今日はお休み?」
「ああ。それより食べよう」
なぜか嬉しそうだが、休みがそんなに嬉しいのだろうか。あまりない貴重な休みだからかと勝手に思っていた。だが、なせか時間を気にしているように見える。
柾さんが買ってきてくれたお店は、最近近所にオープンしたベーカリーショップで、気にはなっていたがなかなか行く機会がなく初めて食べる。
「すっごく美味しい」
「それは良かった」
「近くだし、また買いに行こう」
「あー、また連れて来てやる」
「へ⁈近所だし一人で行けるよ?」
ここで、驚くべき事実を知らされるのだ。
「月、今日の午後に引っ越しだ」
「えっと……。誰が?」
「月が」
「はい??何言ってるの?」
「この前約束しただろう?」
「約束って……。私が?」
「ああ、俺のマンションで一緒に暮らすって」
「……。私が?柾さんと?」
約束が何なのか気になっていたが、まさかそんな大事だったなんて……。にわかには信じがたい。
「信じられないって顔だな。嘘は言ってないぞ。証拠もある」
「しょ、証拠⁈」
「ああ」
柾さんから見せられたのは、私が柾さんのマンションへ行った時に、酔っぱらって無責任な発言をしている私の恥ずかしい動画だった。
いや、私が酔っぱらっているのを承知でこの動画を撮った柾さんは策士だ。証拠を残している時点で、私に勝ち目はなさそうだ。
キッチンの方から微かに音が聞こえるので、柾さんがいるのは確かだ。落ちている部屋着を身に纏いキッチンに向かう。
「月おはよう」
「おはよう」
「冷蔵庫に入っていたアイスコーヒーもらった」
「どうぞ。あっお腹空いたよね。何か作るよ」
「さっき、ランニングに出たんだ。だから、帰りにそこのパン屋で買ってきた」
さっきから、いい香りがするとは思っていたが、これの匂いだったのか。
「ベッドが狭くて眠れなかったんじゃない?」
「いや。月の温もりを感じてぐっすりだったよ。いつも以上に眠れた」
「ならいいんだけど……。あれ?今日はお休み?」
「ああ。それより食べよう」
なぜか嬉しそうだが、休みがそんなに嬉しいのだろうか。あまりない貴重な休みだからかと勝手に思っていた。だが、なせか時間を気にしているように見える。
柾さんが買ってきてくれたお店は、最近近所にオープンしたベーカリーショップで、気にはなっていたがなかなか行く機会がなく初めて食べる。
「すっごく美味しい」
「それは良かった」
「近くだし、また買いに行こう」
「あー、また連れて来てやる」
「へ⁈近所だし一人で行けるよ?」
ここで、驚くべき事実を知らされるのだ。
「月、今日の午後に引っ越しだ」
「えっと……。誰が?」
「月が」
「はい??何言ってるの?」
「この前約束しただろう?」
「約束って……。私が?」
「ああ、俺のマンションで一緒に暮らすって」
「……。私が?柾さんと?」
約束が何なのか気になっていたが、まさかそんな大事だったなんて……。にわかには信じがたい。
「信じられないって顔だな。嘘は言ってないぞ。証拠もある」
「しょ、証拠⁈」
「ああ」
柾さんから見せられたのは、私が柾さんのマンションへ行った時に、酔っぱらって無責任な発言をしている私の恥ずかしい動画だった。
いや、私が酔っぱらっているのを承知でこの動画を撮った柾さんは策士だ。証拠を残している時点で、私に勝ち目はなさそうだ。
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