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第十章
俺様ドクターは策士だ①
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ハッと目が覚めると、外には夕焼けが見えた。愛し合った私達は、服も着ないでそのまま寝てしまっていたようだ。隣では、柾さんが気持ちよさそうに寝ている。
美しい寝顔をずっと眺めていたいが、柾さんが寝ている間に夕食の準備をしたい。でも、その前にお風呂に入りたい。
起こさないように、そっとベッドを出てTシャツを羽織った。仕事の疲れが溜まっていて、眠りが深そうだ。音をたてないように気をつけてバスルームを目指す。
柾さんが入ったあとも保温されていて、すぐに温かいお湯に浸かることができた。
広いバスタブに手足を伸ばし身体を解す。ふと、胸元を見ると傷なのか、赤い斑点が散らばっている。痒みもないし、何だろう?アレルギーもない。救急救命士として学んできたが、原因となる要素が全く思い浮かばない。あとで、お医者様の柾さんに聞いてみよう……。
初めての時ほど身体は痛くないが、それでもまだ違和感がある。痛みよりも思い出すのは、柾さんに与えられた大きな快感。鍛えられた肉体と美しい顔で、私を翻弄するのだ。
ゆっくりとバスタイムを楽しみリビングに戻ったが、まだ人の気配はない。
キッチンに入り、棚を開けて鍋とボウルを探す。普段、自宅で料理することがないのか、どれもほぼ新品の状態で見つかった。
詮索するつもりはないが、貴公子と呼ばれるほどのイケメンドクターのはずが、マンションに女性の影は全くない。これだけ広い部屋なのに、綺麗に掃除されているのは、掃除業者が入っていそうだ。
大きい鍋にたっぷりのお湯を沸かす。ボウルには、明太子をほぐしてバターと混ぜる。少しの醤油で味を調え、大葉は細く刻んだ。
朝の残りのカット野菜と生ハムでサラダにし、バケットも食べやすい大きさに切る。
あとは、柾さんが起きてきたらパスタを茹でて和えれば完成だ。
『カチャ』
タイミングよく寝室の扉が開く音がした。
そちらに目を向けるとボサボサ頭の柾さんが、寝ぼけた様子でこちらに向かってくる。最初の出会いを思い出し、思わず頬が緩んでしまう。
「おはようございます」
「おはよう。こんなにぐっすり寝たのは何年振りだろう……」
美しい寝顔をずっと眺めていたいが、柾さんが寝ている間に夕食の準備をしたい。でも、その前にお風呂に入りたい。
起こさないように、そっとベッドを出てTシャツを羽織った。仕事の疲れが溜まっていて、眠りが深そうだ。音をたてないように気をつけてバスルームを目指す。
柾さんが入ったあとも保温されていて、すぐに温かいお湯に浸かることができた。
広いバスタブに手足を伸ばし身体を解す。ふと、胸元を見ると傷なのか、赤い斑点が散らばっている。痒みもないし、何だろう?アレルギーもない。救急救命士として学んできたが、原因となる要素が全く思い浮かばない。あとで、お医者様の柾さんに聞いてみよう……。
初めての時ほど身体は痛くないが、それでもまだ違和感がある。痛みよりも思い出すのは、柾さんに与えられた大きな快感。鍛えられた肉体と美しい顔で、私を翻弄するのだ。
ゆっくりとバスタイムを楽しみリビングに戻ったが、まだ人の気配はない。
キッチンに入り、棚を開けて鍋とボウルを探す。普段、自宅で料理することがないのか、どれもほぼ新品の状態で見つかった。
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大きい鍋にたっぷりのお湯を沸かす。ボウルには、明太子をほぐしてバターと混ぜる。少しの醤油で味を調え、大葉は細く刻んだ。
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そちらに目を向けるとボサボサ頭の柾さんが、寝ぼけた様子でこちらに向かってくる。最初の出会いを思い出し、思わず頬が緩んでしまう。
「おはようございます」
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