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第七章
俺様ドクターは我慢できない②
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「遅かったな」
「すみません」
あの人達のせいで先輩を待たせてしまった。
「何かあったか?」
「途中で時田先生と会って」
「あの人美人だよな。しかも、腕も確かで患者さんに信頼されている」
やはり、男性にはすこぶる評判がいい。
「性格は……」
「誰にでも優しくて完璧だな。モテるだろうな」
「……」
完璧を演じている彼女は、医者じゃなく女優にもなれるのではないだろうか。関わりたくない。
松岡という看護師も厄介だし、港浜救命救急センターに来るのが億劫だ。
そうは言っても、すぐに舞い戻って来ることになる。
次の搬送患者は、17歳の女性で妊娠8ヶ月だった。救急車が現場に到着したのだが、現場には言い合う声が響いていた。
「真知、相手を言いなさい」
「イタタタ、絶対に言わない。私、一人で産むから」
「高校生のアナタが一人でなんて無理でしょ」
「そう言われると思ったから黙ってたの」
「あのっ、救急に連絡を入れたのは?」
「私です」
「お名前は?」
「金谷真知です」
「年齢は?」
「17歳です」
「どういう状況ですか?」
「急にお腹が痛くなって、ジワッと水分が漏れた気がして」
「破水したんですか?」
「これが破水かどうかもわかりません」
「普段の検診はどちらに?」
「……。行っていません」
「搬送先を当ります。お母様も乗ってください。出発するまでに荷物があれば持ってきて下さい」
母親が一旦自宅に入って行った。その間にも受け入れ要請をしている。本来、妊婦検診を受けていれば、異常がないかの確認もでき、搬送すべき病院もすぐに決まるのだ。
目の前のまだ幼い少女は、親にバレないように過ごしてきたようだ。
「港浜、なんとか受入れしてもらえます」
またまた、港浜に決まった。基本、妊婦検診を受けていない妊婦の受け入れは、どこの病院も難色を示す。すぐに決まったのは運が良かった。母親が大きな鞄を持って戻ったので、同乗してもらい出発した。
「すみません」
あの人達のせいで先輩を待たせてしまった。
「何かあったか?」
「途中で時田先生と会って」
「あの人美人だよな。しかも、腕も確かで患者さんに信頼されている」
やはり、男性にはすこぶる評判がいい。
「性格は……」
「誰にでも優しくて完璧だな。モテるだろうな」
「……」
完璧を演じている彼女は、医者じゃなく女優にもなれるのではないだろうか。関わりたくない。
松岡という看護師も厄介だし、港浜救命救急センターに来るのが億劫だ。
そうは言っても、すぐに舞い戻って来ることになる。
次の搬送患者は、17歳の女性で妊娠8ヶ月だった。救急車が現場に到着したのだが、現場には言い合う声が響いていた。
「真知、相手を言いなさい」
「イタタタ、絶対に言わない。私、一人で産むから」
「高校生のアナタが一人でなんて無理でしょ」
「そう言われると思ったから黙ってたの」
「あのっ、救急に連絡を入れたのは?」
「私です」
「お名前は?」
「金谷真知です」
「年齢は?」
「17歳です」
「どういう状況ですか?」
「急にお腹が痛くなって、ジワッと水分が漏れた気がして」
「破水したんですか?」
「これが破水かどうかもわかりません」
「普段の検診はどちらに?」
「……。行っていません」
「搬送先を当ります。お母様も乗ってください。出発するまでに荷物があれば持ってきて下さい」
母親が一旦自宅に入って行った。その間にも受け入れ要請をしている。本来、妊婦検診を受けていれば、異常がないかの確認もでき、搬送すべき病院もすぐに決まるのだ。
目の前のまだ幼い少女は、親にバレないように過ごしてきたようだ。
「港浜、なんとか受入れしてもらえます」
またまた、港浜に決まった。基本、妊婦検診を受けていない妊婦の受け入れは、どこの病院も難色を示す。すぐに決まったのは運が良かった。母親が大きな鞄を持って戻ったので、同乗してもらい出発した。
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