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第四章
俺様ドクターと急展開⑤
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どうしたらいいのか、戸惑っていると目の前のイケメンの目が薄っすらと開く。
「せっかくならベッドでお休みになられたらどうですか?」
「誰だ?天使……?」
寝ぼけた様子で呟いているが、天使とはなんだ?よっぽど疲れているのだろうか?
「大丈夫ですか?」
「ハッ⁈」
意識が現実に戻ったのか、完全に起きてしまった。
「る、るなか?」
「はい??」
「反則だ」
言葉と同時に手が引かれ、気づいた時には柾さんの膝の上で横抱きに乗せられ、キスをされていた。
あまりの展開に、抵抗する暇もなく驚きで固まったまま動けない。
触れるだけだった唇が、だんだんと強く押しつけられ、更には舌が私の口内に割って入ってきた。
実は、私にとってこれがファーストキスだったりする。人工呼吸の経験はあるのだが、あれは仕事でありキスとはカウントされないだろう……。
「ンンッ」
呼吸の仕方もわからないまま、続く口づけに思わず鼻から息が漏れる。
慣れないことに、だんだんと身体から力が抜けぐったりしてしまう。
「大丈夫か?」
私の変化に気づいた柾さんが、やっと唇を離してくれた。
「大丈夫じゃないです……。なんで……」
「月が煽るからだろう?」
「煽る?」
「団子頭で威勢のいい姿も可愛いが、サラサラの天使になられたら我慢できるわけがない」
「て、天使~?何言ってるんですか?」
「お前、自分の可愛さをわかってないだろう」
「はい??可愛い?誰が?」
「だから、月が」
チビ団子と言っていた本人が何を言っているのだろうか。全く理解できない。
「チビ団子って言われてる方がしっくりきます」
「チビ団子は思わず出た言葉だが、小さくて可愛くて威勢のいいところに俺は一瞬でお前に心をもっていかれた。それがだ。団子を取ったらまた違った印象で可愛すぎるだろう」
ボサボサマスク男にチビ団子と言われ、最悪の出会いだったのに……。
医者で天才貴公子と呼ばれていて、クールで厳しい人だと聞いていたはずが、目の前で甘い言葉を囁いている。
何が起こっているのか処理しきれない。
私はこの後どうなるのだろう――。
「せっかくならベッドでお休みになられたらどうですか?」
「誰だ?天使……?」
寝ぼけた様子で呟いているが、天使とはなんだ?よっぽど疲れているのだろうか?
「大丈夫ですか?」
「ハッ⁈」
意識が現実に戻ったのか、完全に起きてしまった。
「る、るなか?」
「はい??」
「反則だ」
言葉と同時に手が引かれ、気づいた時には柾さんの膝の上で横抱きに乗せられ、キスをされていた。
あまりの展開に、抵抗する暇もなく驚きで固まったまま動けない。
触れるだけだった唇が、だんだんと強く押しつけられ、更には舌が私の口内に割って入ってきた。
実は、私にとってこれがファーストキスだったりする。人工呼吸の経験はあるのだが、あれは仕事でありキスとはカウントされないだろう……。
「ンンッ」
呼吸の仕方もわからないまま、続く口づけに思わず鼻から息が漏れる。
慣れないことに、だんだんと身体から力が抜けぐったりしてしまう。
「大丈夫か?」
私の変化に気づいた柾さんが、やっと唇を離してくれた。
「大丈夫じゃないです……。なんで……」
「月が煽るからだろう?」
「煽る?」
「団子頭で威勢のいい姿も可愛いが、サラサラの天使になられたら我慢できるわけがない」
「て、天使~?何言ってるんですか?」
「お前、自分の可愛さをわかってないだろう」
「はい??可愛い?誰が?」
「だから、月が」
チビ団子と言っていた本人が何を言っているのだろうか。全く理解できない。
「チビ団子って言われてる方がしっくりきます」
「チビ団子は思わず出た言葉だが、小さくて可愛くて威勢のいいところに俺は一瞬でお前に心をもっていかれた。それがだ。団子を取ったらまた違った印象で可愛すぎるだろう」
ボサボサマスク男にチビ団子と言われ、最悪の出会いだったのに……。
医者で天才貴公子と呼ばれていて、クールで厳しい人だと聞いていたはずが、目の前で甘い言葉を囁いている。
何が起こっているのか処理しきれない。
私はこの後どうなるのだろう――。
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