ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~

せいとも

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第四章

俺様ドクターと急展開④

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 一通り見終わり、リビングに戻るとちょうど柾さんがお風呂から出たところだった。バスローブを羽織ってはいるが、胸元が大きく開いていて目のやり場に困る。

 普段から職場で筋肉質の男性は見慣れているが、一見細く見える柾さんが脱いだらムキムキはズルイと思う。

「俺に何かついてるか?」
「えっ?」
「いや、こっちを見てるから」
「いえ。何もありません。では、私も入ってきます」
「ああ。風呂が沸いてるからゆっくりしてこい。洗濯乾燥もここでできる」
「そうなんですか?!」

 ずっと驚きっぱなしなのだが、バスルームも凄かった。普通のホテルなら、ホテル内にコインランドリーがあり、私も利用したことがある。

 だが、ここは広々とした脱衣所に大容量の洗濯乾燥機が置かれ、更にはアイロンまで置かれている。

 至れり尽くせりとはこのことだろう……。

 濡れた服を洗濯機に入れて回し、バスルームに入った。

 家族連れでも一緒に入れそうな大きなバスタブには、たっぷりの湯が張られている。

 冷えた身体を温めながら、今朝からここに至るまでのことを振り返るが、急展開に驚くしかない。

 これからどうしたらいいのだろうか?

 身体の芯まで温まり、湯船から上がったが……。

 仕事から帰ってお風呂に入るはずが、なぜか高級ホテルのお風呂に入っている。今さらどうしようもないので、団子頭をほどき髪から洗う。アメニティは上質のものが並び、バスルーム全体にいい香りが充満する。いつも以上に時間をかけてゆっくり洗い満喫する。

 柾さんは仮眠をするだろうし、洗濯も乾くまで待たなくてはならない。時間はたっぷりある。

 バスルームから出て、下着も一緒に洗っていることを思い出した。全裸にバスローブを羽織るしかない。前をしっかり合わせてはだけないようにする。

 ドライヤーも高級なものが置いてあり、髪を入念に乾かす。元々、ブラウンの髪は染めたことがなく、サラサラしているのが私の自慢だ。

 リビングに戻る頃には、かなりの時間が経ってしまっていた。

 柾さんは、リビングのソファに座ったまま寝ている。器用というのか職業病というのか、どんな態勢でも寝られるのだろう。起こすのは忍びないが、寝心地のいいベッドで寝た方が、短時間でも疲れが取れるはずだ。

「柾さん、柾さん」
「ンンッ」

 寝顔も綺麗なイケメンからの色っぽい吐息に、私の方が恥ずかしくなり頬が赤くなるのを感じた。


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