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第二章
俺様ドクターと再会①
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事故に遭遇したあと、家に辿り着いた時には身体が限界を迎えていた。
普段から、事故現場に出動することも多く慣れてはいるが、当番日明けの身体にはかなり堪えた。更には、『チビ団子』と言われたことに腹が立ち、余計な気力を消耗した気がする。
玄関をくぐり抜け、シャワーも浴びずベッドに直行。そのまま寝てしまい、次に起きた時には辺りは真っ暗で、一瞬今がいつなのか分からないくらい熟睡していたらしい。
時計を見ると真夜中で、半日近く寝ていたようだ。昨夜は仮眠をする時間もなく、身体が睡眠を欲していたのだろう。
消防署は3週間を1サイクルとして、三交替制の勤務になっている。
当番日は、朝八時半から翌朝八時四十分まで勤務し、朝に仕事が終わったらその日は非番日になる。基本は休みなのだが、残っている仕事をしたりイベントなどに人手が足りないと手伝いに行ったり、当番日には参加できない研修が入ったりと必ず休めるわけではない。何もなければ休みになる感じだ。非番日の翌日は、公休日か当番日に当たる。
事故の日の非番の翌日、私は公休日になっていたので、何とか気力も体力も回復できた。
事故のバス二台には、合わせて百名弱の乗客が乗っていたのだが、死亡者がいなかったことが不幸中の幸いだ。
私の乗っていたバスの運転手だけが重症で入院した。やはり事故直前の心臓発作が原因だったのだ。他の乗客は、捻挫や打撲程度のけがですんでいるが、こういう事故の場合どちらかというと精神的ショックの方が心配だ。
普段から事故現場に出動していても、突然のことに私も動揺した。
ボサボサマスク男の発言で、動揺していた気持ちが一瞬にして吹き飛んだのは感謝だが、やはり今思い出しても腹が立つことに変わりない。
もう二度と会いたくない――。
だが、再会はすぐにやって来る――。
公休日明け、身体も軽く出勤した。
今日の気候は、平年並みの予報だ。朝は、肌寒さも感じるくらいで、熱中症の心配はあまりないだろう。
ただ、他にも色々な理由で救急要請は来るのだ。
この日の午前中は、救急要請はあるものの、署に2台ある救急車のどちらかは署にある状態で落ち着いていた。
普段から、事故現場に出動することも多く慣れてはいるが、当番日明けの身体にはかなり堪えた。更には、『チビ団子』と言われたことに腹が立ち、余計な気力を消耗した気がする。
玄関をくぐり抜け、シャワーも浴びずベッドに直行。そのまま寝てしまい、次に起きた時には辺りは真っ暗で、一瞬今がいつなのか分からないくらい熟睡していたらしい。
時計を見ると真夜中で、半日近く寝ていたようだ。昨夜は仮眠をする時間もなく、身体が睡眠を欲していたのだろう。
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当番日は、朝八時半から翌朝八時四十分まで勤務し、朝に仕事が終わったらその日は非番日になる。基本は休みなのだが、残っている仕事をしたりイベントなどに人手が足りないと手伝いに行ったり、当番日には参加できない研修が入ったりと必ず休めるわけではない。何もなければ休みになる感じだ。非番日の翌日は、公休日か当番日に当たる。
事故の日の非番の翌日、私は公休日になっていたので、何とか気力も体力も回復できた。
事故のバス二台には、合わせて百名弱の乗客が乗っていたのだが、死亡者がいなかったことが不幸中の幸いだ。
私の乗っていたバスの運転手だけが重症で入院した。やはり事故直前の心臓発作が原因だったのだ。他の乗客は、捻挫や打撲程度のけがですんでいるが、こういう事故の場合どちらかというと精神的ショックの方が心配だ。
普段から事故現場に出動していても、突然のことに私も動揺した。
ボサボサマスク男の発言で、動揺していた気持ちが一瞬にして吹き飛んだのは感謝だが、やはり今思い出しても腹が立つことに変わりない。
もう二度と会いたくない――。
だが、再会はすぐにやって来る――。
公休日明け、身体も軽く出勤した。
今日の気候は、平年並みの予報だ。朝は、肌寒さも感じるくらいで、熱中症の心配はあまりないだろう。
ただ、他にも色々な理由で救急要請は来るのだ。
この日の午前中は、救急要請はあるものの、署に2台ある救急車のどちらかは署にある状態で落ち着いていた。
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