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第十六章
プロポーズまでの道のり SIDE蒼空②
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そこへ――
スマホが鳴って相手を見ると陽さんではないか。
「もしもし」
「蒼空、今大丈夫か?」
「はい。なにかありましたか?」
「今エントランスで凛花ちゃんを見たんだ」
「へ⁉」
「一人だしどこへ行くのか確認したら、ラウンジに入って行った」
「……。誰かと待ち合わせですかね? 一人でSAKURAへ行くなんて、なにかあったのか……」
「相手は綺麗な女性だったぞ」
「ええ⁇」
益々謎が深まる。優香や会社関係の人なら、SAKURAのラウンジへ行くだろうか……
この後、陽さんから女性の特徴を聞いた俺は、復帰したばかりで申し訳ないが昌磨に残りの仕事を押しつけて、SAKURAに向かって全力で走ったのは言うまでもない。
「凛花!!」
ラウンジに着き愛しの彼女の元へ一直線で向かう。驚く凛花よりも、美和に理由を聞く方が先だ。
「美和どういうことだ?」
美和は、凛花が俺にここへ来ていることを話したと思っているが、俺は陽さんから聞いて焦ってここまでやって来たのだ。
こともあろうに、俺が凛花に騙されていると思ってやって来たという。俺が中途半端に、会ってほしい人がいると言って帰って来たのも問題だが、小さい頃からブラコン気味の美和は、何かにつけて俺のことを詮索する。今回も、大介から凛花のことを聞き出したようだ。美和にも彼氏がいて、大人になったと思っていたが、まだ俺に対する執着は残っていたということか。凛花のためにも、はっきりとさせておかなければならない。
俺と美和がいつものように言い合っていると、凛花に止められた。
そう、カッとしてSAKURAのラウンジだということを忘れていた。いつもの部屋を取って、そこで続きの話をする。
こそこそ呼び出した理由を聞くと、俺に相応しいか見てあげようと思ったという。しかも、本気で騙されていると思っていた。
凛花が高校の後輩でバスケ部のマネージャーと知って、俺と大介が働き者のマネージャーの話をしていたのを思い出したらしい。
俺がきちんと話をしていたら、こうして美和が強引に凛花を呼び出すことも、凛花に騙されていると誤解することもなかったと思うと反省するべきは俺だ。
スマホが鳴って相手を見ると陽さんではないか。
「もしもし」
「蒼空、今大丈夫か?」
「はい。なにかありましたか?」
「今エントランスで凛花ちゃんを見たんだ」
「へ⁉」
「一人だしどこへ行くのか確認したら、ラウンジに入って行った」
「……。誰かと待ち合わせですかね? 一人でSAKURAへ行くなんて、なにかあったのか……」
「相手は綺麗な女性だったぞ」
「ええ⁇」
益々謎が深まる。優香や会社関係の人なら、SAKURAのラウンジへ行くだろうか……
この後、陽さんから女性の特徴を聞いた俺は、復帰したばかりで申し訳ないが昌磨に残りの仕事を押しつけて、SAKURAに向かって全力で走ったのは言うまでもない。
「凛花!!」
ラウンジに着き愛しの彼女の元へ一直線で向かう。驚く凛花よりも、美和に理由を聞く方が先だ。
「美和どういうことだ?」
美和は、凛花が俺にここへ来ていることを話したと思っているが、俺は陽さんから聞いて焦ってここまでやって来たのだ。
こともあろうに、俺が凛花に騙されていると思ってやって来たという。俺が中途半端に、会ってほしい人がいると言って帰って来たのも問題だが、小さい頃からブラコン気味の美和は、何かにつけて俺のことを詮索する。今回も、大介から凛花のことを聞き出したようだ。美和にも彼氏がいて、大人になったと思っていたが、まだ俺に対する執着は残っていたということか。凛花のためにも、はっきりとさせておかなければならない。
俺と美和がいつものように言い合っていると、凛花に止められた。
そう、カッとしてSAKURAのラウンジだということを忘れていた。いつもの部屋を取って、そこで続きの話をする。
こそこそ呼び出した理由を聞くと、俺に相応しいか見てあげようと思ったという。しかも、本気で騙されていると思っていた。
凛花が高校の後輩でバスケ部のマネージャーと知って、俺と大介が働き者のマネージャーの話をしていたのを思い出したらしい。
俺がきちんと話をしていたら、こうして美和が強引に凛花を呼び出すことも、凛花に騙されていると誤解することもなかったと思うと反省するべきは俺だ。
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