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第十五章
一生に一度の瞬間⑦
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「素敵」
「だな。陽さんがいつも兄一家を自慢するのがわかるよ」
「世界が違うね」
蒼空さんもとんでもなくイケメンだけど、年齢を重ねた深みが違うのか。将来の蒼空さんを見ているように思えた。
私もさくらさんのような女性になりたい……
チェックインをしていつもの部屋へ荷物を置いて、ディナーの時間までクラブラウンジで景色を見ながらのんびりと過ごした。
ただ好きな人と景色を見ながらのんびりと過ごす時間が、こんなに贅沢な時間だと教えてくれる。これからも、蒼空さんのそばで過ごしたい。
ディナーは、最上階にあるSAKURA自慢のフレンチのお店だ。クラブラウンジフロアも驚くほど豪華だけど、ここはさらに上をいく豪華さで、エレベーターを降りた瞬間から緊張でおかしくなりそうだ。
「そ、そ、蒼空さん」
「ん? どうした?」
「緊張で足が竦む」
「フッ、では抱き上げて運びましょうか?」
「冗談言わないで」
「本気だぞ?」
「結構です」
「片桐様いらっしゃいませ。ご案内いたします」
まだ名前を名乗っていないけれど、蒼空さんの名前が呼ばれて案内される。私達の今のやり取りもどこからか聞かれていたのではないか……。恥ずかしすぎる……
蒼空さんにエスコートされて案内された席は、素晴らしい夜景が輝く豪華な個室だった。
私達が席に座るのを見届けて、ウェイターさんは何も言わずに出て行ってしまう。最上階に着いてから、いつも以上に緊張していた私は正直ホッとした。
「どうした?」
「蒼空さんは来たことがあるの?」
「何度か」
「私にはハードルが高すぎます」
「緊張するかと思って個室にしてもらったんだ。俺と二人なんだし、景色と料理を楽しもう」
「う、うん」
せっかく私には縁のない高級フレンチを食べるのだから、素直に楽しむことにする。景色に負けない美しい彼氏と一緒だなんて、贅沢過ぎるシチュエーションだ。
何も注文していないのに、ウェイターさんが高そうなシャンパンを運んできてグラスに注いでくれる。
「だな。陽さんがいつも兄一家を自慢するのがわかるよ」
「世界が違うね」
蒼空さんもとんでもなくイケメンだけど、年齢を重ねた深みが違うのか。将来の蒼空さんを見ているように思えた。
私もさくらさんのような女性になりたい……
チェックインをしていつもの部屋へ荷物を置いて、ディナーの時間までクラブラウンジで景色を見ながらのんびりと過ごした。
ただ好きな人と景色を見ながらのんびりと過ごす時間が、こんなに贅沢な時間だと教えてくれる。これからも、蒼空さんのそばで過ごしたい。
ディナーは、最上階にあるSAKURA自慢のフレンチのお店だ。クラブラウンジフロアも驚くほど豪華だけど、ここはさらに上をいく豪華さで、エレベーターを降りた瞬間から緊張でおかしくなりそうだ。
「そ、そ、蒼空さん」
「ん? どうした?」
「緊張で足が竦む」
「フッ、では抱き上げて運びましょうか?」
「冗談言わないで」
「本気だぞ?」
「結構です」
「片桐様いらっしゃいませ。ご案内いたします」
まだ名前を名乗っていないけれど、蒼空さんの名前が呼ばれて案内される。私達の今のやり取りもどこからか聞かれていたのではないか……。恥ずかしすぎる……
蒼空さんにエスコートされて案内された席は、素晴らしい夜景が輝く豪華な個室だった。
私達が席に座るのを見届けて、ウェイターさんは何も言わずに出て行ってしまう。最上階に着いてから、いつも以上に緊張していた私は正直ホッとした。
「どうした?」
「蒼空さんは来たことがあるの?」
「何度か」
「私にはハードルが高すぎます」
「緊張するかと思って個室にしてもらったんだ。俺と二人なんだし、景色と料理を楽しもう」
「う、うん」
せっかく私には縁のない高級フレンチを食べるのだから、素直に楽しむことにする。景色に負けない美しい彼氏と一緒だなんて、贅沢過ぎるシチュエーションだ。
何も注文していないのに、ウェイターさんが高そうなシャンパンを運んできてグラスに注いでくれる。
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