俺様上司と複雑な関係〜初恋相手で憧れの先輩〜

第十五章

一生に一度の瞬間②

「誘惑されて、ゆっくり眠られるわけないだろう？」
「ゆ、ゆ、誘惑⁉」
「寝起きに柔らかい唇の感触がして、誘惑以外の何ものでもないだろう？　ほら」

　言葉と同時に手を取られて下半身に導かれて、すでに最大限に膨張したモノに触れた。驚いて思わず手を引いてしまう。

「……」
「どうしてくれるの？」
「私の責任なの？」
「ああ、朝から凛花が俺を煽るから、もう我慢できそうにない。今日は午後から出掛けようと思っているから、ほどほどにしておくよ」
「ええっ？　我慢する選択肢は……」
「ない」

　はっきりと告げられた瞬間、蒼空さんが上から私を見下ろしている。寝起きだったはずが、すでに夜の顔になっているではないか。どんな時でも、蒼空さんに見つめられると反応してしまう私の身体は、すでに期待で濡れ始めている。

　今度は蒼空さんから口づけが下りてきたと思ったら、すでに服の中に手が入り込み、寝るときはブラジャーをつけていないので、ダイレクトに指が胸の先端を掠める。

　軽く触れられただけでは、疼きが増すだけで足りない……

　次の刺激を期待して、更に私の身体が反応する。なのに、指は胸をやわやわと触るだけだ。気持ち良さを知っている身体は、もっとと叫んでいる。

「蒼空さん」
「ん？　どうした？」

　絶対にわかっているはずなのに、私の口から言わせたいのか、わからない振りをしている。恥ずかしくても、身体がもう我慢できないくらい疼いているのだ。

「もっと……」
「フッ、素直な凛花は可愛いな」

　余裕な蒼空さんに弄ばれている気がするけれど、私には一生敵わない相手だ。一気に私の着ているものを脱がしてしまう。私だけが全裸の状態がさらに羞恥心を煽る。間違いなくワザとだ。

　蒼空さんの唇が私の首筋から胸へとゆっくりと這い、すでに尖った先端をペロペロと舐めている。気持ちいいけれど、もっと強い刺激がほしい。蜜口はしっとりと湿り、全身が次の刺激を求めて疼いているのだ。

　期待していた刺激のないまま、唇はさらに下半身に向かっている。