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第十三章

変化の時 SIDE蒼空④

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『それはわかってるけど、もう知り合って何年だと思う? 進展しないまま、凛花に彼氏ができてしまうんだと正直思ってた』
「俺が凛花を諦めるわけないだろ?」
『それにしては、のんびりしすぎだ』
「喜んでくれないのか?」
『親友としてはもちろん嬉しいし、心から祝福してる。ただ驚きが大きすぎて、まだ信じられない』
「俺と凛花がつき合ってることを直接確かめてくれたらいいだろう?」
『わかった。すぐに計画する。ただ、地元を離れている奴らが多いから、場所は蒼空の住んでいる辺りがいいな。いい所があったら教えてくれ』
「人数にもよるけど、場所は神楽坂リゾートの『SAKURA』のパーティールームとかどうだ?」
『それは理想的だけど、みんなの予算もあるからな』
「大体の人数が決まったら教えてくれ。場所は俺の方で確認するから」
『了解。はぁ~久しぶりに連絡してきたと思ったら心臓に悪いわ。とにかく、おめでとう。凛花に逃げられないようにな』
「俺を誰だと思ってる」
『プッ、はいはい』
 
 昔から変わらないテンポのいい会話が心地良い。

 そして仕事の早い親友は、あっという間に全員から出欠を取って参加人数が決まった。

 卒業以来会っていないメンバーも多いが、優勝当時62人いた部員とマネージャーの内、55人が出席するという。すぐに、陽さんに相談して会場と予算を決めた。冷静に考えたら、凛花と優香の二人を除くとすべて男だ。俺の凛花に手を出す奴はいないだろうが、当時より更に綺麗になった凛花を見られると思うと嫉妬心が沸く。

 そんな俺の心配なんて微塵も感じていない凛花は、服装に悩んでいる。いっそのこと、普段着でいいのにとさえ思ってしまう。服装に関係なく凛花自身が目を惹く存在なのだ。

 案の定、当日は大介をはじめ男共がこぞって凛花が綺麗になったと褒めている。もう、俺の凛花を見ないでくれと真剣に思っていた。

 解散する頃には、みんなが俺達の結婚式に呼んでくれと言って盛り上がっていたので、一先ずホッとした。心が狭いと思われるかも知れないが、手に入れたからには誰にも渡すつもりはない。いや、そもそも誰にも渡すつもりはなかった。

 結婚式で、ウエディングドレスに身を包んだ美しい凛花を見せびらかすのも悪くない。


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