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第十三章
変化の時 SIDE蒼空①
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凛花が無事で本当に良かった。検査をしてもらっている間も生きた心地がしなかった。もし凛花に何かあったら……
気が動転して凛花のそばから離れない俺の代わりに、昌磨が全て対応してくれた。
様子を見るために一晩入院となり、一緒に泊まるつもりが付き添いはできないと言われてしまう。仕方がないので、病院から会社に戻った。社内には、昌磨と数人が残っているだけだ。
「お疲れ」
「蒼空!! 吉瀬さんは?」
「ああ、一晩入院になった」
「そうか……。大丈夫なのか?」
「検査もしてもらったけど、大きなたん瘤と打撲だけで済んだ」
「不幸中の幸いか」
「で? どうなった?」
「ああ。傷害罪で現行犯逮捕されて、ストーカーに関する捜査が進んでいる。社長も林を解決したばかりなのに、橋本までこんなことになって、ショックを受けていた。ただ、橋本は警察沙汰になって証拠も揃っているし、懲戒解雇処分になったぞ」
「そうか」
「今朝の出来事はすでに社内で噂になっていて、浜口がやけに大人しかった。巻き込まれたらヤバイと思ったのかもな」
その後も、昌磨に報告を聞きながらも、今日一日できなかった仕事をこなしていく。
「昌磨、凛花を一週間位休ませようかな」
「精神的に休養が必要か?」
「いや、俺が心配だから……」
「フッ、長いつき合いだが、今の蒼空が一番人間らしくていいよ。今までが完璧過ぎたんだ。吉瀬さん次第で決めたらいい。仕事はみんなでフォローするから」
「ありがとう」
結局、凛花自身が望まなかったので、退院の翌日から出勤することになった。ただ、橋本が逮捕されても凛花を一人で出勤させる不安が俺を襲う。また何かあったらと思うと、気が気じゃない。
凛花には、今までよりも早く出勤させてしまうが、俺の時間に一緒にマンションを出ることで話がまとまった。もう、目の前で意識を失う凛花を見たくないんだ。
昌磨には笑われたが、心配なのだからしょうがない。
オフィス内でも今まで以上に目を光らせている。橋本の分の仕事の負担が凛花達に増えているが、昌磨によって無理のない範囲で振り分けられていた。
気が動転して凛花のそばから離れない俺の代わりに、昌磨が全て対応してくれた。
様子を見るために一晩入院となり、一緒に泊まるつもりが付き添いはできないと言われてしまう。仕方がないので、病院から会社に戻った。社内には、昌磨と数人が残っているだけだ。
「お疲れ」
「蒼空!! 吉瀬さんは?」
「ああ、一晩入院になった」
「そうか……。大丈夫なのか?」
「検査もしてもらったけど、大きなたん瘤と打撲だけで済んだ」
「不幸中の幸いか」
「で? どうなった?」
「ああ。傷害罪で現行犯逮捕されて、ストーカーに関する捜査が進んでいる。社長も林を解決したばかりなのに、橋本までこんなことになって、ショックを受けていた。ただ、橋本は警察沙汰になって証拠も揃っているし、懲戒解雇処分になったぞ」
「そうか」
「今朝の出来事はすでに社内で噂になっていて、浜口がやけに大人しかった。巻き込まれたらヤバイと思ったのかもな」
その後も、昌磨に報告を聞きながらも、今日一日できなかった仕事をこなしていく。
「昌磨、凛花を一週間位休ませようかな」
「精神的に休養が必要か?」
「いや、俺が心配だから……」
「フッ、長いつき合いだが、今の蒼空が一番人間らしくていいよ。今までが完璧過ぎたんだ。吉瀬さん次第で決めたらいい。仕事はみんなでフォローするから」
「ありがとう」
結局、凛花自身が望まなかったので、退院の翌日から出勤することになった。ただ、橋本が逮捕されても凛花を一人で出勤させる不安が俺を襲う。また何かあったらと思うと、気が気じゃない。
凛花には、今までよりも早く出勤させてしまうが、俺の時間に一緒にマンションを出ることで話がまとまった。もう、目の前で意識を失う凛花を見たくないんだ。
昌磨には笑われたが、心配なのだからしょうがない。
オフィス内でも今まで以上に目を光らせている。橋本の分の仕事の負担が凛花達に増えているが、昌磨によって無理のない範囲で振り分けられていた。
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