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第十章
公認の仲⑤
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「うん。SAKURAの近くにあるイタリアンのお店」
「近くだな。俺達は、SAKURA内のレストランなんだ。何かあればすぐに連絡して来いよ」
「うん」
「プッ」
「「え?」」
私達の会話を、横で聞いていた小春が突然吹き出したので、私と蒼空さんは驚いて視線を向けた。
「片桐部長って、そんなキャラだったんですね」
「どういう意味だ?」
「クールであまり感情を表に出さないイメージだったのに、心配性で彼女を溺愛する彼氏じゃないですか」
「小春!!」
「ああ、可愛い彼女が心配で堪らない」
「ププッ、アハハ」
蒼空さんの言葉に、小春が爆笑している。オフィスビルを出てお店に到着するまで、思い出しては笑っている小春に、私は恥ずかしくていたたまれなかった。
まさか、私達の姿を見て後ろからついてきている人がいるなんて、気づきもしなかったのだ。
お店に到着して、席に案内されてメニューを見ている時だった。
隣の席に、男性二人が案内されて座ったので、何気なく視線を向けたのだが……
「え⁉」
「凛花どうしたの? ええっ⁉」
私の声に反応した小春も、隣の席の人達に気づいた。
「偶然だね。俺達も、たまたま食事に来たんだ」
「初めまして。床田の同期の木下です」
「「……」」
せっかく美味しいと話題のイタリアンに食事へ来たのに、一瞬でテンションが下がってしまう。隣のテーブルとの距離は、一般的な飲食店と変わらないので、会話を聞こうと思えば丸聞こえだ。今、店に来て席についたばかりで店を出るわけにもいかず、隣を見ないようにメニューを見ていても、遠慮なく声が掛かる。
「せっかくだから一緒に食事しない?」
「結構です」
「冷たいなぁ」
冷たいもなにも、約束して一緒に来たわけでもないのに、なんで一緒に食事をしなくてはならないのか。
「小春、何にする?」
「どれも美味しそうだね」
私達が、メニューを見て会話をしているところに、視線を向けられて気分が悪い。
「あの!!」
「なに?」
「私達、女子会をしているんです。邪魔しないで下さい」
「俺達も、食事に来ただけだよ」
「じゃあ、こっちに声を掛けたり、ジロジロ見ないで下さい」
「近くだな。俺達は、SAKURA内のレストランなんだ。何かあればすぐに連絡して来いよ」
「うん」
「プッ」
「「え?」」
私達の会話を、横で聞いていた小春が突然吹き出したので、私と蒼空さんは驚いて視線を向けた。
「片桐部長って、そんなキャラだったんですね」
「どういう意味だ?」
「クールであまり感情を表に出さないイメージだったのに、心配性で彼女を溺愛する彼氏じゃないですか」
「小春!!」
「ああ、可愛い彼女が心配で堪らない」
「ププッ、アハハ」
蒼空さんの言葉に、小春が爆笑している。オフィスビルを出てお店に到着するまで、思い出しては笑っている小春に、私は恥ずかしくていたたまれなかった。
まさか、私達の姿を見て後ろからついてきている人がいるなんて、気づきもしなかったのだ。
お店に到着して、席に案内されてメニューを見ている時だった。
隣の席に、男性二人が案内されて座ったので、何気なく視線を向けたのだが……
「え⁉」
「凛花どうしたの? ええっ⁉」
私の声に反応した小春も、隣の席の人達に気づいた。
「偶然だね。俺達も、たまたま食事に来たんだ」
「初めまして。床田の同期の木下です」
「「……」」
せっかく美味しいと話題のイタリアンに食事へ来たのに、一瞬でテンションが下がってしまう。隣のテーブルとの距離は、一般的な飲食店と変わらないので、会話を聞こうと思えば丸聞こえだ。今、店に来て席についたばかりで店を出るわけにもいかず、隣を見ないようにメニューを見ていても、遠慮なく声が掛かる。
「せっかくだから一緒に食事しない?」
「結構です」
「冷たいなぁ」
冷たいもなにも、約束して一緒に来たわけでもないのに、なんで一緒に食事をしなくてはならないのか。
「小春、何にする?」
「どれも美味しそうだね」
私達が、メニューを見て会話をしているところに、視線を向けられて気分が悪い。
「あの!!」
「なに?」
「私達、女子会をしているんです。邪魔しないで下さい」
「俺達も、食事に来ただけだよ」
「じゃあ、こっちに声を掛けたり、ジロジロ見ないで下さい」
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