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第十章
公認の仲①
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ケガは大したことがなく、退院翌日から職場に復帰した。
蒼空さんには、1週間くらい休養するように言われたけれど、一人でマンションにいても寂しい。今回のことで、オフィス内では私と蒼空さんの関係が知られることになり、隠す必要がなくなったのだ。蒼空さんが心配するので、これからは今までよりも出勤時間を早めて一緒に出社する。
林先輩がいなくなり、梨乃ちゃんが逮捕された……
かなり大事になってしまい、風花をはじめとした蒼空さんのことを好きな人達は、どう思ったのだろう。
「凛花、用意できたか?」
「はい」
「行くぞ」
離さないとばかりに、腰を抱かれて歩く。
「いってらっしゃいませ」
コンシェルジュの方からの視線も、生温くていたたまれない。長年見てきたクールな蒼空さんは、どこへ行ったのだろう。
オフィスビルに着いて、エレベーターを待っていると「おはよう」と後ろから声がしたので振り向く。そこには笑いを堪えた轟課長の姿があった。
「おはようございます。課長、この度はご迷惑をお掛けしました」
「無事で良かったよ」
「ありがとうございました」
「それにしても朝から見せつけてくれるな」
「え⁉ あっ」
まだ、蒼空さんと身体が密着した状態だったことを思い出した。
「蒼空さん」
「なんだ?」
「人目があるから」
「見たい奴には、見せつけてやったらいい」
「……」
「プッ、今までクールな蒼空しか知らないから、かなり新鮮だよ」
恥ずかしくて、頬が火照ってくる。まだ人が少ない時間で良かったけれど、オフィスビル内でも人気な蒼空さんの彼女が、私だと知られるのも時間の問題かと思うと、少し怖くなる。
「林と橋本が抜けて、凛花の仕事も必然的に増えて残業することになる。一人で帰らせるのは心配だから、帰りも一緒な」
「え? は、はあ……」
「プハッ、まあ心配はわかるけど、蒼空に合わせてたら吉瀬さんが、ゆっくりと休養する時間が減るんじゃないか?」
「……。凛花が早く終わった時は、マンションまで送るよ」
「一人で帰れるよ」
「それだけは絶対ダメだ」
心配し過ぎな気もするが、今は素直に甘えておいた方が良さそうだ。
蒼空さんには、1週間くらい休養するように言われたけれど、一人でマンションにいても寂しい。今回のことで、オフィス内では私と蒼空さんの関係が知られることになり、隠す必要がなくなったのだ。蒼空さんが心配するので、これからは今までよりも出勤時間を早めて一緒に出社する。
林先輩がいなくなり、梨乃ちゃんが逮捕された……
かなり大事になってしまい、風花をはじめとした蒼空さんのことを好きな人達は、どう思ったのだろう。
「凛花、用意できたか?」
「はい」
「行くぞ」
離さないとばかりに、腰を抱かれて歩く。
「いってらっしゃいませ」
コンシェルジュの方からの視線も、生温くていたたまれない。長年見てきたクールな蒼空さんは、どこへ行ったのだろう。
オフィスビルに着いて、エレベーターを待っていると「おはよう」と後ろから声がしたので振り向く。そこには笑いを堪えた轟課長の姿があった。
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「ありがとうございました」
「それにしても朝から見せつけてくれるな」
「え⁉ あっ」
まだ、蒼空さんと身体が密着した状態だったことを思い出した。
「蒼空さん」
「なんだ?」
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「見たい奴には、見せつけてやったらいい」
「……」
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恥ずかしくて、頬が火照ってくる。まだ人が少ない時間で良かったけれど、オフィスビル内でも人気な蒼空さんの彼女が、私だと知られるのも時間の問題かと思うと、少し怖くなる。
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「え? は、はあ……」
「プハッ、まあ心配はわかるけど、蒼空に合わせてたら吉瀬さんが、ゆっくりと休養する時間が減るんじゃないか?」
「……。凛花が早く終わった時は、マンションまで送るよ」
「一人で帰れるよ」
「それだけは絶対ダメだ」
心配し過ぎな気もするが、今は素直に甘えておいた方が良さそうだ。
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