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第九章

凛花を傷つける奴は許さない SIDE蒼空⑤

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 必死に仕事を終わらせた俺は、凛花をSAKURAに呼び出した。

 この数週間は、同棲を始めたはずが、ただの同居生活になってしまっている。こんな始まりでは納得できないのだ。SAKURAからもう一度始めたいと、あの日と同じ部屋で凛花と過ごすことに決めたのだ。

 凛花がお風呂に入っている間に、ルームサービスを頼んで食事をして、会話を楽しんでと計画をしている。

 二泊の予約を入れたので、時間はたっぷりあるのだ。焦らないと、自分に何度も言い聞かせる。凛花を抱きしめてしまうと、すぐにでもベッドに連れ込みそうなので、理性を総動員して部屋まで連れて来た。

 部屋に入って無意識に凛花にキスをすると、俺の理性はどこかへ吹っ飛びそうになる。ダメだと言い聞かせて凛花を離したのだが、凛花が俺の胸へ飛び込んできた。

「蒼空さんから離れたくない」

 それは反則だろう! 俺の理性は一瞬にして消え去った。愛しの彼女に抱きつかれて、離れたくないと言われて離れられるやつがいるのか?

 それでなくても、今の俺は飢えた獣が餌を前にして、待てと言われている状態なのだ。

 ベッドまで一直線に連れて行き、数週間ぶりの凛花を味わう。極上の身体を隅々まで堪能するも、欲は後から後から溢れてくるのだ。遊ぶこともせず、凛花を手に入れるまで我慢してきた俺が手に入れた最高の瞬間――

 今まで頑張ってきた俺への最高のご褒美だ。

 身体を繋げて快楽に溺れて、眠りにつく。目覚めると隣には愛しの彼女。

 共通の友人達の話題で、懐かしい会話に花を咲かせて盛り上がる。

 当時のバスケ部のメンバーは、今はどうしているのだろうか。

 俺が部長で、副部長だった金城大介きんじょうだいすけとは未だに連絡を取っている。大介には、凛花と同じ会社になった時から、俺の気持ちまでを話しているが、まだつき合っていることは話していない。早くしないと誰かに取られるぞと、何度も忠告されたものだ。驚くだろうが、喜んでくれるだろう。

 俺が大介と連絡を取っているように、凛花も優香と連絡を取り合っていると聞いて嬉しくなる。

 あの時の、最高のチームのメンバーで集まりたいと、大介がよく言っているのだ。凛花を手に入れた今、俺の凛花をみんなに自慢したい。


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