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第七章
真っ直ぐな想い⑧
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長いつき合いだが、交際に発展したのが数週間前。
同棲を始めて、蒼空さんとの距離がかなり縮まったとは思うが、まだ知らないことも多い。日々、新しい蒼空さんを発見しては嬉しくなる。
「凛花、これも美味い」
「ホントだ」
憧れで遠い存在だったはずが、手の届く距離にいるのだ。優香に報告したら驚くに違いない。そうだ、それを蒼空さんに確認しようと思っていたのだ。
「蒼空さん、私達のことって優香に話してもいい?」
「優香か、懐かしいな。俺はもちろん構わない。社内でも隠さずに、堂々と交際宣言するか?」
「それはちょっと……」
「林もいなくなったし、隠す必要がなくなっただろう?」
「蒼空さんのことが好きなのは林先輩だけじゃないし、まだ内緒にしておきたい」
「以前も言ったが、俺は凛花のことを狙ってる男共にアピールしたいけど」
「なんの冗談? 私を狙ってるって、そんな人いないよ」
なぜか、蒼空さんから残念な視線が向けられるも、私には全く理解できない。今まで彼氏すらいなかったのだから……
「社内では、もう少し様子をみることにするが、なにかあったらすぐに言えよ。凛花が我慢することは、なにもないんだから」
「うん。ありがとう」
そばに蒼空さんがいるだけで心強い。なにかあったら、必ず助けてくれる安心感がある。
ただ、恋に盲目な女性ほど厄介なものはない。妬みに足の引っ張り合い……
もしかしたら、林先輩を隠れ蓑にしていた黒幕がいるかもしれない。そんなモヤモヤは残ったままだ。あれから数週間経っても、特に何もないということは、ただの思い過ごしの可能性もある。
何があっても、私は蒼空さんを信じてついて行くだけだ。
「今でも優香と会ってるのか?」
「メールのやり取りは頻繁にしているの。でも優香は地元で就職していて、土日が必ず休みではないから、半年に一度会えたらいい方かな。蒼空さんは?」
「俺の代の副部長の金城って覚えてるか?」
「もちろん。金ちゃん先輩」
「金城とは、時々連絡している。金城が優勝した時のメンバーで集まりたいなって言っていたが、俺がずっと忙しくて実現していない」
同棲を始めて、蒼空さんとの距離がかなり縮まったとは思うが、まだ知らないことも多い。日々、新しい蒼空さんを発見しては嬉しくなる。
「凛花、これも美味い」
「ホントだ」
憧れで遠い存在だったはずが、手の届く距離にいるのだ。優香に報告したら驚くに違いない。そうだ、それを蒼空さんに確認しようと思っていたのだ。
「蒼空さん、私達のことって優香に話してもいい?」
「優香か、懐かしいな。俺はもちろん構わない。社内でも隠さずに、堂々と交際宣言するか?」
「それはちょっと……」
「林もいなくなったし、隠す必要がなくなっただろう?」
「蒼空さんのことが好きなのは林先輩だけじゃないし、まだ内緒にしておきたい」
「以前も言ったが、俺は凛花のことを狙ってる男共にアピールしたいけど」
「なんの冗談? 私を狙ってるって、そんな人いないよ」
なぜか、蒼空さんから残念な視線が向けられるも、私には全く理解できない。今まで彼氏すらいなかったのだから……
「社内では、もう少し様子をみることにするが、なにかあったらすぐに言えよ。凛花が我慢することは、なにもないんだから」
「うん。ありがとう」
そばに蒼空さんがいるだけで心強い。なにかあったら、必ず助けてくれる安心感がある。
ただ、恋に盲目な女性ほど厄介なものはない。妬みに足の引っ張り合い……
もしかしたら、林先輩を隠れ蓑にしていた黒幕がいるかもしれない。そんなモヤモヤは残ったままだ。あれから数週間経っても、特に何もないということは、ただの思い過ごしの可能性もある。
何があっても、私は蒼空さんを信じてついて行くだけだ。
「今でも優香と会ってるのか?」
「メールのやり取りは頻繁にしているの。でも優香は地元で就職していて、土日が必ず休みではないから、半年に一度会えたらいい方かな。蒼空さんは?」
「俺の代の副部長の金城って覚えてるか?」
「もちろん。金ちゃん先輩」
「金城とは、時々連絡している。金城が優勝した時のメンバーで集まりたいなって言っていたが、俺がずっと忙しくて実現していない」
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